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第二章 開かれる女の子への道(クリスティーナ編)
【第32話】 クリスティーナお嬢様の入学準備(13/15)
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この日から、イリスによる日本語の集中講義が始まった。
女らしく膝を揃えて、クリスティーナはちょこんと椅子に腰かけている。
学習机には、日本語の官能小説がたくさん置かれている。
イリスはムチを持って、クリスティーナの真横に立っている。
「ティーナお嬢様。今日は一ページから十ページまで音読です。私が合格と言うまで、休憩は許しません」
言葉遣いこそ丁寧だが、言い方は威圧的だ。
気圧されて、クリスティーナは静かに頷いた。
「あたしはおんな。あたしはメス。あたしはおんな。あたしは……」
クリスティーナはたどたどしい日本語で繰り返すが、厳しく突き返される。
「全然ダメです。『あたし』のアクセントが強すぎです。女という言葉に心がこもっていません」
「あたしはメス。あたしは女。あたしはメス。あたしは……」
「ダメです。『あたしは女』です。「た」が強すぎです」
ビシッ! 机がムチで叩かれる。その大きな音に、クリスティーナは体をびくつかせる。
「あたしは女。あたしはメス……」
アクセントの矯正は延々と繰り返される。最初の一行で合格をもらえるまでに、一時間もかかってしまった。
目標の十ページははるか遠い。
「あたしは女の子です。あたしは女の子です。あたしは女の子……」
一文一文は徐々に長くなっていく。普段から日本語でアニメを見ているせいだろうか、傍から見る限り、クリスティーナの日本語のアクセント矯正はかなりスムーズに進んでいるように見える。
だが、イリスはあくまでも高圧的だ。
「ダメです。気持ちがこもっていません。お嬢様は本当にやる気があるんですか?」
バシッ! さらに強烈なムチの音が鳴る。
「あたしは女の子です。あたしは女の子です。あたしは女の子……」
言葉の中に言わされている感が、それとなく漂っている。
アクセントは合っているはず。そう思っても、心がこもっていなければ「合格」をもらえない。
そのことに気づくまで、さらに一時間かかった。
「あたしは女の子です。あたしは女の子です……」
バシッ! バシッ!
「全然ダメです。アクセントだけでは合格をあげません」
クリスティーナはようやくイリスの意図を理解した。長い髪の毛、少し膨らんだ胸、そして自分の股間にある新しい性器のクリトリスを意識して、自分は男ではなく、非力な女であることに実感を込めながら、再びセリフを繰り返す。
「あたしは女の子です。あたしは女の子です……」
女であることを感じたうえでのセリフに、ようやく、
「合格です、お嬢様。言葉は生き物です。日本語では『言霊』という言葉があるように、魂と密接に関わっています。アクセントもそうですが、気持ちを込めて口にすることが、言語習得の近道です」
イリスは表情を緩めた。だが間を入れず、続きに入る。
まだ二行しか進んでいない。目標の十ページは遥か彼方だ。
「あたしは……男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
バシッ!
「ティーナお嬢様。ダメダメです。また、元に戻ってしまいましたよ。気持ちがこもっていません」
「あたしは男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
バシッ!
「あたしは男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
バシッ!
「あたしは男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
バシッ! バシッ!
ムチの音はどんどん大きくなっていく。クリスティーナもつられて声を大きくするが、
「気持ちがこもっていません!」
の一言で一蹴される。気持ちがこもっていない。
仕方なく、しばらく時間を妄想に割いてから、口を動かすことにする。
ジェニーに「そんなに犯してほしいの」と耳元でささやかれた時に胸に湧き上がった期待感を。
犯される時にこみ上げてきた感情を思い起こしながら、再び繰り返す。
「あたしは男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
「まぁ、とりあえず及第点です。まだまだ気持ちが足りないことは、肝に銘じてくださいね、お嬢様」
うへぇ。厳しさに背中が丸くなりそうになると、
バシッ!
