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190.わざと
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「ですが…」
まだ言うか…
未だ納得しきれていないようで渋る彼の耳元に、低く吹き込むように囁(ささや)いた。
「寝ないと、『キス』、しますよ?」
「!?」
驚きに身体が跳ねて、それ以降完全に動きが止まった。
顔を少し離し、至近距離にあるそれを覗き込みながら
「寝ますよね?」
ニッコリと笑い掛けながら、再度問う。
キッと悔しそうに涙目で睨み上げてくるけれど、ただただ可愛いだけだ。
まぁ、悔しいだろうな。
ここで尚も渋れば俺が言った事を要求する事になるし。
…それはそれで俺は大歓迎なんだけど
なんて事を考えていると、とうとう観念したのか
彼の身体から込められていた力が無くなった。
「…分かりましたよ…寝れば良いんでしょう…寝れば…」
半ば拗ねたように寝返りをうって、シーツに包(くる)まる様は、まだ子供らしさを残していてやっぱり可愛いと思う。
その様子にニヤけながら、
「添い寝しま…「子供扱いしないで下さい。」」
言いかけた言葉は見事に遮られた。
「冗談ですよ。じゃあ、俺は暫くしたら帰るんで
ちゃんと寝て下さいよ?」
そう言って、寝室を出ようとした時
「アズライトさん…」
「? はい?」
呼ばれて振り返れば、こちらに背を向けたまま
「…お疲れ様でした。
あと………………………………おやすみなさい…」
聞こえた言葉に一瞬目を見開く。
けれど、直ぐに笑みが零れた。
小さく言われた言葉は本当は聞こえていたけれど、敢えてそれには答えない。
「はい、お疲れ様でした。」
この時
彼の耳がほのかに赤く染まっていた事は
部屋の暗さで気付かなかった事にしよう。
まだ言うか…
未だ納得しきれていないようで渋る彼の耳元に、低く吹き込むように囁(ささや)いた。
「寝ないと、『キス』、しますよ?」
「!?」
驚きに身体が跳ねて、それ以降完全に動きが止まった。
顔を少し離し、至近距離にあるそれを覗き込みながら
「寝ますよね?」
ニッコリと笑い掛けながら、再度問う。
キッと悔しそうに涙目で睨み上げてくるけれど、ただただ可愛いだけだ。
まぁ、悔しいだろうな。
ここで尚も渋れば俺が言った事を要求する事になるし。
…それはそれで俺は大歓迎なんだけど
なんて事を考えていると、とうとう観念したのか
彼の身体から込められていた力が無くなった。
「…分かりましたよ…寝れば良いんでしょう…寝れば…」
半ば拗ねたように寝返りをうって、シーツに包(くる)まる様は、まだ子供らしさを残していてやっぱり可愛いと思う。
その様子にニヤけながら、
「添い寝しま…「子供扱いしないで下さい。」」
言いかけた言葉は見事に遮られた。
「冗談ですよ。じゃあ、俺は暫くしたら帰るんで
ちゃんと寝て下さいよ?」
そう言って、寝室を出ようとした時
「アズライトさん…」
「? はい?」
呼ばれて振り返れば、こちらに背を向けたまま
「…お疲れ様でした。
あと………………………………おやすみなさい…」
聞こえた言葉に一瞬目を見開く。
けれど、直ぐに笑みが零れた。
小さく言われた言葉は本当は聞こえていたけれど、敢えてそれには答えない。
「はい、お疲れ様でした。」
この時
彼の耳がほのかに赤く染まっていた事は
部屋の暗さで気付かなかった事にしよう。
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