16 / 16
16 誓いのキス (最終話)
しおりを挟む
◆◆◆ ウィステリアサイド ◆◆◆
他国の貴賓を招いていたのに狩猟大会はあのような大騒ぎとなった。
婦人のテントまで魔獣がやってきたのは魔獣を呼び寄せる魔核を近くに埋めていたらしいと判明した。
捜査の結果、伯爵家とそれに共謀する貴族の仕業で皇帝はその責任を取らせることにしたし、それに加えて伯爵家は公爵と公爵夫人を害そうとした罪も加算で、皇帝命令で家屋敷、領地を没収というか、私の保有財産としてくれた。
イレザは娼婦の館に送られ、母親は戒律の厳しい修道院に送られ、伯爵は片腕を凍傷で失った後にギロチンにかけられ、伯爵と共謀した貴族も処刑された。
他国の賓客のいる場所であのような騒ぎを起こすから、助からないわ。
私が連座で処分されてないのは、既に公爵家に嫁いでいたからだ。
* * *
事が済んでから、私は伯爵邸に戻った。
一時帰宅だ。
お供は護衛騎士二人とメイド一人。
私は私のというか、ウィステリアの髪を一房切って、それをリボンで束ねて、乳母の形見の真珠のネックレスと同じ壺に入れ、伯爵家の裏庭にあるウィステリアの花の下に埋めた。
墓石の代わりの花の下に。
ここはウィステリアと乳母の思い出がある場所のようだったから。
この作業が終わってから、私はエドから預かっていた移動スクロールで公爵領に飛んだ。
すると公爵城の敷地の中にあるやや小さめのパルテノン神殿のような場所に出るわけなんだけど、
あの、ゲームで言うならワープスポット的な場所。
「あら? お嬢様、見てください! アーチに花が!」
庭にウィステリアの花が咲いている!
ついに公爵領にも春が来たのね!
「わぁ、綺麗……」
「奥様、お気に召しましたか?」
エドが迎えに出て、私に声をかけてきてくれた。
「ええ、これを用意するのは大変だったでしょうに」
「あなたの、花嫁の歓迎の花です。春の遅い土地ゆえ、遅れましたが」
花嫁って……妻のベッドにも来ない男が、なにを言っているのか。
「その顔は、ベッドにも来ない男が何を言っているのかと考えていますね」
「うっ!」
エドは苦笑し、人払いをして、私を藤の花の下にエスコートして行った。
「あはあ、そうだ、あなたの本も出来てきましたよ」
上着の内側から手品のように一冊の本が出て来た!
「わあ! ほのかの本! ありがとうございます! これで彼女の物語を忘れずに済みます!」
何故かエドは、ここで寂しそうに笑った。
「……先程、何故心のうちがバレたんだと思ったでしょう?」
「え? ああ、まあ、私ったらよほどわかりやすい顔でしたか?」
「そろそろフェアではないので、私の真実をお話します。私が化け物と呼ばれる真の理由です」
「え?」
その時、ざあっと風が吹いた。
「私には己が望む望まないにかかわらず、近くにいる者の心の声が聞こえてしまうのです」
「!!」
━━確かに、腑に落ちた。
エドの側には大人はほとんど近寄ろうとしない、本当に必要最低限しか。
サトリサトラレの、サトリ能力を、持っていたのね!!
あ、だから汚職貴族やスパイのあぶり出しも容易にできるんだ!!
それは皇帝にも重宝されるわけね!
