シスルの花束を

碧月 晶

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「ふ、ははっ」
「な、何で笑うんですか」
「いや…」

そうか。好きでも嫌いでもなく、分からないときたか。それは、

「上々だと思ってな」
「…?」

だって、そうだろ?分からないって事は、オレの事をどう定義づけるのか迷っているという事。つまり、まだ付け入る隙はある。

「つう訳で、手始めにお前を抱く」
「!? だから何でそうな…あっ」

下の服を下着ごと一気に脱がし、雨月うげつのモノを掴む。
先ほどのキスで僅かに反応していたのか、数回扱いただけでそれは完全に勃ち上がった。

いつもならここから更に扱き上げ、一度イかせるのだが…

「え、何して…っ」

勃ち上がったそれを口に含む。

「や、やめ、ああっ」

じゅぷじゅぷと舐めしゃぶり、口に入りきらない部分は手で扱く。

「あ、あ、ん、~~~!」

雨月のそれはいつもより幾分か早く絶頂を迎えた。口内に放出された苦い液体をそのまま嚥下する。

「は、濃いな。抜いてなかったのかよ」
「な、いま、飲んで、」

はくはくと信じられないものを見たかのように口を動かす雨月に、ニヤリと口角を上げる。

「またしてやるよ」
「し、しなくていいっ」
「んだよ、気持ちよくなかったのか?」
「そ、れは」

もごもごと口ごもる様子に、まんざらでもなかった事が伝わってくる。それもそうだろう。達してしまった手前、ヘタな事を言えば藪蛇になりかねない。

その葛藤している様を見ながら、オレはベッド傍のチェストに手を伸ばし、引き出しからある物を取り出す。
そして、自分の手のひらに中身を出す。

「な、何ですかそれ…」
「ローションに決まってんだろ」

しれっと答えると、雨月は首を傾げた。恐らく何に使うか分かってないのだろう。

…まあ、今まで使った事なかったしな。というか使う間がなかった。

これは雨月と喧嘩別れする前に興味本位で買ったものだ。だから、さっきまで存在を忘れていたのだが…

これまで、オレはどちらかというと乱暴に雨月を抱いてきたと思う。

だが、それではダメなのだ。雨月に惚れられたいと思った今、より丁寧に抱かなければ落ちるものも落ちないだろう。

という訳で、今日はこれをふんだんに有効活用させて貰おう。

「ん、あ、あ」

滴るほどにローションを纏わせた指を雨月の後孔に挿れる。ぐちぐちと音を立てて、ナカを掻き混ぜるように指を動かしていく。

…すげえ

いつもよりスムーズに指が動かせる。滑りが良いからか、指の本数を増やしても抵抗がない。

そんな謎の感動をしている時、雨月が耐えられないというように声を上げた。

「い、つまで、触って、」

見れば、雨月は二度目の絶頂を迎えていた。普段より念入りにほぐす事に夢中になっていて気が付かなかった。

既に息も絶え絶えな様子だが、オレとしてはまだまだほぐし足りない。

「もうちょっと頑張れ」
「もうちょっとって…んああっ」

奥のしこりを指先で刺激すると雨月は体を飛び上がらせた。

「や、待っ、も、むり…っ」
「まだだ」
「そ、な、ああっ」

その後、オレは数十分に渡って雨月の後孔をほぐし続けた。

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