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第三章 美少女学園一年目 芽吹き根付く乙女心
【第41話】 再教育(41)つばさ
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■末舛つばさサイド(14)(過去)
「つばさちゃん? いまは、つばさちゃんなのかな?」
「おじさま。なぁに? どうしたの?」
お風呂場で翔は、小首をかしげて明人を見た。
明人は今の翔がつばさ状態になっていることを確信した。
いつもの翔とは違う、恋する少女ような可愛らしい表情だ。
明人は思わず翔を強く抱きしめた。
翔は、少し潤んだ目で明人を見つめる。
「おじさま……急に、どうしたの?」
戸惑いながら、嬉しそうに翔も明人を抱き返す。
翔の頭の中で何が起こったのかは、はっきりは分からない。
言えることは、「つばさの状態」にヘッドギアなしで代われるようになったということだ。
どれくらい翔がつばさでいられるかは分からないが、この機会にできるだけ翔の女性化を進めておく必要がある。
明人は風呂を出た後、翔の体を優しく拭き、ドライヤーで長い髪を時間をかけて乾かした。
翔は鏡に映る自分の顔を、どこか嬉しそうに見つめている。
いろいろな表情を作りながら、可愛らしく見えるものを探しているようにも見えた。
体が渇いたところで、明人は新しいキャミソールと可愛らしいパンツ、清楚なワンピースを取り出した。
袖口にフリルが付いた、春らしい衣装だ。
着せ替え人形から、明人は洗脳状態の翔の好みを細かく把握していた。
つばさであれば、間違いなく飛びつくはずだ。
「これは、プレゼントだよ」
翔の目が輝く。
まるで宝石を見た時の女の子の表情。
自分をよりきれいに、可愛らしく着飾れることに幸せを感じる少女の顔だ。
「嬉しい。着ていいの?」
翔はちょっと恥ずかしそうにしながら、楽しそうに服に体を通していく。
仮想幼稚園で同い年の女の子と一緒に遊んでいるせいだろうか、翔の時と違って、服を着る仕草も女の子らしい。
着終わると、翔は嬉しそうにくるりと一回転する。
ひらひらのスカートが、風を巻き込んで大きく広がる。
「どうだい。つばさ」
「ありがとう、おじさま。似合ってる? ぼく、可愛い?」
「あぁ。つばさはとっても可愛い女の子だ。おじさんが保証するよ」
「おじさま。ありがとう。ぼく、うれしいの。奇麗な服を着られて」
翔はまた明人に抱き着いた。
ーーーー
明人は洗脳室に翔を残し、別室から急いで末舛夫妻に電話を掛けた。
翔がつばさ状態でどれくらいいられるか、分からない。
前回は数分で翔に戻ってしまったのだ。
今のうちに、二人を両親と認識させる必要がある。
「末舛さん、急いで来てください」
明人のクリニックの隣に引っ越していた末舛夫妻の、フットワークは軽い。
五分くらいで到着し、いつも通りクリニックの裏口から入ってきた。
「つばさが目覚めたって本当ですか?」
「つばさちゃんは、今どこ?」
いつものように忙しない。
二人を連れて翔のいる部屋に行くと、翔がタンスの後ろに姿を隠していた。
ワンピースの部分が見えないようにして、首だけ出している。
「お、おじさん……この人たちは? 誰? 僕なんでこんな格好を……」
翔の言葉は、戸惑いと恥ずかしさが含まれている。
つばさ状態はすでに解除されてしまっているようだ。
明人はどうしようか迷ったが、一か八かの賭けに出た。
「つばさちゃん。パパとママが来てくれたよ」
「つばさちゃん? いまは、つばさちゃんなのかな?」
「おじさま。なぁに? どうしたの?」
お風呂場で翔は、小首をかしげて明人を見た。
明人は今の翔がつばさ状態になっていることを確信した。
いつもの翔とは違う、恋する少女ような可愛らしい表情だ。
明人は思わず翔を強く抱きしめた。
翔は、少し潤んだ目で明人を見つめる。
「おじさま……急に、どうしたの?」
戸惑いながら、嬉しそうに翔も明人を抱き返す。
翔の頭の中で何が起こったのかは、はっきりは分からない。
言えることは、「つばさの状態」にヘッドギアなしで代われるようになったということだ。
どれくらい翔がつばさでいられるかは分からないが、この機会にできるだけ翔の女性化を進めておく必要がある。
明人は風呂を出た後、翔の体を優しく拭き、ドライヤーで長い髪を時間をかけて乾かした。
翔は鏡に映る自分の顔を、どこか嬉しそうに見つめている。
いろいろな表情を作りながら、可愛らしく見えるものを探しているようにも見えた。
体が渇いたところで、明人は新しいキャミソールと可愛らしいパンツ、清楚なワンピースを取り出した。
袖口にフリルが付いた、春らしい衣装だ。
着せ替え人形から、明人は洗脳状態の翔の好みを細かく把握していた。
つばさであれば、間違いなく飛びつくはずだ。
「これは、プレゼントだよ」
翔の目が輝く。
まるで宝石を見た時の女の子の表情。
自分をよりきれいに、可愛らしく着飾れることに幸せを感じる少女の顔だ。
「嬉しい。着ていいの?」
翔はちょっと恥ずかしそうにしながら、楽しそうに服に体を通していく。
仮想幼稚園で同い年の女の子と一緒に遊んでいるせいだろうか、翔の時と違って、服を着る仕草も女の子らしい。
着終わると、翔は嬉しそうにくるりと一回転する。
ひらひらのスカートが、風を巻き込んで大きく広がる。
「どうだい。つばさ」
「ありがとう、おじさま。似合ってる? ぼく、可愛い?」
「あぁ。つばさはとっても可愛い女の子だ。おじさんが保証するよ」
「おじさま。ありがとう。ぼく、うれしいの。奇麗な服を着られて」
翔はまた明人に抱き着いた。
ーーーー
明人は洗脳室に翔を残し、別室から急いで末舛夫妻に電話を掛けた。
翔がつばさ状態でどれくらいいられるか、分からない。
前回は数分で翔に戻ってしまったのだ。
今のうちに、二人を両親と認識させる必要がある。
「末舛さん、急いで来てください」
明人のクリニックの隣に引っ越していた末舛夫妻の、フットワークは軽い。
五分くらいで到着し、いつも通りクリニックの裏口から入ってきた。
「つばさが目覚めたって本当ですか?」
「つばさちゃんは、今どこ?」
いつものように忙しない。
二人を連れて翔のいる部屋に行くと、翔がタンスの後ろに姿を隠していた。
ワンピースの部分が見えないようにして、首だけ出している。
「お、おじさん……この人たちは? 誰? 僕なんでこんな格好を……」
翔の言葉は、戸惑いと恥ずかしさが含まれている。
つばさ状態はすでに解除されてしまっているようだ。
明人はどうしようか迷ったが、一か八かの賭けに出た。
「つばさちゃん。パパとママが来てくれたよ」
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