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42.抜け出す sideヴィント
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イグの報告を受けて、益々彼の事が気になり出してしまった。
こんな感情は初めてだった。他人の事が気になってしょうがないなんて…
いつもは、気になったとしてもそれ以上の事が分からないとなれば、そこで完全に興味の対象から外れる。なのに…
何故彼の事はもっと知りたいと思うのだろう?
「…、…ン、ヴァン!」
「え?あ、何だ?」
「さっきからずっと呼んでいたんだが?」
「悪い。少しボーっとしていた」
考え事に没頭しすぎてイグの呼びかけに気付いていなかったようだ。
「それは今に始まった事じゃないが、どうするんだ?」
「何気に酷くないか? …まだこの街にいると思うか?」
「可能性は無くはないが、昨日の一件で警戒はされただろうな」
「やっぱりそう思うか…」
「まあ、あれだけ公衆の面前で恥かかせればな」
「あー…」
「だが、一度この国に入ったんだ。あと一ヶ月は出られないさ。その間に探せばいいだろ」
「…そうだな」
この国の出入国法は、他国の者が一度入国した場合、一ヶ月はこの国に留まらないと出国できない決まりになっている。やむをえない事情で一ヶ月を待たずに出国しなければならない場合は、直接城に出向き、許可証を貰う必要がある。
「で?今日は街にいくんだろ?気を付けてな」
「ああ。流石だなイグ」
「当たり前だ。何年一緒にいると思ってる」
自慢じゃないが、俺は昔から城を抜け出す事が大の得意だったりする。よく抜け出して街に遊びに行く俺を、最初こそ叱られはしたものの、今じゃ常習化し「またか」程度にしか認識されていない。
街の人達の反応もそんな感じだ。
こんな感情は初めてだった。他人の事が気になってしょうがないなんて…
いつもは、気になったとしてもそれ以上の事が分からないとなれば、そこで完全に興味の対象から外れる。なのに…
何故彼の事はもっと知りたいと思うのだろう?
「…、…ン、ヴァン!」
「え?あ、何だ?」
「さっきからずっと呼んでいたんだが?」
「悪い。少しボーっとしていた」
考え事に没頭しすぎてイグの呼びかけに気付いていなかったようだ。
「それは今に始まった事じゃないが、どうするんだ?」
「何気に酷くないか? …まだこの街にいると思うか?」
「可能性は無くはないが、昨日の一件で警戒はされただろうな」
「やっぱりそう思うか…」
「まあ、あれだけ公衆の面前で恥かかせればな」
「あー…」
「だが、一度この国に入ったんだ。あと一ヶ月は出られないさ。その間に探せばいいだろ」
「…そうだな」
この国の出入国法は、他国の者が一度入国した場合、一ヶ月はこの国に留まらないと出国できない決まりになっている。やむをえない事情で一ヶ月を待たずに出国しなければならない場合は、直接城に出向き、許可証を貰う必要がある。
「で?今日は街にいくんだろ?気を付けてな」
「ああ。流石だなイグ」
「当たり前だ。何年一緒にいると思ってる」
自慢じゃないが、俺は昔から城を抜け出す事が大の得意だったりする。よく抜け出して街に遊びに行く俺を、最初こそ叱られはしたものの、今じゃ常習化し「またか」程度にしか認識されていない。
街の人達の反応もそんな感じだ。
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