「どうです、不愉快で恐ろしいでしょう? 貴方を怯えさせると思い、今まで言えずにすみませんでした」
「恐ろしいというか……それは大変でしたね」
「え!?」
予想外の反応に戸惑っているな。
「人間の多くは醜く愚かで、さぞ辛かったでしょう」
「あなたも、怖いでしょう?」
「怖いというよりは、やや恥ずかしいですね。
あのメイドおっぱい大きいなーとか、思ったら即バレるんでしょう」
「そ、そうです」
私、きっと急にいろんな事がありすぎて、感覚が麻痺してきたんだと思う。
「でもそれであなたが安心できるなら、それでもいい気がします」
「ええっ!?」
「エド、私はあなたの敵ではありません」
◆◆◆ エドラールサイド ◆◆◆
『私はずっとエドの味方です。家族ですから』
彼女の心はそう告げている。
真っ直ぐに告げてくる。
そして元から彼女はかなり明けすけな性格だ。
思ったことをすぐ口にする。
「逃げたくはないのですか?」
こんな化け物から……。
「どうして? こんなに素晴らしい贈り物をくださったのに?」
「!!」
彼女は親友の本を大事そうに抱えて、ウィステリアのアーチの下で本当に嬉しそうに微笑んだ。
花の妖精の如くに。
そしてその心より、偽りの言葉も聞こえない。
「あっ! 猫ちゃん!」
気がつくと白い猫がウィステリアの足元にいた。
『かわいい!! 撫でていいかな?』
「あの時の……夢に出た白猫に似ている」
【そうだとも】
「え!? 猫が喋った!?」
!!
【ああ、そなたにはいつぞやは我が眷属が世話になったな】
「え?」
【前世の猫と交通事故】
「ああっ!!」
【あれは幻のようなものだったのに、そなたは車の側で神の眷属たる猫霊を偶然見つけ、助けようとしたせいで運悪く事故で死んだ】
「はっ! 神!? 私は無駄死にしたってこと!?」
【そのようなものだな】
「あーーっ! 私はアホか!」
【だが猫に優しい女だったゆえ、新たな生を与えることにした】
「え!? それでなんであんな地獄のような家に!?」
【ウィステリアは実は無能ではなかった】
「え?」
【魔力無しと罵られていたが、あの娘には特別な豊穣の加護があった、植物に愛され、幸運を呼ぶ存在だった】
「それでなんで伯爵家はあんな事に!?」
「古の文献で読んだ事がある。ウィステリア嬢は、幸運の……女神の祝福を持つ者だったのか?」
【そう、それを粗末にするから伯爵家は没落。いや、破滅したのだ】
「なんですって!?」
【祝福の加護は受け取り側に問題があると発動しないのだ。ちなみにウィステリアがバルコニーから飛び降りた時に木の枝が助けようと伸びた、だが、心、魂までは救えなかった】
「……なんとかならないの?」
「流石にとうに飛び去った魂はもうどうしようもないだろう」
「あ、ちょっと待って、狩猟大会で見た藤の花はもしや」
【魔獣からウィステリアを守ろうとした】
「なるほどな」
【前のウィステリアには申し訳ないことになってしまったが、その代わり来世は家柄よりも善良な両親の元に産まれる事を保証し、今ここにいるウィステリアは公爵領に豊かさをもたらせるだろう】
「マ!?」
【マジだ】
そう言って、猫は姿を消した。
幻のように眼の前から掻き消えたのだ。
そして、その翌年の春に、本当に祝福はあった、アメジストとダイヤモンドの鉱山が我が領地から出たのだ。
これで領民の暮らしももっと楽になる。
彼女の望むとおりに海ではカニやホタテも獲るようにして、地元でも大好評で観光名物にもなり、電卓も完成して、書類仕事も楽になったし、その魔道具の売り上げもかなりのものだ。
「よかったですね! ところで私のクローゼットに売却したはずのウェディングドレスがいつのまにか戻っていたのですが」
「君は自分の持ち物が少ないと、だからそれもある意味記念品のようなものだろうし」
私がゴニョゴニョと言い訳をすると彼女はニンマリと笑い、とある提案をしてきた。
「せっかくドレスがあるし、もう一回結婚式からやり直しをしませんか?」
『初夜もね! そろそろいいでしょ!?』
!!
