【R18】美少女専門学園 強制"性転換"部 特別洗脳コース【TS】

ジオラマ

文字の大きさ
上 下
142 / 211
第三章 美少女学園一年目 芽吹き根付く乙女心

【第65話】 再教育(65)つばさ

しおりを挟む
 大好きな明人の膝の上に座り、お気に入りのプリンセスドレスを着て、ヘッドギアーからの心地よい脳波を浴びせられ、つばさはすっかりしまっていた。
 頭はのぼせている。

 つばさはまだ幼いが、雰囲気からして美少女だ。
 それには内面的な変化、つまり心の女性化の影響が大きい。

 一度はっきりと心が女に目覚めた以上、大きなショックでも受けない限り、以前のように翔の状態に戻ることはないだろう。
 なぜなら今のつばさは、翔の副人格のつばさではなく、#翔自身の主人格が変性して生まれたつばさだからだ。
 言い換えれば、主人格も副人格もどちらも、ほぼ同じになってきているのだ。
 二つの人格が融合するのも時間の問題だろう。
 残るのは、砕け散った翔の人格の残滓だが、それもいつかは消し去って、心の隅々まで女にしてやるつもりだ。

 長期の洗脳調教により、つばさは自分が女の子であると固く信じている。
 しかし、今後リアルでの友達が増えていけば、いやでも自分の体の性別を知ることになる。
 その時、なぜ自分が女の子として育てられたのか、疑問に思うはずだ。
 その答えは、きちんと用意されている。

「これから本当いつわりの記憶をみっちり頭に叩き込んでやる。お前は自分が女になりたくてなりたくて、たまらなかったから、自分の意思で女の格好をすることになったんだ。男になりたくない。女として大人になりたい。その記憶を、これから自分の魂に深く刻み込むんだ。自分の本心として、もう二度と忘れないように」

 明人はつばさを抱き締めながら、悪そうな顔をして小さく呟く。

 つばさに正しいまちがった記憶を植え付ける下準備はすでに整っている。
 精巧に作り上げたアルバムを見たことで、つばさの中では記憶のとっかかりができているからだ。

 一歳、二歳、三歳と、本当いつわりのパパとママと暮らした記憶。
 女の子の格好をして育ってきた記憶。
 それらの写真を「実際あったこと」として、認識する作業は既に済んでいる。

 あとは、ありったけのリアリティーを加えていくだけだ。
 色のある懐かしい記憶として、頭に植え付けることだけだ。 

ーーーー
 つばさがVRにより、幽体離脱のような状態で見ている光景。
 それはまさしくアルバムに載っていた、まだ一歳未満の時の様子だ。

(あれ? これは昔のつばさなの? つばさの本当の記憶なの?)

 つばさは蕩けた目で、VRの映像を眺めている。
 映像中の幼い自分を、過去を振り返るように見つめている。
 思い出したいという必死な気持ちが、無意識のうちに記憶の改変を後押しする。

「つばさ。このお洋服どうして着てくれないの? このままだと風邪を引くわよ」

 母親に叱られても、つばさは不機嫌そうに動こうとしない。
 青いトレーナーに半ズボンを前に、悲しそうな顔を浮かべていた。

「だってね、つばさはね……もっと可愛いのがいいの」

 つばさが駄々をこねて欲しがっているのは、母親の洋服だ。
 ショーツにブラ、フレアスカート、大人のカーデガン。
 それらを羨ましそうに眺めるつばさに、母親がため息をつく。

「しょうがないわね。じゃあ、いい子にしてたら、つばさが着たがっている女の子の洋服を買ってあげるわ」

ーーーー

 舞台はつばさが一歳になった日へと移る。
 誕生日席のつばさは、不服そうに男の子の服を着ている。
 そこに、大きなプレゼントを持った父親が現れた。

「つばさ。パパとママで話し合って、つばさの希望を叶えてあげることにしたんだ。ほら、開けてごらん」
「ありがとう。パパ、ママ」

 そう言って、赤い箱のプレゼントを開ける。
 そこに入っていたのは、女の子のお洋服だった。
 この前、駄々をこねて欲しがっていた母親の衣装を、子供向けに作り直したものだ。
 一歳のつばさの目が輝く。

「えっ。これ、つばさが着ていいの」
「いいんだよ。だって、今日からつばさは女の子なんだから」
「そうよ。いままで無理やり男の子の格好をさせて、ごめんなさいね。これからはあなたの希望通り、女の子として扱ってあげるわ」

 その言葉を聞いて、つばさは母親に嬉しそうに抱き着いた。

「嬉しい、ママ。もう、つばさ、無理しなくていいのね。女の子でいいのね」
「そうよ。だって、つばさの心は生まれながら、女の子だったんでしょ」
「ありがとう。つばさはつばさのままで、いいのね」
「そうだよ。もう何も悩むことはないんだ」

(これが、昔のつばさ?)

 その疑問に答えるように、何度も何度も同じ時期の映像が流される。
 懐かしい。その情感を呼び起こすように、脳波をコントロールされながら、延々と同じことが繰り返される。

 それらの映像が突き付けてくるのは、たった一つの真実だ。

 男らしいことを強要されて悲しんでいるつばさと、女らしいことを認められて喜んでいるつばさ。
 それが、つばさの過去の姿であり、これまでずっと自分の意思で、自分の気持ちに従った結果、女の子として大きくなったという事実だ。

 それに懐かしいという感情が加わって、脳の神経回路が少しずつ書き換わっていく。

(そうよ。そうだったわ。つばさはずっと、男の子の格好をさせられるのが嫌だったの。だって、つばさは女の子だもの)

 自分の意思で女の子らしいことをしてきた、という記憶が強固になっていく。
 知らず知らずのうちに、将来GIDと診断されるための布石を、自ら作っていってしまっている。

 さらに、末舛夫妻との家族団らんを見せ続けられることで、自分はたしかにこの両親に育てられたのだという気持ちが強まっていく。
 写真で見た記憶の断片にせものが、パズルピースのように繋がっていく。
 VRで見たことが、本当に起こった出来事として、つばさの記憶に定着していく。

 そして、つばさがふわふわ病になるあるねつぞう事件へと、映像は移っていった。
しおりを挟む
感想 66

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

小学生をもう一度

廣瀬純一
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

リアルフェイスマスク

廣瀬純一
ファンタジー
リアルなフェイスマスクで女性に変身する男の話

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...