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しおりを挟む「ああ、こ…ええと、あの子なら30分ぐらい前に退院して行ったよ?」
「え」
まじかよ。
「あとコレ、はい。君がもし来たら渡してくれって」
「?」
「今日は外せない用事があるとかで、多分君が来る頃には間に合わないだろうからって」
手渡されたのは、二つ折りにされただけの白いメモ用紙。
戸惑いながらもそれを開いてみると
──────────
昨日はありがとう!またね!
──────────
ボールペンで、それだけが書いてあった。
…『またね』?
お互い名前も知らないはずなのに?
またどこかで会えたら良いねという社交辞令なのか、それとも別の意味なのか。
何か裏が有りそうなその言葉の真意が分からないまま、俺たちは病院を後にした。
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