「まいったな……君にはかなわないな」
「私の世界の幸せな物語だと、セオリーなんですよ!」
頬を染めつつも、君の世界の物語を語ってくれる。
「ああ。私の幸運の女神の言う通りにしよう」
ウィステリアの花がまた咲く頃に、結婚式からやりなおそう。
「はい、ここで、キッスですよ?」
『恥ずかしいから早く!』
「お望みのままに……」
君という存在を知ってから、世界は眩ゆいばかりの光に満ちて、失う事が極端に怖くなった。
けれど、偽りのない心を注いでくれる君を、この命尽きるまで、力の限り全力で守っていきたい。
かくも美しく、ウィステリアの花の如くある君に、
私の、
全てを捧げる。
~完~
他国の貴賓を招いていたのに狩猟大会はあのような大騒ぎとなった。
婦人のテントまで魔獣がやってきたのは魔獣を呼び寄せる魔核を近くに埋めていたらしいと判明した。
捜査の結果、伯爵家とそれに共謀する貴族の仕業で皇帝はその責任を取らせることにしたし、それに加えて伯爵家は公爵と公爵夫人を害そうとした罪も加算で、皇帝命令で家屋敷、領地を没収というか、私の保有財産としてくれた。
イレザは娼婦の館に送られ、母親は戒律の厳しい修道院に送られ、伯爵は片腕を凍傷で失った後にギロチンにかけられ、伯爵と共謀した貴族も処刑された。
他国の賓客のいる場所であのような騒ぎを起こすから、助からないわ。
私が連座で処分されてないのは、既に公爵家に嫁いでいたからだ。
* * *
事が済んでから、私は伯爵邸に戻った。
一時帰宅だ。
お供は護衛騎士二人とメイド一人。
私は私のというか、ウィステリアの髪を一房切って、それをリボンで束ねて、乳母の形見の真珠のネックレスと同じ壺に入れ、伯爵家の裏庭にあるウィステリアの花の下に埋めた。
墓石の代わりの花の下に。
ここはウィステリアと乳母の思い出がある場所のようだったから。
この作業が終わってから、私はエドから預かっていた移動スクロールで公爵領に飛んだ。
すると公爵城の敷地の中にあるやや小さめのパルテノン神殿のような場所に出るわけなんだけど、
あの、ゲームで言うならワープスポット的な場所。
「あら? お嬢様、見てください! アーチに花が!」
庭にウィステリアの花が咲いている!
ついに公爵領にも春が来たのね!
「わぁ、綺麗……」
「奥様、お気に召しましたか?」
エドが迎えに出て、私に声をかけてきてくれた。
「ええ、これを用意するのは大変だったでしょうに」
「あなたの、花嫁の歓迎の花です。春の遅い土地ゆえ、遅れましたが」
花嫁って……妻のベッドにも来ない男が、なにを言っているのか。
「その顔は、ベッドにも来ない男が何を言っているのかと考えていますね」
「うっ!」
エドは苦笑し、人払いをして、私を藤の花の下にエスコートして行った。
「あはあ、そうだ、あなたの本も出来てきましたよ」
上着の内側から手品のように一冊の本が出て来た!
「わあ! ほのかの本! ありがとうございます! これで彼女の物語を忘れずに済みます!」
何故かエドは、ここで寂しそうに笑った。
「……先程、何故心のうちがバレたんだと思ったでしょう?」
「え? ああ、まあ、私ったらよほどわかりやすい顔でしたか?」
「そろそろフェアではないので、私の真実をお話します。私が化け物と呼ばれる真の理由です」
「え?」
その時、ざあっと風が吹いた。
「私には己が望む望まないにかかわらず、近くにいる者の心の声が聞こえてしまうのです」
「!!」
━━確かに、腑に落ちた。
エドの側には大人はほとんど近寄ろうとしない、本当に必要最低限しか。
サトリサトラレの、サトリ能力を、持っていたのね!!
あ、だから汚職貴族やスパイのあぶり出しも容易にできるんだ!!
それは皇帝にも重宝されるわけね!
「どうです、不愉快で恐ろしいでしょう? 貴方を怯えさせると思い、今まで言えずにすみませんでした」
「恐ろしいというか……それは大変でしたね」
「え!?」
予想外の反応に戸惑っているな。
「人間の多くは醜く愚かで、さぞ辛かったでしょう」
「あなたも、怖いでしょう?」
「怖いというよりは、やや恥ずかしいですね。
あのメイドおっぱい大きいなーとか、思ったら即バレるんでしょう」
「そ、そうです」
私、きっと急にいろんな事がありすぎて、感覚が麻痺してきたんだと思う。
「でもそれであなたが安心できるなら、それでもいい気がします」
「ええっ!?」
「エド、私はあなたの敵ではありません」
◆◆◆ エドラールサイド ◆◆◆
『私はずっとエドの味方です。家族ですから』
彼女の心はそう告げている。
真っ直ぐに告げてくる。
そして元から彼女はかなり明けすけな性格だ。
思ったことをすぐ口にする。
「逃げたくはないのですか?」
こんな化け物から……。
「どうして? こんなに素晴らしい贈り物をくださったのに?」
「!!」
彼女は親友の本を大事そうに抱えて、ウィステリアのアーチの下で本当に嬉しそうに微笑んだ。
花の妖精の如くに。
そしてその心より、偽りの言葉も聞こえない。
「あっ! 猫ちゃん!」
気がつくと白い猫がウィステリアの足元にいた。
『かわいい!! 撫でていいかな?』
「あの時の……夢に出た白猫に似ている」
【そうだとも】
「え!? 猫が喋った!?」
!!
