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385.裏方休務─10
しおりを挟む「ヴァン様頑張ってますかねぇ」
「あの子のためにも頑張って貰わないと困ります」
まあ、ヴァンはやる時はやる奴だから
さほど心配はしてないのだけれど。
「向こうさんの出方もまだ分からないですしねぇ」
「それは……いや、今日はもうこの話は止めておきましょう」
中途半端に話を切り上げた俺に不思議そうな顔をしていたが、「折角の休日、なんでしょう?」と付け加えると
「まさかアンタの口からそんな言葉が聞ける日がくるなんて…」と何やら感慨深かったようで、目頭を押さえている。
馬鹿にされているような気がしないでもないが………まあいいか。
「これ、もう一杯貰えます?」
アズライトの動きを目で追いながら、今頃ヴァン達はどうしているだろうかと考える。
最初の頃よりは幾分か豊かになった表情。
その変化はヴァンと居ればより顕著になって、それを見ると安堵に近いような感情を抱いた。
…ヴァンの影響だろうか?
最初はあいつに協力していたはずだったのに、いつの間にかあの子の力になってやりたいと思うようになっていた。
「……俺も焼きが回ったかな」
「なーに年寄り臭い事言ってんですか」
「クス……いーえ、別に?」
知らずのうちに口に出していたらしい。
いつもと違う酒を飲んでいるからなのか、場所のせいなのか
どちらにせよ、珍しく気が緩んでいるのは確かなようだ。
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