【R18】注文の多い料理店【TS】ー完結ー

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第一章 メス堕ち前夜

第四話 ボディーソープ

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 疲れているせいだろうか。
 体を洗っていると、だんだん頭がボーっとしてくる。

「あれ? オレの肌、こんなにすべすべだったっけ?」

 体の感覚がいつもと違う。
 シャワーで体を洗い流しながら、オレは首をかしげる。

 やはり、何かがおかしい。
 お湯がいつもよりゆったりと、肌を伝って流れていく。
 そんな気がする。

 いや、今はそんなことよりも……。

「体を洗っただけなのに、どうしてこんなに気持ちいいんだよ。訳わかんねぇ」

 もちろん、気持ちいいのは嫌じゃない。
 オレに生じたのは、むしろ新鮮な驚きだ。
 これまで感じたことのない、得体のしれない快感がお腹の奥からじわじわと広がっていく。
 それが何なのかはよく分からない。

 ブルジュワ御用達の高級品だとこんなにも違うのか。
 体を芯まで温める効果まであるのか?
 お金持ちが羨ましい。

 ボディーソープがこんなにすごいんだったら、きっとシャンプーだって。
 オレは大量のシャンプーを手に取り泡立てた後、しっかりと髪を洗っていく。
 どういうわけか、いつも以上に体をきれいにしたい衝動に駆られている。

「こっちもすげぇ」

 少し洗ってみただけでも違いが分かる。
 ゴワゴワだった髪が、泡に触れた部分からしっとりと潤っていくのだ。
 リンスをすると更にサラサラになっていく。
 さっきよりも髪が伸びてきているような気がする。
 人の髪が数分で伸びるなんてありえないから、気のせいのはずだけど。

 シャワーから出ると、脱衣所に大きなタオルが用意されていた。
 柔軟剤たっぷりのふわふわのタオルで体を拭く。
 拭き終わってみてはじめて、先ほどから感じていた違和感の正体に気づく。

「あれ? オレのすね毛、なくなってる……。一体どうして」

 先ほどの違和感は、やはり気のせいではなかった。
 元々あったすね毛が全て抜け落ちている。
 すね毛だけではない。
 全身のムダ毛が抜け落ちてしまっている。
 元々体毛は男にしては薄い方だ。
 けれでも決して無毛だったわけではない。

 あのボディーソープには脱毛剤が含まれていたのだろうか。

「なんか女みたいで頼りないな」

 きっと、女性向けのボディーソープだったのだろう。
 まぁいいさ。
 脱毛なんて男としては全く嬉しくないが、誰かに見られることもないし、気にする必要はないだろう。
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