【ああ、そなたにはいつぞやは我が眷属が世話になったな】
「え?」
【前世の猫と交通事故】
「ああっ!!」
【あれは幻のようなものだったのに、そなたは車の側で神の眷属たる猫霊を偶然見つけ、助けようとしたせいで運悪く事故で死んだ】
「はっ! 神!? 私は無駄死にしたってこと!?」
【そのようなものだな】
「あーーっ! 私はアホか!」
【だが猫に優しい女だったゆえ、新たな生を与えることにした】
「え!? それでなんであんな地獄のような家に!?」
【ウィステリアは実は無能ではなかった】
「え?」
【魔力無しと罵られていたが、あの娘には特別な豊穣の加護があった、植物に愛され、幸運を呼ぶ存在だった】
「それでなんで伯爵家はあんな事に!?」
「古の文献で読んだ事がある。ウィステリア嬢は、幸運の……女神の祝福を持つ者だったのか?」
【そう、それを粗末にするから伯爵家は没落。いや、破滅したのだ】
「なんですって!?」
【祝福の加護は受け取り側に問題があると発動しないのだ。ちなみにウィステリアがバルコニーから飛び降りた時に木の枝が助けようと伸びた、だが、心、魂までは救えなかった】
「……なんとかならないの?」
「流石にとうに飛び去った魂はもうどうしようもないだろう」
「あ、ちょっと待って、狩猟大会で見た藤の花はもしや」
【魔獣からウィステリアを守ろうとした】
「なるほどな」
【前のウィステリアには申し訳ないことになってしまったが、その代わり来世は家柄よりも善良な両親の元に産まれる事を保証し、今ここにいるウィステリアは公爵領に豊かさをもたらせるだろう】
「マ!?」
【マジだ】
そう言って、猫は姿を消した。
幻のように眼の前から掻き消えたのだ。
そして、その翌年の春に、本当に祝福はあった、アメジストとダイヤモンドの鉱山が我が領地から出たのだ。
これで領民の暮らしももっと楽になる。
彼女の望むとおりに海ではカニやホタテも獲るようにして、地元でも大好評で観光名物にもなり、電卓も完成して、書類仕事も楽になったし、その魔道具の売り上げもかなりのものだ。
「よかったですね! ところで私のクローゼットに売却したはずのウェディングドレスがいつのまにか戻っていたのですが」
「君は自分の持ち物が少ないと、だからそれもある意味記念品のようなものだろうし」
私がゴニョゴニョと言い訳をすると彼女はニンマリと笑い、とある提案をしてきた。
「せっかくドレスがあるし、もう一回結婚式からやり直しをしませんか?」
『初夜もね! そろそろいいでしょ!?』
!!
