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雨月は結構長い間、リアムという男と話していた。
「Bye」
そう言って、雨月は漸く通話を切った。
「誰だよ、さっきの外国人」
「それは…」
間髪入れずにそう聞くと、雨月は一瞬迷うような素振りを見せたが、じっと目を見ていると観念したようにゆっくりと答えた。
「…彼は、リアムと言います」
「それは知ってる」
さっき聞いたからな。
「えっと、一緒に仕事をした事があって…その縁で今もという感じですね」
「ふーん…じゃあ、何で今までそいつからの電話にでてやらなかったんだよ」
最初に聞いた言葉、早口で上手く聞き取れなかったがあの剣幕と雨月が零した言葉から察するに、最近雨月に電話をかけてきていたのはそのリアムという男だったのだろう。
だとすれば、何故知らない番号などと嘘を吐いたのか。それと叔父の存在も気になった。
「それは…その、」
「何だよ」
どう答えようか困っている。この時ばかりは無表情ながらもそれが分かった。
だが、雨月は困ったように目を泳がすばかりでなかなか答えようとしない。
「…チッ、んだよ、オレには言えねえ事なのかよ」
未だに何も明かしていない自分の事は棚に上げてどの口がだと思うが、この時のオレは突如現れたリアムという男の存在に何故か苛ついていた。
「…すみません」
苛つきを隠しもしないオレに、雨月はそう小さく謝るだけだった。
その態度にとうとうオレの中の何かが切れた音がした。
「あーそうかよ」
「?」
「そんなに言いたくねえなら別に構わねえよ。その代わりオレも好きにさせて貰う」
「何を言って──」
雨月の顔を見下ろし、その唇を奪った。
*****
「んっ、~~~~!」
絶頂を迎え、声にならない声を上げて雨月は四肢を強張らせた。
「もうイッたのかよ」
押し倒したベッドの上で息を荒げ、縛られた両手首で顔を隠そうとする。その仕草に苛つきを覚えたオレは細い腕を掴み、無理やり顔を覗き込んだ。
「…へぇ、んな顔も出来んだなアンタ」
頬を真っ赤に上気させて快楽に身悶えているのに、真っ黒な瞳は相変わらず何を考えているのか分からない無感情で。
その差が酷く扇情的に見えた。
「も、やめ、あっ」
イッたばかりのそこに再び刺激を与える。扱く度にぬるぬると増していく透明な液体で手の動きは早くなっていく。
敏感になっているそこを触られ、また雨月の体がびくびくと揺れ始める。
「…そういや、アンタ仕事は何してんだ」
「なん、で、今、それ…っ」
「答えたら止めてやるよ」
そう言うと、逡巡したような間を置いて雨月は途切れ途切れに答えた。
「しゃ、しん…っ」
「写真?アンタ写真家なのか」
「んっ」
与えられる刺激に耐え、こくこくと雨月が首を縦に何度も振る。
「へえ。何撮るわけ?」
「こたえ、たら、止めるって…」
「まだ質問は終わってねえよ」
「あっ!」
鈴口を強く刺激すると、雨月から一層甲高い声が上がった。
「ほら、答えろよ」
「…風景、です…っ」
「ふーん…」
風景ねぇ
約束通り、そこから手を離すと雨月はあからさまにほっとしたような顔をした。
だが次の瞬間、目を見開いた。
「なんで、答えたら止めるって…」
「ああ?前をいじるのは止めてやっただろうが」
両脚を開かせ、後孔へと手を伸ばす。
「やめて、くださ…っ」
先程雨月が吐き出した白濁液を指に纏わせ、後孔の縁をなぞる。ゆっくりと白濁液を馴染ませたそこにツプリと指を挿れると雨月はびくりと体を震わせた。
「Bye」
そう言って、雨月は漸く通話を切った。
「誰だよ、さっきの外国人」
「それは…」
間髪入れずにそう聞くと、雨月は一瞬迷うような素振りを見せたが、じっと目を見ていると観念したようにゆっくりと答えた。
「…彼は、リアムと言います」
「それは知ってる」
さっき聞いたからな。
「えっと、一緒に仕事をした事があって…その縁で今もという感じですね」
「ふーん…じゃあ、何で今までそいつからの電話にでてやらなかったんだよ」
最初に聞いた言葉、早口で上手く聞き取れなかったがあの剣幕と雨月が零した言葉から察するに、最近雨月に電話をかけてきていたのはそのリアムという男だったのだろう。
だとすれば、何故知らない番号などと嘘を吐いたのか。それと叔父の存在も気になった。
「それは…その、」
「何だよ」
どう答えようか困っている。この時ばかりは無表情ながらもそれが分かった。
だが、雨月は困ったように目を泳がすばかりでなかなか答えようとしない。
「…チッ、んだよ、オレには言えねえ事なのかよ」
未だに何も明かしていない自分の事は棚に上げてどの口がだと思うが、この時のオレは突如現れたリアムという男の存在に何故か苛ついていた。
「…すみません」
苛つきを隠しもしないオレに、雨月はそう小さく謝るだけだった。
その態度にとうとうオレの中の何かが切れた音がした。
「あーそうかよ」
「?」
「そんなに言いたくねえなら別に構わねえよ。その代わりオレも好きにさせて貰う」
「何を言って──」
雨月の顔を見下ろし、その唇を奪った。
*****
「んっ、~~~~!」
絶頂を迎え、声にならない声を上げて雨月は四肢を強張らせた。
「もうイッたのかよ」
押し倒したベッドの上で息を荒げ、縛られた両手首で顔を隠そうとする。その仕草に苛つきを覚えたオレは細い腕を掴み、無理やり顔を覗き込んだ。
「…へぇ、んな顔も出来んだなアンタ」
頬を真っ赤に上気させて快楽に身悶えているのに、真っ黒な瞳は相変わらず何を考えているのか分からない無感情で。
その差が酷く扇情的に見えた。
「も、やめ、あっ」
イッたばかりのそこに再び刺激を与える。扱く度にぬるぬると増していく透明な液体で手の動きは早くなっていく。
敏感になっているそこを触られ、また雨月の体がびくびくと揺れ始める。
「…そういや、アンタ仕事は何してんだ」
「なん、で、今、それ…っ」
「答えたら止めてやるよ」
そう言うと、逡巡したような間を置いて雨月は途切れ途切れに答えた。
「しゃ、しん…っ」
「写真?アンタ写真家なのか」
「んっ」
与えられる刺激に耐え、こくこくと雨月が首を縦に何度も振る。
「へえ。何撮るわけ?」
「こたえ、たら、止めるって…」
「まだ質問は終わってねえよ」
「あっ!」
鈴口を強く刺激すると、雨月から一層甲高い声が上がった。
「ほら、答えろよ」
「…風景、です…っ」
「ふーん…」
風景ねぇ
約束通り、そこから手を離すと雨月はあからさまにほっとしたような顔をした。
だが次の瞬間、目を見開いた。
「なんで、答えたら止めるって…」
「ああ?前をいじるのは止めてやっただろうが」
両脚を開かせ、後孔へと手を伸ばす。
「やめて、くださ…っ」
先程雨月が吐き出した白濁液を指に纏わせ、後孔の縁をなぞる。ゆっくりと白濁液を馴染ませたそこにツプリと指を挿れると雨月はびくりと体を震わせた。
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