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ソレを見た俺の思考回路はしばしの停止を余儀なくされた。
…いや、まさか、な……?
浮かんだある可能性を頭から追い出しながら、恐る恐るページをめくる。
えーと、何なに…。
最初は男にしてはやけに可愛らしい顔立ちの男子高校生が出てきた。
どうやらコイツが主人公らしい。
名前は『陽太(ようた)』。
陽太は明るく、フレンドリーな人柄でクラスでの友達も多い。
中でも特に仲が良いのが、主人公の幼なじみである『柊(しゅう)』。
柊は陽太とは家が隣同士で、小さい頃からお互いによく知っている間柄。
こちらは陽太とは逆に少し硬いイメージだが、女子に人気がありそうな顔立ちだ。
……ふむ、ここまでの出だしは順調だな。
表紙絵の人物がこの2人だった事は、今はひとまず置いておこう。
それから、場面は柊の家に移った。
幼なじみだけあって、勝手知ったるという感じだ。昔からよく来ていた事が分かる。
陽太が頬を赤らめながら、柊に話を切り出した。
陽太『柊、あの…さ、ちょっと相談があんだけど…』
柊『? 何だよ?改まって』
陽太『え…と、その…俺今日告られた、んだよね…』
柊『え…、……誰に』
陽太『あー…ほら7組の佐藤さん?なんだけど…』
佐藤さん。
やたらと陽太にくっついていた女子だ。
柊『……で、それが何だよ』
ん?何だ?柊の雰囲気がなんか変わったような?
陽太はそれにまるで気付いていないようだ。
陽太『その、俺さ…女子に告られたのって初めてでさ』
確かに陽太はどちらかと言えば『男』としてではなく『友達』として分類されやすいタイプだな。
陽太『だから、どうしたら良いか分かんなくてさ…
柊なら昔からよく女子から告られてたし、聞こうと思って…だな』
柊『……………………。』
柊の表情が暗い。
陽太は照れと恥ずかしさからか、沈黙が続く空間に耐えられなくなって早口に喋り始めた。
陽太『に、にしてもあれだよな!柊ってばモテんのにいっつも断ってるよな!』
柊『……………。』
陽太『この前も美人な先輩に告られてたじゃん!ほんっと勿体ねーよなぁ、何でOKしなかったんだよ?』
柊『……………。』
何も反応を返さない柊に、陽太は更に焦り出す。
陽太『お、お前誰か好きな奴とかいんのか?』
柊『………………いる。』
そこで漸く柊が口を開いた。
やっと反応が返ってきた事に安堵したのか、一瞬面食らった顔をした後陽太が食い付いた。
陽太『え!?だ、誰だよ!俺初耳なんだけど!?』
柊『……陽太。』
陽太『ん?な…に…』
柊が陽太の顔に自分の顔を近付けていく。
柊『……だから、お前だよ。』
そして、柊はそのまま陽太にキスを……
…いや、まさか、な……?
浮かんだある可能性を頭から追い出しながら、恐る恐るページをめくる。
えーと、何なに…。
最初は男にしてはやけに可愛らしい顔立ちの男子高校生が出てきた。
どうやらコイツが主人公らしい。
名前は『陽太(ようた)』。
陽太は明るく、フレンドリーな人柄でクラスでの友達も多い。
中でも特に仲が良いのが、主人公の幼なじみである『柊(しゅう)』。
柊は陽太とは家が隣同士で、小さい頃からお互いによく知っている間柄。
こちらは陽太とは逆に少し硬いイメージだが、女子に人気がありそうな顔立ちだ。
……ふむ、ここまでの出だしは順調だな。
表紙絵の人物がこの2人だった事は、今はひとまず置いておこう。
それから、場面は柊の家に移った。
幼なじみだけあって、勝手知ったるという感じだ。昔からよく来ていた事が分かる。
陽太が頬を赤らめながら、柊に話を切り出した。
陽太『柊、あの…さ、ちょっと相談があんだけど…』
柊『? 何だよ?改まって』
陽太『え…と、その…俺今日告られた、んだよね…』
柊『え…、……誰に』
陽太『あー…ほら7組の佐藤さん?なんだけど…』
佐藤さん。
やたらと陽太にくっついていた女子だ。
柊『……で、それが何だよ』
ん?何だ?柊の雰囲気がなんか変わったような?
陽太はそれにまるで気付いていないようだ。
陽太『その、俺さ…女子に告られたのって初めてでさ』
確かに陽太はどちらかと言えば『男』としてではなく『友達』として分類されやすいタイプだな。
陽太『だから、どうしたら良いか分かんなくてさ…
柊なら昔からよく女子から告られてたし、聞こうと思って…だな』
柊『……………………。』
柊の表情が暗い。
陽太は照れと恥ずかしさからか、沈黙が続く空間に耐えられなくなって早口に喋り始めた。
陽太『に、にしてもあれだよな!柊ってばモテんのにいっつも断ってるよな!』
柊『……………。』
陽太『この前も美人な先輩に告られてたじゃん!ほんっと勿体ねーよなぁ、何でOKしなかったんだよ?』
柊『……………。』
何も反応を返さない柊に、陽太は更に焦り出す。
陽太『お、お前誰か好きな奴とかいんのか?』
柊『………………いる。』
そこで漸く柊が口を開いた。
やっと反応が返ってきた事に安堵したのか、一瞬面食らった顔をした後陽太が食い付いた。
陽太『え!?だ、誰だよ!俺初耳なんだけど!?』
柊『……陽太。』
陽太『ん?な…に…』
柊が陽太の顔に自分の顔を近付けていく。
柊『……だから、お前だよ。』
そして、柊はそのまま陽太にキスを……
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