「まいったな……君にはかなわないな」
「私の世界の幸せな物語だと、セオリーなんですよ!」
頬を染めつつも、君の世界の物語を語ってくれる。
「ああ。私の幸運の女神の言う通りにしよう」
ウィステリアの花がまた咲く頃に、結婚式からやりなおそう。
「はい、ここで、キッスですよ?」
『恥ずかしいから早く!』
「お望みのままに……」
君という存在を知ってから、世界は眩ゆいばかりの光に満ちて、失う事が極端に怖くなった。
けれど、偽りのない心を注いでくれる君を、この命尽きるまで、力の限り全力で守っていきたい。
かくも美しく、ウィステリアの花の如くある君に、
私の、
全てを捧げる。
~完~
339
お気に入りに追加
303
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(4件)
あなたにおすすめの小説
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
王子からの縁談の話が来たのですが、双子の妹が私に成りすまして王子に会いに行きました。しかしその結果……
水上
恋愛
侯爵令嬢である私、エマ・ローリンズは、縁談の話を聞いて喜んでいた。
相手はなんと、この国の第三王子であるウィリアム・ガーヴィー様である。
思わぬ縁談だったけれど、本当に嬉しかった。
しかし、その喜びは、すぐに消え失せた。
それは、私の双子の妹であるヘレン・ローリンズのせいだ。
彼女と、彼女を溺愛している両親は、ヘレンこそが、ウィリアム王子にふさわしいと言い出し、とんでもない手段に出るのだった。
それは、妹のヘレンが私に成りすまして、王子に近づくというものだった。
私たちはそっくりの双子だから、確かに見た目で判断するのは難しい。
でも、そんなバカなこと、成功するはずがないがないと思っていた。
しかし、ヘレンは王宮に招かれ、幸せな生活を送り始めた。
一方、私は王子を騙そうとした罪で捕らえられてしまう。
すべて、ヘレンと両親の思惑通りに事が進んでいた。
しかし、そんなヘレンの幸せは、いつまでも続くことはなかった。
彼女は幸せの始まりだと思っていたようだけれど、それは地獄の始まりなのだった……。
※この作品は、旧作を加筆、修正して再掲載したものです。
デブスの伯爵令嬢と冷酷将軍が両思いになるまで~痩せたら死ぬと刷り込まれてました~
バナナマヨネーズ
恋愛
伯爵令嬢のアンリエットは、死なないために必死だった。
幼い頃、姉のジェシカに言われたのだ。
「アンリエット、よく聞いて。あなたは、普通の人よりも体の中のマナが少ないの。このままでは、すぐマナが枯渇して……。死んでしまうわ」
その言葉を信じたアンリエットは、日々死なないために努力を重ねた。
そんなある日のことだった。アンリエットは、とあるパーティーで国の英雄である将軍の気を引く行動を取ったのだ。
これは、デブスの伯爵令嬢と冷酷将軍が両思いになるまでの物語。
全14話
※小説家になろう様にも掲載しています。
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
乳だけ立派なバカ女に婚約者の王太子を奪われました。別にそんなバカ男はいらないから復讐するつもりは無かったけど……
三葉 空
恋愛
「ごめん、シアラ。婚約破棄ってことで良いかな?」
ヘラヘラと情けない顔で言われる私は、公爵令嬢のシアラ・マークレイと申します。そして、私に婚約破棄を言い渡すのはこの国の王太子、ホリミック・ストラティス様です。
何でも話を聞く所によると、伯爵令嬢のマミ・ミューズレイに首ったけになってしまったそうな。お気持ちは分かります。あの女の乳のデカさは有名ですから。
えっ? もう既に男女の事を終えて、子供も出来てしまったと? 本当は後で国王と王妃が直々に詫びに来てくれるのだけど、手っ取り早く自分の口から伝えてしまいたかったですって? 本当に、自分勝手、ワガママなお方ですね。
正直、そちらから頼んで来ておいて、そんな一方的に婚約破棄を言い渡されたこと自体は腹が立ちますが、あなたという男に一切の未練はありません。なぜなら、あまりにもバカだから。
どうぞ、バカ同士でせいぜい幸せになって下さい。私は特に復讐するつもりはありませんから……と思っていたら、元王太子で、そのバカ王太子よりも有能なお兄様がご帰還されて、私を気に入って下さって……何だか、復讐できちゃいそうなんですけど?
私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。
玖保ひかる
恋愛
[完結]
北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。
ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。
アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。
森に捨てられてしまったのだ。
南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。
苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。
※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。
※完結しました。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
楽しい妄想、その後の話もありがとうございます!
キャラと物語が愛されてる感が嬉しいです!
凄く大好きなお話しでした
終わってしまうのが寂しいです
これから領地改革とかあるのかなー的に 期待してたのですが 終わってしまって残念です( ´_ゝ`)
番外編とかあるなら是非 お願いします
わあ! 大好きと言ってもらえて嬉しいです!
ありがとうございます!
番外編、いいネタ思いついたら書いてみますね。
なんか楽しく読ませてもらってます
ありがとうございます!