炎のように

178.いつもなら

それからは依頼を片っ端から片づけ続けた。

正規のものから裏のものまで

何も考えたくなくて何でも受けた。


尋常じゃないペースで依頼を受け続ける俺に仲介屋は何か言いたそうだったけれど、気付かないふりをした。









あの日からずっと胸が痛い。

頭痛もして薬も効かない。

ヴァンの事を思い出せば思い出すほど、ズキズキと痛んで
それがまた俺を苛立たせた。


寝不足で更に拍車をかけた痛みを押し殺して、悲鳴をあげる身体を無視して没頭し続けた。


だけど、どんなに強がってもとうとうガタがきた。


後先(あとさき)考えずに力を使いまくって、ろくに眠らずにい続ければ、当然こうなる事は目に見えていた。


だから、いつもなら気付けたはずなんだ。


あんな奴に会わずに済んだんだ。