炎のように

182.非公事

タハハと頭をかいて、緊張感なんてまるで無さそうなこの男は、こう見えても俺が指揮する諜報部隊の副リーダーだ。

つまりNo.2。

念のためもう一度言っておこう。

これでも、だ。


宝石商人もしているが、それは別に仕事のためにそう装っている訳ではなく、本当に家業だ。

それが結果的に役立っているだけの話。

因みにヴァンはこの事を知らない。



「ちゃんと調べて来ましたよー」


ガサゴソと荷物をあさって、取り出した資料を手渡される。


「先に結果を言えば、該当する人物は見つからなかったです。ですが…」


やっぱりかと、思ったところでアズライトが含みを持たせてそこで途切る。

続きを促すように見れば、


「イグニート様が言った通り
公にはされていない、秘密裏に処理された情報が見つかりましたよ。」