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第一章 メス堕ち前夜

第十五話 触手(2)

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「やめてっ。お願い。これ以上体、汚さないで」

 触手がうねうねと蠢きながら、体を舐めまわしてくる。
 うなじから、口の中、舌、首筋、鎖骨を同時に攻められる。
 ブラの隙間を狙って、胸の谷間から侵入しようと、何本もの触手が殺到する。
 下乳の方からも、隙を狙って触手が伸びてくる。
 乳首の上を、円を動くように柔らかく刺激される。

(あなたは胸への愛撫だけでイクの。メスイキを体で覚え込むの)

「ぁ……あんっ……やっ……あん」

 嫌なのに、女の喘ぎ声を止められない。
 溢れてくる涙を止められない。

 触手から出てくる粘液は、体にまとわりつき、媚薬のように頭の機能を奪っていく。

(引き出してあげるわ。あなたの奥に眠るメスの本能を。オスに犯されたくてキュンキュンしちゃう、正真正銘の女の性を)

「いや」と言おうとした刹那せつな、唇を押し開けようと太い触手が押し当てられる。

 次第に圧を上げながら、口をこじ開けて、喉奥へと進んでいく。
 舌と粘液が絡み合う。
 気道が狭められ、頭に酸素が回らなくなってくる。
 
(だんだん、いい顔になってきたわ。感じているメスの顔に)

 胸の周りの触手は、ブラをふやかしながら、カップの中へと侵入してくる。
 敏感な乳首を圧迫されると、痛みに近い快感がビリビリと胸全体に響いていく。

「ぁ……いた……あぁーーん」

 口の奥を犯され続けて、喉奥がマヒしていく。
 喉が脱力して、自然と上を向く。
 触手の動きに合わせて、舌がいやらしく動かされる。

(もっと感じなさい。咲き乱れなさい)

 股間がむずむずして、おちんちんがゆっくりと上を向いていく。
 細いショーツをはみ出すように、大きくなっていく。
 被った皮からのぞいた亀頭が空気に触れ、はち切れそうなほど大きくなっていく。

(ふふっ。もう限界が近いのかしら。腰がワナワナいっているわ。上半身への愛撫だけで、ここまで発情できるなんて、メス適性が高いのね)

 脳を溶かすような、くすぐったいような快感に、焦点が合わなくなる。
 頭に霧がかかっていく。
 鼻の奥までしびれていく。

 胸の快楽は既に全身を包み、津波のように快感の水位が上がっていく。
 理性のダムを突き崩すように、じわじわといただきへと昇っていく。

「あっ……あんっ……いやっ……ダメッ……ダメなのに……あんっ」

 愛撫に合わせて、喘いでしまう。
 メスそのものの声で、喘ぎ続けてしまう。
 止まらない。自分を止められない。
 まるで、山から転げ落ちる岩のように、勢いを増しながら奈落ならくという名の天国へ堕ちていく。
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