炎のように

碧月 晶

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234.何となく sideアズライト

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城の敷地の隅の方に位置する兵舎
その中の諜報部隊用の棟
俺に設けられている部屋はそこの最上階だ。


まぁ、これでも部隊No.2なので。
っと言っても、仕事柄あんまり使った事は無い。
昨日は遅かったから、やむなく使ったけれど。



朝9:30


今日の仕事は休み。
よって、まだ寝ていたいのが本音だが
如何せん今日は約束がある。

欠伸を零しながら、モソモソと服を着替えていると


ジリリリリリリン…


部屋の電話が鳴り響いた。
鳴っているのは仕事関係で使うのとは違う電話
つまり私用などで使う方


もしかして、彼だろうか?
だとしたら珍しい。
こっちの電話で掛けてきた事なんて無かったのに


ジリリリリ…「はい。」


『わた…イグニートです。今、大丈夫ですか?』


期待していた声が鼓膜を震わせる。


今、絶対仕事の時の癖で『私』って言おうとしたよな…


使う電話が変わったからといって、わざわざ言い方を変えるところが
彼らしくて、可愛いなと思った。

「勿論ですよ。」

眠気なんて一気にどこかに行ってしまって、代わりにニヤけが止まらない。

それに
彼が俺に電話を掛けるために『仕事』ではなく『私用』の電話を選んでくれた事が
何となく嬉しかった。



多分、深い意味は無いのだろうけど。

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