「誰が、リラックスしていいと言いましたか? お嬢様はお嬢様らしく、座っているときは上品な姿勢を保たなければだめです。次に気を抜いたら、課題をニ十ページに増やしますよ!」
クリスティーナは首を垂れそうになる衝動を、気合で抑え込んだ。まだまだ道のりは果てしなく遠いのだ。
「あたしは男の子が好きなエッチな女の子です。あたしは男の子が好きなエッチな女の子です……」
バシッ! バシッ! バシッ!
「あたしは男の子が好きなエッチな女の子です。あたしは男の子が好きなエッチな女の子です……」
バシッ! バシッ! バシッ!
クリスティーナお嬢様のスパルタ教育は続く。その日は五時間続けて、進んだのはたったの半ページだった。
「あたしは逞しくてカッコいい年上の男の子が大好きな、エッチで妄想好きの女の子です。あたしは逞しくてカッコいい年上の男の子が大好きな、エッチで妄想好きの女の子です。あたしは逞しくてカッコいい年上の男の子が大好きな、エッチで妄想好きの女の子です……」
バシッ! バシッ! バシッ!
バシッ! バシッ! バシッ!
「ダメです、お嬢様。こんなんじゃ十ページはおろか一ページすら届かないじゃないですか。本当にやる気があるんですか?」
イリスのムチはうなりをあげる。結局その日最後の一文は、合格をもらうことができなかった。
「ダメダメのお嬢様。これ以上続けるのは寝不足になり、お肌によくありませんので、今日はここまでです。ちゃんと、体をきれいにして、スキンケアをして、ナイトブラをして、ネグリジェに着替えて寝てくださいね。それと……」
イリスは思わせぶりなセリフを加える。
「お嬢様は課題もろくにこなせなかったダメな娘なんですから、決して自分を夜な夜な慰めたらダメですよ。幾らお嬢様がエッチな女の子だかといって、節度は守って頂きます」
そう言って、イリスは病院の寝室から出ていった。
「自分を慰める? そんなことをするわけない!」
その時クリスティーナは確かに思った。遅効性の「雌淫乱液」が徐々に体内に拡散していることをつゆ知らず。
女らしく膝を揃えて、クリスティーナはちょこんと椅子に腰かけている。
学習机には、日本語の官能小説がたくさん置かれている。
イリスはムチを持って、クリスティーナの真横に立っている。
「ティーナお嬢様。今日は一ページから十ページまで音読です。私が合格と言うまで、休憩は許しません」
言葉遣いこそ丁寧だが、言い方は威圧的だ。
気圧されて、クリスティーナは静かに頷いた。
「あたしはおんな。あたしはメス。あたしはおんな。あたしは……」
クリスティーナはたどたどしい日本語で繰り返すが、厳しく突き返される。
「全然ダメです。『あたし』のアクセントが強すぎです。女という言葉に心がこもっていません」
「あたしはメス。あたしは女。あたしはメス。あたしは……」
「ダメです。『あたしは女』です。「た」が強すぎです」
ビシッ! 机がムチで叩かれる。その大きな音に、クリスティーナは体をびくつかせる。
「あたしは女。あたしはメス……」
アクセントの矯正は延々と繰り返される。最初の一行で合格をもらえるまでに、一時間もかかってしまった。
目標の十ページははるか遠い。
「あたしは女の子です。あたしは女の子です。あたしは女の子……」
一文一文は徐々に長くなっていく。普段から日本語でアニメを見ているせいだろうか、傍から見る限り、クリスティーナの日本語のアクセント矯正はかなりスムーズに進んでいるように見える。
だが、イリスはあくまでも高圧的だ。
「ダメです。気持ちがこもっていません。お嬢様は本当にやる気があるんですか?」
バシッ! さらに強烈なムチの音が鳴る。
「あたしは女の子です。あたしは女の子です。あたしは女の子……」
言葉の中に言わされている感が、それとなく漂っている。
アクセントは合っているはず。そう思っても、心がこもっていなければ「合格」をもらえない。
そのことに気づくまで、さらに一時間かかった。
「あたしは女の子です。あたしは女の子です……」
バシッ! バシッ!
