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326.自覚
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考え込んでいると、反応が返ってこなくなった俺に不安を覚えたのか
アズライトが覗き込んできた。
「おーい…って、それ」
何が、と問い返すよりも先に自身の頬を指差し何かを伝えてくる。
頬がどうかしたのか?
何なのだと不思議に思い、窓ガラスに写る自分を見ると…
なっ…!?
そこには、何故か頬を染める自分がいた。
思わず駆け寄る。
「なんで…っ」
慌てれば慌てるほど、それはジワリ、ジワリと広がっていく。
「…ふーん?」
ガラスの前で一人あたふたとしているといつの間にか
後ろから囲うようにトン…とつかれる2本の腕。
背中に微かに感じる温度。
ニマニマと虚像越しに注がれる視線。
「何ですか…、っ」
だが面白い玩具を見つけたようなそれは、急に真剣なものへと姿を変えた。
ガラスに写る獲物を狙うような
鋭い琥珀色の瞳に射抜かれたまま、自分の耳元に唇が近付いていく。
「観念しろよ…『完璧』なお前を『只の』イグニートにできるのは俺だけだ」
「……っ」
低い、艶めかしい獣声に脳が犯されていく。
「─────…あ」
溶かされたように、思いが溢れそうになった…
…その時と、それはほぼ同時だった。
アズライトが覗き込んできた。
「おーい…って、それ」
何が、と問い返すよりも先に自身の頬を指差し何かを伝えてくる。
頬がどうかしたのか?
何なのだと不思議に思い、窓ガラスに写る自分を見ると…
なっ…!?
そこには、何故か頬を染める自分がいた。
思わず駆け寄る。
「なんで…っ」
慌てれば慌てるほど、それはジワリ、ジワリと広がっていく。
「…ふーん?」
ガラスの前で一人あたふたとしているといつの間にか
後ろから囲うようにトン…とつかれる2本の腕。
背中に微かに感じる温度。
ニマニマと虚像越しに注がれる視線。
「何ですか…、っ」
だが面白い玩具を見つけたようなそれは、急に真剣なものへと姿を変えた。
ガラスに写る獲物を狙うような
鋭い琥珀色の瞳に射抜かれたまま、自分の耳元に唇が近付いていく。
「観念しろよ…『完璧』なお前を『只の』イグニートにできるのは俺だけだ」
「……っ」
低い、艶めかしい獣声に脳が犯されていく。
「─────…あ」
溶かされたように、思いが溢れそうになった…
…その時と、それはほぼ同時だった。
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