シスルの花束を

碧月 晶

文字の大きさ
上 下
33 / 62

33 *

しおりを挟む

「ふ、ははっ」
「な、何で笑うんですか」
「いや…」

そうか。好きでも嫌いでもなく、分からないときたか。それは、

「上々だと思ってな」
「…?」

だって、そうだろ?分からないって事は、オレの事をどう定義づけるのか迷っているという事。つまり、まだ付け入る隙はある。

「つう訳で、手始めにお前を抱く」
「!? だから何でそうな…あっ」

下の服を下着ごと一気に脱がし、雨月うげつのモノを掴む。
先ほどのキスで僅かに反応していたのか、数回扱いただけでそれは完全に勃ち上がった。

いつもならここから更に扱き上げ、一度イかせるのだが…

「え、何して…っ」

勃ち上がったそれを口に含む。

「や、やめ、ああっ」

じゅぷじゅぷと舐めしゃぶり、口に入りきらない部分は手で扱く。

「あ、あ、ん、~~~!」

雨月のそれはいつもより幾分か早く絶頂を迎えた。口内に放出された苦い液体をそのまま嚥下する。

「は、濃いな。抜いてなかったのかよ」
「な、いま、飲んで、」

はくはくと信じられないものを見たかのように口を動かす雨月に、ニヤリと口角を上げる。

「またしてやるよ」
「し、しなくていいっ」
「んだよ、気持ちよくなかったのか?」
「そ、れは」

もごもごと口ごもる様子に、まんざらでもなかった事が伝わってくる。それもそうだろう。達してしまった手前、ヘタな事を言えば藪蛇になりかねない。

その葛藤している様を見ながら、オレはベッド傍のチェストに手を伸ばし、引き出しからある物を取り出す。
そして、自分の手のひらに中身を出す。

「な、何ですかそれ…」
「ローションに決まってんだろ」

しれっと答えると、雨月は首を傾げた。恐らく何に使うか分かってないのだろう。

…まあ、今まで使った事なかったしな。というか使う間がなかった。

これは雨月と喧嘩別れする前に興味本位で買ったものだ。だから、さっきまで存在を忘れていたのだが…

これまで、オレはどちらかというと乱暴に雨月を抱いてきたと思う。

だが、それではダメなのだ。雨月に惚れられたいと思った今、より丁寧に抱かなければ落ちるものも落ちないだろう。

という訳で、今日はこれをふんだんに有効活用させて貰おう。

「ん、あ、あ」

滴るほどにローションを纏わせた指を雨月の後孔に挿れる。ぐちぐちと音を立てて、ナカを掻き混ぜるように指を動かしていく。

…すげえ

いつもよりスムーズに指が動かせる。滑りが良いからか、指の本数を増やしても抵抗がない。

そんな謎の感動をしている時、雨月が耐えられないというように声を上げた。

「い、つまで、触って、」

見れば、雨月は二度目の絶頂を迎えていた。普段より念入りにほぐす事に夢中になっていて気が付かなかった。

既に息も絶え絶えな様子だが、オレとしてはまだまだほぐし足りない。

「もうちょっと頑張れ」
「もうちょっとって…んああっ」

奥のしこりを指先で刺激すると雨月は体を飛び上がらせた。

「や、待っ、も、むり…っ」
「まだだ」
「そ、な、ああっ」

その後、オレは数十分に渡って雨月の後孔をほぐし続けた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

家族になろうか

わこ
BL
金持ち若社長に可愛がられる少年の話。 かつて自サイトに載せていたお話です。 表紙画像はぱくたそ様(www.pakutaso.com)よりお借りしています。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処理中です...