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第一章 メス堕ち前夜
第十話 はじめてのブラ(1)
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「これからどうすればいいんだろう」
ぐるぐると部屋を歩き回る。
ショーツの優しい肌触りが、気恥ずかしい。
一度は意を決して、穿いてはみたものの、ずっと身に付けていると、やっぱり落ち着かない。
どういうわけか、胸や乳首の辺りがスースーする。
あらためて言うけど、好きで女の子の格好をしている訳じゃないよ。
僕はれっきとした男の子だし、女装なんて趣味、一切ないからね。
ショーツを穿いているなんて、死ぬほど恥ずかしいんだよ。
誰かに見られてないよね。絶対見られてないよね。
とりあえず落ち着こう。一旦冷静になろう。
あっそうだ。いいこと思い付いた。
さっきまで着ていた服をまた着ればいいんだ。
なんでこんな簡単なことを忘れていたんだろう。
バカみたい。
早速解決しちゃったね。めでたし、めでたし。
確か、お洋服は右のかごの中に入れたんだよね。
だから、今だってまだそこにあるはず。絶対そこに……。
あれ? あれれ? おかしいな。
「ない。ないよ。僕の男の子の服が見つからない。どこに行っちゃったの」
脱衣所に置いてあったはずの僕のお洋服は、探しても探しても見当たらない。もしかして、持っていかれちゃったの? ないと困るのに。
「ひどいよ。返して。僕の服、返してよ」
僕は大声で叫ぶ。
涙ながらに必死に訴える。
でも、どんなに喉を枯らしても返事がない。
待てど暮らせど誰も来ない。
近くにいないのかな。
涙が乾いて、ようやく僕は男らしく諦めた。
僕、男の子だから。
「次の部屋に行くしかないよね」
大丈夫。きっと何とかなる。
自分で着てきたお洋服だもん。
返してもらえるはずだよね。
そうと決まれば、行動あるのみ。
僕は次の部屋に急いで行こうとする。
だが、
「開かない。開かないよ。いったいどうして」
どんなに強くドアノブを回しても、扉は開かない。
鍵を掛けられたのだろうか。
「僕、閉じ込められちゃったの?」
ドンドンとドアを叩くと、そこに文字が浮かび上がってきた。
どういう仕組みなの?
よく分からないけど、とりあえず書かれた文字を読んでみる。
『お渡しした下着を、全て着て下さい』
それって、もしかして。いや、もしかしなくても。
「ブラジャーのこと? いくらなんでも男の子の僕が、そんなの着られないよ」
そう叫ぶと、どこからともなく、女の人の声が聞こえてきた。
(そんなことないわ。その花柄のブラジャー、すごく似合うと思うわよ。今のあなたならびったりよ。試してみなさい。ふふふっ)
ぐるぐると部屋を歩き回る。
ショーツの優しい肌触りが、気恥ずかしい。
一度は意を決して、穿いてはみたものの、ずっと身に付けていると、やっぱり落ち着かない。
どういうわけか、胸や乳首の辺りがスースーする。
あらためて言うけど、好きで女の子の格好をしている訳じゃないよ。
僕はれっきとした男の子だし、女装なんて趣味、一切ないからね。
ショーツを穿いているなんて、死ぬほど恥ずかしいんだよ。
誰かに見られてないよね。絶対見られてないよね。
とりあえず落ち着こう。一旦冷静になろう。
あっそうだ。いいこと思い付いた。
さっきまで着ていた服をまた着ればいいんだ。
なんでこんな簡単なことを忘れていたんだろう。
バカみたい。
早速解決しちゃったね。めでたし、めでたし。
確か、お洋服は右のかごの中に入れたんだよね。
だから、今だってまだそこにあるはず。絶対そこに……。
あれ? あれれ? おかしいな。
「ない。ないよ。僕の男の子の服が見つからない。どこに行っちゃったの」
脱衣所に置いてあったはずの僕のお洋服は、探しても探しても見当たらない。もしかして、持っていかれちゃったの? ないと困るのに。
「ひどいよ。返して。僕の服、返してよ」
僕は大声で叫ぶ。
涙ながらに必死に訴える。
でも、どんなに喉を枯らしても返事がない。
待てど暮らせど誰も来ない。
近くにいないのかな。
涙が乾いて、ようやく僕は男らしく諦めた。
僕、男の子だから。
「次の部屋に行くしかないよね」
大丈夫。きっと何とかなる。
自分で着てきたお洋服だもん。
返してもらえるはずだよね。
そうと決まれば、行動あるのみ。
僕は次の部屋に急いで行こうとする。
だが、
「開かない。開かないよ。いったいどうして」
どんなに強くドアノブを回しても、扉は開かない。
鍵を掛けられたのだろうか。
「僕、閉じ込められちゃったの?」
ドンドンとドアを叩くと、そこに文字が浮かび上がってきた。
どういう仕組みなの?
よく分からないけど、とりあえず書かれた文字を読んでみる。
『お渡しした下着を、全て着て下さい』
それって、もしかして。いや、もしかしなくても。
「ブラジャーのこと? いくらなんでも男の子の僕が、そんなの着られないよ」
そう叫ぶと、どこからともなく、女の人の声が聞こえてきた。
(そんなことないわ。その花柄のブラジャー、すごく似合うと思うわよ。今のあなたならびったりよ。試してみなさい。ふふふっ)
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yoshieeesan
現代文学
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