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第一章 メス堕ち前夜
第四話 ボディーソープ
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疲れているせいだろうか。
体を洗っていると、だんだん頭がボーっとしてくる。
「あれ? オレの肌、こんなにすべすべだったっけ?」
体の感覚がいつもと違う。
シャワーで体を洗い流しながら、オレは首をかしげる。
やはり、何かがおかしい。
お湯がいつもよりゆったりと、肌を伝って流れていく。
そんな気がする。
いや、今はそんなことよりも……。
「体を洗っただけなのに、どうしてこんなに気持ちいいんだよ。訳わかんねぇ」
もちろん、気持ちいいのは嫌じゃない。
オレに生じたのは、むしろ新鮮な驚きだ。
これまで感じたことのない、得体のしれない快感がお腹の奥からじわじわと広がっていく。
それが何なのかはよく分からない。
ブルジュワ御用達の高級品だとこんなにも違うのか。
体を芯まで温める効果まであるのか?
お金持ちが羨ましい。
ボディーソープがこんなにすごいんだったら、きっとシャンプーだって。
オレは大量のシャンプーを手に取り泡立てた後、しっかりと髪を洗っていく。
どういうわけか、いつも以上に体をきれいにしたい衝動に駆られている。
「こっちもすげぇ」
少し洗ってみただけでも違いが分かる。
ゴワゴワだった髪が、泡に触れた部分からしっとりと潤っていくのだ。
リンスをすると更にサラサラになっていく。
さっきよりも髪が伸びてきているような気がする。
人の髪が数分で伸びるなんてありえないから、気のせいのはずだけど。
シャワーから出ると、脱衣所に大きなタオルが用意されていた。
柔軟剤たっぷりのふわふわのタオルで体を拭く。
拭き終わってみてはじめて、先ほどから感じていた違和感の正体に気づく。
「あれ? オレのすね毛、なくなってる……。一体どうして」
先ほどの違和感は、やはり気のせいではなかった。
元々あったすね毛が全て抜け落ちている。
すね毛だけではない。
全身のムダ毛が抜け落ちてしまっている。
元々体毛は男にしては薄い方だ。
けれでも決して無毛だったわけではない。
あのボディーソープには脱毛剤が含まれていたのだろうか。
「なんか女みたいで頼りないな」
きっと、女性向けのボディーソープだったのだろう。
まぁいいさ。
脱毛なんて男としては全く嬉しくないが、誰かに見られることもないし、気にする必要はないだろう。
体を洗っていると、だんだん頭がボーっとしてくる。
「あれ? オレの肌、こんなにすべすべだったっけ?」
体の感覚がいつもと違う。
シャワーで体を洗い流しながら、オレは首をかしげる。
やはり、何かがおかしい。
お湯がいつもよりゆったりと、肌を伝って流れていく。
そんな気がする。
いや、今はそんなことよりも……。
「体を洗っただけなのに、どうしてこんなに気持ちいいんだよ。訳わかんねぇ」
もちろん、気持ちいいのは嫌じゃない。
オレに生じたのは、むしろ新鮮な驚きだ。
これまで感じたことのない、得体のしれない快感がお腹の奥からじわじわと広がっていく。
それが何なのかはよく分からない。
ブルジュワ御用達の高級品だとこんなにも違うのか。
体を芯まで温める効果まであるのか?
お金持ちが羨ましい。
ボディーソープがこんなにすごいんだったら、きっとシャンプーだって。
オレは大量のシャンプーを手に取り泡立てた後、しっかりと髪を洗っていく。
どういうわけか、いつも以上に体をきれいにしたい衝動に駆られている。
「こっちもすげぇ」
少し洗ってみただけでも違いが分かる。
ゴワゴワだった髪が、泡に触れた部分からしっとりと潤っていくのだ。
リンスをすると更にサラサラになっていく。
さっきよりも髪が伸びてきているような気がする。
人の髪が数分で伸びるなんてありえないから、気のせいのはずだけど。
シャワーから出ると、脱衣所に大きなタオルが用意されていた。
柔軟剤たっぷりのふわふわのタオルで体を拭く。
拭き終わってみてはじめて、先ほどから感じていた違和感の正体に気づく。
「あれ? オレのすね毛、なくなってる……。一体どうして」
先ほどの違和感は、やはり気のせいではなかった。
元々あったすね毛が全て抜け落ちている。
すね毛だけではない。
全身のムダ毛が抜け落ちてしまっている。
元々体毛は男にしては薄い方だ。
けれでも決して無毛だったわけではない。
あのボディーソープには脱毛剤が含まれていたのだろうか。
「なんか女みたいで頼りないな」
きっと、女性向けのボディーソープだったのだろう。
まぁいいさ。
脱毛なんて男としては全く嬉しくないが、誰かに見られることもないし、気にする必要はないだろう。
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