【R18】注文の多い料理店【TS】ー完結ー

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第一章 メス堕ち前夜

第十話 はじめてのブラ(1)

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「これからどうすればいいんだろう」

 ぐるぐると部屋を歩き回る。
 ショーツの優しい肌触りが、気恥ずかしい。
 一度は意を決して、穿いてはみたものの、ずっと身に付けていると、やっぱり落ち着かない。
 どういうわけか、胸や乳首の辺りがスースーする。

 あらためて言うけど、好きで女の子の格好をしている訳じゃないよ。
 僕はれっきとした男の子だし、女装なんて趣味、一切ないからね。

 ショーツを穿いているなんて、死ぬほど恥ずかしいんだよ。
 誰かに見られてないよね。絶対見られてないよね。


 とりあえず落ち着こう。一旦冷静になろう。

 あっそうだ。いいこと思い付いた。
 さっきまで着ていた服をまた着ればいいんだ。
 なんでこんな簡単なことを忘れていたんだろう。
 バカみたい。
 早速解決しちゃったね。めでたし、めでたし。

 確か、お洋服は右のかごの中に入れたんだよね。
 だから、今だってまだそこにあるはず。絶対そこに……。

 あれ? あれれ? おかしいな。
 
「ない。ないよ。僕の男の子の服が見つからない。どこに行っちゃったの」

 脱衣所に置いてあったはずの僕のお洋服は、探しても探しても見当たらない。もしかして、持っていかれちゃったの? ないと困るのに。

「ひどいよ。返して。僕の服、返してよ」

 僕は大声で叫ぶ。
 涙ながらに必死に訴える。
 でも、どんなに喉を枯らしても返事がない。
 待てど暮らせど誰も来ない。
 近くにいないのかな。

 涙が乾いて、ようやく僕は男らしく諦めた。
 僕、男の子だから。

「次の部屋に行くしかないよね」

 大丈夫。きっと何とかなる。
 自分で着てきたお洋服だもん。
 返してもらえるはずだよね。
 
 そうと決まれば、行動あるのみ。
 僕は次の部屋に急いで行こうとする。

 だが、

「開かない。開かないよ。いったいどうして」

 どんなに強くドアノブを回しても、扉は開かない。
 鍵を掛けられたのだろうか。

「僕、閉じ込められちゃったの?」

 ドンドンとドアを叩くと、そこに文字が浮かび上がってきた。

 どういう仕組みなの?
 よく分からないけど、とりあえず書かれた文字を読んでみる。

『お渡しした下着を、全て着て下さい』

 それって、もしかして。いや、もしかしなくても。

「ブラジャーのこと? いくらなんでも男の子の僕が、そんなの着られないよ」

 そう叫ぶと、どこからともなく、女の人の声が聞こえてきた。

(そんなことないわ。その花柄のブラジャー、すごく似合うと思うわよ。今のあなたならびったりよ。試してみなさい。ふふふっ)
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