「全然ダメです。アクセントだけでは合格をあげません」
クリスティーナはようやくイリスの意図を理解した。長い髪の毛、少し膨らんだ胸、そして自分の股間にある新しい性器のクリトリスを意識して、自分は男ではなく、非力な女であることに実感を込めながら、再びセリフを繰り返す。
「あたしは女の子です。あたしは女の子です……」
女であることを感じたうえでのセリフに、ようやく、
「合格です、お嬢様。言葉は生き物です。日本語では『言霊』という言葉があるように、魂と密接に関わっています。アクセントもそうですが、気持ちを込めて口にすることが、言語習得の近道です」
イリスは表情を緩めた。だが間を入れず、続きに入る。
まだ二行しか進んでいない。目標の十ページは遥か彼方だ。
「あたしは……男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
バシッ!
「ティーナお嬢様。ダメダメです。また、元に戻ってしまいましたよ。気持ちがこもっていません」
「あたしは男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
バシッ!
「あたしは男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
バシッ!
「あたしは男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
バシッ! バシッ!
ムチの音はどんどん大きくなっていく。クリスティーナもつられて声を大きくするが、
「気持ちがこもっていません!」
の一言で一蹴される。気持ちがこもっていない。
仕方なく、しばらく時間を妄想に割いてから、口を動かすことにする。
ジェニーに「そんなに犯してほしいの」と耳元でささやかれた時に胸に湧き上がった期待感を。
犯される時にこみ上げてきた感情を思い起こしながら、再び繰り返す。
「あたしは男の子が好きな女の子です。あたしは男の子が好きな女の子です……」
「まぁ、とりあえず及第点です。まだまだ気持ちが足りないことは、肝に銘じてくださいね、お嬢様」
うへぇ。厳しさに背中が丸くなりそうになると、
バシッ!
「誰が、リラックスしていいと言いましたか? お嬢様はお嬢様らしく、座っているときは上品な姿勢を保たなければだめです。次に気を抜いたら、課題をニ十ページに増やしますよ!」
クリスティーナは首を垂れそうになる衝動を、気合で抑え込んだ。まだまだ道のりは果てしなく遠いのだ。
「あたしは男の子が好きなエッチな女の子です。あたしは男の子が好きなエッチな女の子です……」
バシッ! バシッ! バシッ!
「あたしは男の子が好きなエッチな女の子です。あたしは男の子が好きなエッチな女の子です……」
バシッ! バシッ! バシッ!
クリスティーナお嬢様のスパルタ教育は続く。その日は五時間続けて、進んだのはたったの半ページだった。
「あたしは逞しくてカッコいい年上の男の子が大好きな、エッチで妄想好きの女の子です。あたしは逞しくてカッコいい年上の男の子が大好きな、エッチで妄想好きの女の子です。あたしは逞しくてカッコいい年上の男の子が大好きな、エッチで妄想好きの女の子です……」
バシッ! バシッ! バシッ!
バシッ! バシッ! バシッ!
「ダメです、お嬢様。こんなんじゃ十ページはおろか一ページすら届かないじゃないですか。本当にやる気があるんですか?」
イリスのムチはうなりをあげる。結局その日最後の一文は、合格をもらうことができなかった。
「ダメダメのお嬢様。これ以上続けるのは寝不足になり、お肌によくありませんので、今日はここまでです。ちゃんと、体をきれいにして、スキンケアをして、ナイトブラをして、ネグリジェに着替えて寝てくださいね。それと……」
イリスは思わせぶりなセリフを加える。
「お嬢様は課題もろくにこなせなかったダメな娘なんですから、決して自分を夜な夜な慰めたらダメですよ。幾らお嬢様がエッチな女の子だかといって、節度は守って頂きます」
そう言って、イリスは病院の寝室から出ていった。
「自分を慰める? そんなことをするわけない!」
その時クリスティーナは確かに思った。遅効性の「雌淫乱液」が徐々に体内に拡散していることをつゆ知らず。
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