炎のように

碧月 晶

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41.意外 sideイグニート

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珍しくヴァンが他人に興味を持った。『あの』ヴァンが。ここはかなり重要な点だが、それは追々話すことにしよう。

ヴァンは基本面倒臭がりだ。やれば出来るのに、なかなか本気を出さない阿保だ。
まあ、やる気が無くても大抵のことは簡単に出来てしまうが。…何かそれ、腹立つな。
あと、いじ…からかうと楽しいな。見ているこっちは面白くて助かっている。

まあ、それは置いておくとして、兎に角滅多にない事だった。

依頼時に『アル』という何でも屋の素性は勿論調べた。が、調べれば調べるほど、彼に関して「分からない」という事実と彼の仕事への評価や実力が群を抜いて高いことが分かった。

今回、彼らに求めるのは、確実にこちら側の要求に答えられる且つ実力のある者だった。
不安は残るものの、彼は条件を満たしていた。

それから何度か別のルートも使って調べてみたが、欲しい情報は得られなかった。

 

 

翌朝、昨日頼まれた資料を持ち、ヴァンの部屋の扉をノックした。が、返事が無い。


…まだ寝てるのか

 
呆れながらもなるべく音をたてないように静かに扉を開けて、部屋に入る。

寝室に行くとシーツにうずくまっている金髪がいた。
ベットの近くに来た時、寝ていた奴は身じろぎ軽く体を起こした。

どうやら今起きたようだ。寝過ぎたとぼやく奴の目が覚めるように、少し手助けしてやった。
効果のほどは上々だ。

軽くからかった後、例の資料を渡した。

その後呟いたヴァンの言葉に、今度はこっちがまた驚かされた。

 

『気になる』とヴァンに言わせた彼は、一体何者なんだ?

 
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