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第三章 美少女学園一年目 芽吹き根付く乙女心

【第116話】 翔の消失(6)◆

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「いいのぉ……気持ちいいのぉ」

 舌足らずに、うっとりとした声で翔は喘ぐ。
 目の焦点が合わっていない。
 快感に呆けた眼と頭に宿るのは、メスの欲情のみだ。

 幼い男の子の心は、女の悦びに酔いしれる。
 雲の上を漂うような心地よさ。
 たった一度、それを素直に認めてしまったことで、快楽のリミッターが外れていく。
 性的刺激への防御が解かれて、より感じやすい心と体になっていく。
 女のしつこい欲情が、疲弊した心に流れ込んでくる。

 翔は、快楽の正体が何なのか理解できていない。
 オーガズムを経てなお、男としての自我を保っている。
 無知であるおかげで、まだ男として自分を認識することができている。
 知らないことが、精神女性化への砦になっている。

 だが、無知は「もろ刃の刃」だ。

 翔の意識はまどろんでいる。
 快楽の海にプカプカと浮かぶ翔の心は、隙だらけだ。

 ペニクリは最大まで大きくなって、愛液がだだ洩れになっている。

 アリスは優しい声色で、翔に嘘を浴びせ続ける。

「翔ちゃん、すごいわ。すごく男らしいわ」

 翔は、虚ろな目をアリスの方に向けた。

「ご褒美に、アリスお姉さんがいいこと教えてあげるわ」

「……いい……こと?」

 翔の言葉に、意思は感じられない。

「そう。いいこと。翔ちゃんのおちんちん、大きくなっているでしょ?」

「……うん……」

「大きいおちんちんのことをね、大人は『クリちゃん』って言うのよ」

「クリ……ちゃん?」

 翔の性知識は乏しい。
 クリトリスが女性器のことを指すとは、夢にも思っていない。
 精神年齢も知識も、ほとんど三歳から成長していないのだから、当然と言えるだろう。

