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432.共に歩む sideアイセ
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例えどんな人間だろうと、きっと俺はどんな手を使っても力になるだろう。
そう気付いた時、ヴァンが俺に伝えようとしていたのはこういう事だったのかと理解した。
「アイセ、これを受け取ってくれないか?」
「これって…」
思わず手の中のものを凝視してしまう。
この国では特殊な金属で作られたタグのようなものが人々に配布される。つまり、それを持つ者はこの国の住民であると国が認めたという意味で。
そんな物がどうして、俺の手の中にあるのだろう。
「まだ仮発行だが、出来たと聞いて昨日イグに取りに行って貰っていたんだ」
イグニートさんと出かけた事を思い出す。じゃあ、あの時言ってた用事って…
「アイセ」
ヴァンの温かい手がそっとその上から重ねられる。
「や…だめ、だめです」
「何が駄目なんだ?」
「だって、こんなの、罪が…これじゃ罰にならない」
傍に居ても良いと居場所を貰えただけでも俺には過ぎるくらいのものなのに。なのに、
「…トールに言われた事を気にしているのか?」
「!」
「何故トールがそんな事を言ったのか、俺は知らない。だが、もしそれがお前の背負う罪なのだと言うのなら、俺はそれを償う道を共に歩もう」
そう気付いた時、ヴァンが俺に伝えようとしていたのはこういう事だったのかと理解した。
「アイセ、これを受け取ってくれないか?」
「これって…」
思わず手の中のものを凝視してしまう。
この国では特殊な金属で作られたタグのようなものが人々に配布される。つまり、それを持つ者はこの国の住民であると国が認めたという意味で。
そんな物がどうして、俺の手の中にあるのだろう。
「まだ仮発行だが、出来たと聞いて昨日イグに取りに行って貰っていたんだ」
イグニートさんと出かけた事を思い出す。じゃあ、あの時言ってた用事って…
「アイセ」
ヴァンの温かい手がそっとその上から重ねられる。
「や…だめ、だめです」
「何が駄目なんだ?」
「だって、こんなの、罪が…これじゃ罰にならない」
傍に居ても良いと居場所を貰えただけでも俺には過ぎるくらいのものなのに。なのに、
「…トールに言われた事を気にしているのか?」
「!」
「何故トールがそんな事を言ったのか、俺は知らない。だが、もしそれがお前の背負う罪なのだと言うのなら、俺はそれを償う道を共に歩もう」
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