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177.何でもいい
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走って、走って、勢いもそのままに扉を乱暴に開け放ち
ある所に駆け込んだ。
バン!!!!!
「うっわ!
…びっくりした…どしたのさアルちゃん、こんな時間に」
「ハァ……ハァ…ごと……」
「え?ごめん、聞こえなかった。」
別に今回は何も悪くない仲介屋にでさえイライラする。
「残りの依頼、まとめて出して下さい…」
何かしていないと考えてしまいそうで
囚われてしまいそうで
何でもいいから
離れられる口実が欲しかった。
「……何か、あったんでしょ
アルちゃん」
「何でもありませんよ…いいから早くして下さい」
「……………ねぇ」
「!?」
徐(おもむろ)に近付いてきたと思ったら、突然頬を触られた。
途端にゾワリと嫌悪感が込み上げてきて
「触るな!!」
叫んで、その手を払い除けた。
ドクドクと嫌な音を立てる心臓とガタガタと滑稽な程震え出す身体に乱れる呼吸。
「ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…」
「…ほら、やっぱり変だよアルちゃん。
いつもならこんなの触れられる前に気付いてたじゃん…」
「…煩いんですよ」
うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!!!!!!!!
剣先をスッと彼に向ける。
いいから早く出せと睨み付ければ、溜め息を吐いて
渋々契約書の束を出してくれた。
俺はそれを奪うようにして受け取り、その場を後にした。
ある所に駆け込んだ。
バン!!!!!
「うっわ!
…びっくりした…どしたのさアルちゃん、こんな時間に」
「ハァ……ハァ…ごと……」
「え?ごめん、聞こえなかった。」
別に今回は何も悪くない仲介屋にでさえイライラする。
「残りの依頼、まとめて出して下さい…」
何かしていないと考えてしまいそうで
囚われてしまいそうで
何でもいいから
離れられる口実が欲しかった。
「……何か、あったんでしょ
アルちゃん」
「何でもありませんよ…いいから早くして下さい」
「……………ねぇ」
「!?」
徐(おもむろ)に近付いてきたと思ったら、突然頬を触られた。
途端にゾワリと嫌悪感が込み上げてきて
「触るな!!」
叫んで、その手を払い除けた。
ドクドクと嫌な音を立てる心臓とガタガタと滑稽な程震え出す身体に乱れる呼吸。
「ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…」
「…ほら、やっぱり変だよアルちゃん。
いつもならこんなの触れられる前に気付いてたじゃん…」
「…煩いんですよ」
うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!!!!!!!!
剣先をスッと彼に向ける。
いいから早く出せと睨み付ければ、溜め息を吐いて
渋々契約書の束を出してくれた。
俺はそれを奪うようにして受け取り、その場を後にした。
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