「そうよ、クリちゃん。お姉さんに続いて言ってみましょうね。『翔のクリちゃん、気持ちがいい』って」

「……クリちゃん……」

 翔の言葉は弱弱しい。

 アリスは翔の乳首を舐めて、イリスはペニクリから愛液を吸い上げる。

「ほら、翔ちゃん。いいんでしょ? 気持ちいいんでしょ? アリスお姉さんの言うことを繰り返せば、もっと気持ちよくしてあげるわ」

「……アリスお姉さん……ぁんっ……いう……あっ……こと……くりかえす?」

「そうよ。男の娘の中の男の娘なんだからできるはずよ。いい娘なんだから、簡単よね。それとも翔ちゃんは、アリスお姉ちゃんの言うことを聞けない女の子なのかしら?」

「……はぁん……ぼ……く……おんなのこ……じゃないの……おとこ……なの……いい子……なの」

「そうよね。男の子だったら、言えるはずよ。お姉さんに続いて言ってみましょうね。『翔のクリちゃん、気持ちいい』」

 翔はコクリと頷いた。

「しょう……の……あぁぁん……クリちゃん……きもちいい……はぁぁん」

 イリスがその言葉に合わせて、ペニクリを優しくこすると、愛液の量が増えていく。
 アリスはクスッっと笑いながら続ける。

「ふふっ。いい娘ね。翔ちゃん、すごく男らしかったわ。もう一度言ってみましょう『翔のクリちゃん、気持ちいい』」

「……しょう……のクリちゃ……ん……きもちがいい」

 さっきよりもはっきりした声で、翔は淫乱な言葉を口にする。

「いいわ。とってもいい娘。もう一回よ。『翔のクリトリス、気持ちがいい』」

「翔の……クリトリス……きもちがいい」

「『翔はおちんちんよりも、クリちゃんがいいい』」

「翔は……おちんちん……よりも……クリちゃんがいい」

 受け身の心には、オウム返しが快感となっていく。
 意味は分かっていない翔は、淫乱な言葉を発し続ける。

「とってもいい娘ね。もっと続けましょう」

 翔の目はさらに虚ろになっていく。
 アリスの言葉を繰り返すことで、自分で考える能力が失われていく。

「次はどうかしら『翔はお尻で感じちゃう』」

「翔は……おしり……で」

「『お尻で感じちゃう』」

「お尻で……かんじ……ちゃう」

「そうよ。『お尻を突かれて気持ちいい』」

「おしり……つかれてきもち……いい」

 イリスは翔のアナルを突く。
 ペニクリよりもアナルを中心に攻めていく。

「はぁぁん……そこっ」

「いいんでしょ? いいって言うのよ」

 イリスの言葉に、翔はなんとか答える。

「いい……いいのぉ」

「いい娘ね。ほら、『おしりおまんこ、気持ちがいい』」

「おしり……おまんこ……きもち……いい」

「『翔は攻められるのが好き』」

「翔……せめられるの……すき」

「『受け身のエッチが好き』」

「うけみ……エッチ……あぁぁん……好きっ……い、いやっ」

 お尻への刺激を強くしすぎたのか、翔の口から一瞬否定的な言葉が漏れる。

 だが、イリスにやんわりと軌道修正されられる。

「いやじゃないわ。ほら、いいんでしょ?」

「い……いい……きもち……いい」

「いい娘ね。とっても可愛らしい顔しているわ。じゃあ、もっとアリスお姉さんと続けましょうね。『翔は犯されるのが好き』」

「あぁん……いい……いいのぉ」

「あらっ、聞こえてないのかしら。もう一度言うわ『翔は犯されるのが好き』」

「翔……おかされ……るの……好き」

「『荒々しく犯されるのが好き』」

「あらあら……しく……あんっ……おかされる……好き」

「『もっと翔のお尻を突いて』」

「もっと……翔の……おしり……つい……はぁぁぁぁーーん」

 イリスは翔が言い終わる瞬間に合わせて、アナルを射抜く。
 アリスはなおも言葉の攻勢を続ける。

「『もっと激しく突いて』」

「もっと……はげし……つい……はぁぁぁぁーーーーーーーーん」

「『翔をめちゃくちゃにして』」

「翔……めちゃく……ちゃ……ぁぁぁあああああああああああああああーーーーん」

「『翔に注いで』」

「翔に……そそい……あsdfghjkl;--------」

「『あたしをえぐって』」

「あ……たし……をえぐっ……ぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」

 イリスは、もう翔のアナルしか攻めていない。
 ペニクリはお尻からの快感に反応して、勃起を続けている。

 ろれつが回らなくなってきた翔を、アリスはさらに言葉攻めしていく。

「『もっと翔の奥まで挿れて』」

「もっと……しょうの……おくまで……いれ……ぅぁん……って」

「『翔を突き上げて』」

「しょう……を……あぁん……つきあげて」

「『翔をおちんちんで突き上げて』」

「しょうを……おちんちん……つきあげて」

「『もっと激しく』」

「もっと……はじげく……はぁん」

「『翔をおちんちんで犯して』」

「しょう……おちんち……ん……お……して」

「『あたしの中に、ちょうだい』」

「あ……たし……なか……ちょうだい……ひゃん」

「『おちんちんミルク、ちょうだい』」

「おちん……ちんみるく……ちょうだい」

「『もっと翔をダメにして』」

「もっと……しょう……ダメにし……ぁぁん」

「『もっと奥まで挿れて』」

「もっと……おぐ……いれて……ぁん」

「『もっと、あたしをダメにして』」

「もっと……あたし……ダメに……はぁぁん」

「『あたしを犯して』」

「あたし……を……犯して……ぁっ……あぁぁぁん」


 翔は、途絶え途絶えに高い嬌声を交えて、オウム返しを繰り返す。
 受け身のエッチ、アナルとペニクリからの快楽、そして理解できていない言霊が、翔の心により深く浸透していった。
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