炎のように

78.勘違い sideアイセ

誰だろう、この人たちは。ヴァンに用事があるのだろうか。

もしそうなら今ヴァンはどこかに行っていていないと伝えようとしたら、その前にチャラそうな男が話しかけてきた。

「君、今一人？なら遊ぼうよ」

どうやらヴァンに用がある訳ではないようだ。

それにしてもこれは、所謂『ナンパ』という奴だろうか？実際目の当たりにするのは初めてだが、こういう感じの事を言うのだろう。

 しかし、可哀想な奴らだな。男と女の区別も付かないなんて。
これは早く教えてやろう、彼らの汚点になる前に。男に間違えて話し掛けてしまうなんて恥でしかない。ついでに眼も医者に診てもらうよう言った方が良いだろうか。

「一人ではありませんし、俺は男ですよ」

よし、親切に教えてやったんだ。分かったらさっさと散ってくれ。間違いは誰にでもあるものだ。あとは、検診に行く事をお勧めして完了だ。

「知ってるよそんな事。だから声掛けたんじゃん」

 

………………あれ？