Estrella

碧月 晶

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は?


「いや、別に何も…」
「ちょっと来て」
「!? おいっ」


腕を掴まれ、物陰へと押し込まれた。
そのまま祭月は俺の首筋にズイと顔を近付けてきた。


「…!」


突然の展開に、軽く思考回路が困惑する。
そんな俺を別段気にする事もなく、祭月は不思議そうに言った。


「んー…、やっぱり那月君良い『匂い』がする…。何でだろ…、香水…じゃなさそうだし…」


スンスンと鼻をひくつかせ、俺の『匂い』を嗅いでいるらしい祭月。


は?匂い?何言ってんだコイツ?


俺より少しだけ低い身長の祭月の薄茶色の髪が首筋をかすめて、少しくすぐったい。


「何でだろ…」



やがて、首を傾げつつではあるものの、ゆっくりと祭月は俺の首筋から顔を離していった。
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