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第二章 開かれる女の子への道(クリスティーナ編)

【第17話】 コクーン ー 消されていく男の証(6/8) ◆

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(はぁ……はぁん……はぁ)

 イって間もないからだろうか、クリスティーナは肩で息をしている。
 体内にこもった熱気も鎮まらない。無毛で真っ白な脚は太ももから指先まで痺れている。

『すっかりメスイキが板についたわね、クリスティーナ。本当に可愛らしいわ』

 意識は薄れていても、耳は働いている。
 心地よい洗脳の音楽は、依然として聞こえてくる。
 鏡の中のクリスクリスティーナの悪魔のメッセージは、哀れな美少女の意識に直接働きかける。

『これで最後ね。もう一度イったらあなたは男じゃなくなるのよ。二度と元に戻れなくなるの。女になるの。覚悟はいいかしら?』

 すっかり小さくなってしまったぺニスは、「女になる」という言葉に呼応して、健気にも上を向き始めた。
 まるでクリトリスに生まれ変わるその時がくるのを、期待するかのように。
 女にされることを心待ちにするように。

「ちがう。女の子になんて……女になんてなりたくない」

 誰に向かってか、クリスティーナは叫ぶ。
 まるで心の声を否定するかのように。

 だが、体は正直だ。
 彼女の体は、女として荒々しく犯されることを強く求めていた。
 男の体に組み敷かれて、女にされることを心待ちにしてしまっている。
 どこからどう見ても、メスの顔になってしまっている。

 クリスティーナは再度首を振る。だが、期待感を隠すことはできない。

 心は結局体の奴隷なのだ。

 
 クリスティーナは、胸、口、そして股の間を触手で攻められる。
 発情しきった女体は、受け身の快楽を無防備に受け入れる。
 むしろ感じやすい体位になるように、よじってしまう。
 股間が物欲しそうにひくひくと動く。

 触手が胸をなでる度に、じゅわっとした心地よさが湧き上がる。
 軽く閉じられた目には、イかされることへの期待が浮かんでいる。
 頭のてっぺんからつま先まで、女の悦びで貫かれることを待ち望んでしまう。

 男でなくなってしまう危機感は、意識の向こうに追いやられている。
 現実逃避と言ったほうが正しいかもしれない。

(あと少し……あと少しで……)

 クリスティーナは甘い吐息を吐く。
 心と体がメスとしてイかされることを渇望する。
 雲の上を泳ぐような快楽で体を溶かされたい。
 そんな願望でいっぱいになる。

(あとちょっと……もう少し……)

 クリスティーナのアナルがギュッと引き締まる。限界は近い。
 あと指一本触れられたら、達するところまできている。


『まだダメよ』


 クリスティーナに非情な言葉が投げつけられる。
 その言葉と同時に、全ての愛撫を止められる。
 性欲が最高潮まで高められたところで、お預けを食らう。
 切ない体のまま放置される。

(なんで……)
 
 クリスティーナは口をパクパクさせるが、一向に欲求が満たされる気配はない。
 イきたくてもイかせてもらえない。
 誘惑するように股間を突きだしても、欲しいものは与えられない。

 十分後。

 少し熱が静まったところで、愛撫が再開される。
 触られた瞬間に、少女は歓喜で体を震わせる。

「あぁん」

 気持ちよさそうにクリスティーナは喘ぐ。
 待ちわびたご褒美を与えられて、満たされた気分になる。
 発情しきった体は、胸への愛撫だけでもイってしまいそうだ。

「あっ……あっ……あん」

 クリスティーナの精神は、天国へいざなわれる。
 だが、またしても寸でのところで止められる。

「あっ……あっ……」

(イきたい。イきたいのにどうして)

 ぎりぎりのところでイかせてもらえない。
 物欲しさで狂いそうになる。
 極小ペニスは最後の一滴まで男の素を溜め込んで、暴発寸前になっている。


 そしてまた、十分後。

「イかせて。お願い、イかせて」

 クリスティーナは、嘆願する。

『ふふっ。そんなに女の子になりたいの? じゃあお願いしなさい。「あたしを女の子にしてください」って』

 クリスティーナは首を振る。それだけは言ってはいけない。

『じゃあお預けね』

 冷たい言葉が部屋に響く。
 性欲が減衰したところで、愛撫が再開される。ペニスも、胸も口も、同時に攻められる。
 ようやくイける。そう思ったところで、やはり愛撫は止められる。

 そして十分、また十分、さらに十分……。イキきそうになるたびに、止められる。
 性欲が最高潮まで引き上げられたところで、お預けとなる。
 同じことが延々と続けられる。快楽の拷問が繰り返される。

 何時間経っただろうか。クリスティーナにはそれが永遠の出来事のように感じられた。

 焦らされ続ける中で、クリスティーナの頭は、一つのことだけしか考えられなくなる。
 たった一つの欲望に支配されていく。

「イきたい。お願い、イきたいの。イかせてほしいの」

 すっかりしおらしい口調になったクリスティーナに、鏡の中のクリスクリスティーナが語り掛ける。

『いいわ。簡単よ。「あたしを女の子にしてください」って言うだけでいいの。そうすれば、欲しがっている快楽は全てあなたのものよ』

 禁断の誘惑が投げかけられる。
 限界まで疲弊したクリスティーナの精神に抗うすべはない。

「……ください」

『なんて言ったの?』

「……おねがい……あたし…なのこ…にしてください……」

『んっ。聞こえないわ。やっぱりやめたほうがいいのかしら』

「そんなのダメ。ダメなの」

 クリスティーナは焦って首を振る。これ以上お預けを食らったら、本当に狂ってしまう。

『しょうがないわね。これで決心がつくかしら』

 クリスティーナの小さくなったペニスは軽く弾かれる。
 クリトリス化してきているペニスは、つままれるだけで強烈な快楽をクリスティーナに与える。

「あぁん」

 クリスティーナの顔が歓喜に染まる。
 再びお預けを食らいそうな雰囲気を察して、断腸の思いで欲望を素直に口にする。
 偽りの本心の言葉でお願いする。

「あ、あたしを……女の子……にしてください」

 もう引き返すことはできない。クリスティーナの心臓はバクバク音を立て、喉がどんどん乾いていく。

『いいわ。二度と味わえない快楽と共に、あなたを堕としてあげる』  
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