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57 「この美しき丘で」
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カーティス様の体は祭壇の間に急遽用意されたベッドに横たえられた。
毎日祈りを捧げているけど、まだ目を覚ましてくださらない。
「ティア様、カーティス様が倒れてから六日、ここまで来て目を覚さないのです。
点滴もないこの世界で、水も飲めないのに」
ティア様に泣き言を言うしか出来ない。
愚かな私、愚かなユリナ。
「それでもリナは甲斐甲斐しく、水で濡らした布で唇を潤す事はしているのでしょう」
「それはそうですが、毎日祈っているのに、目を覚さないのです! このままでは死んでしまいます! もう人間の血でも捧げればいいのでしょうか!? 私の血で良ければ!」
「落ち着いて、リナ、我々は邪神の信者では無いのよ。この六日、何も策を講じてない訳ではないの」
「策を? それは、一体……」
「セレスティアナ様! ラインハート卿がお戻りになりました!」
リーゼ卿が祭壇の間へ駆け込んできた。
「どうやら間に合ったようね。最終手段よ」
リーゼ卿に続いて、傷だらけの男性騎士がエイデン卿に肩を借りて祭壇の間に入って来た。
「ラインハート卿!? どうしたんですか!? 傷だらけで!」
「霊山の霊薬、取ってまいりました」
霊山の霊薬!?
あの強い竜騎士がこんなにぼろぼろになるなんて、そんなに危険な所へそれを取りに!?
「これを……」
腰に取り付けてある道具袋から、ラインハート卿が小瓶を取り出し、ティア様がそれを受け取り、私に向き直って言った。
「リナルドに聞いた、この霊薬に望みをかけてみましょう。意識の無い相手に飲ませるには、口移し、分かるわね? リナ」
「え!? 私が、く、口移しで!?」
「医療行為と割り切って、私がやった方がいいかしら? 人妻だけど」
え!?
「いいえ!! 私が、私がやります!」
いつの間にか現れたギル様とリナルド氏が、こっちをじっと見ている!
「では、私達は、一旦祭壇の間を出ましょう。私はラインハート卿の怪我の治療をしていますから」
「はい」
──私は、ティア様から霊薬を手渡され、両手でしっかりと握った。
落とさないように。
「神様……どうかカーティス様をお助けください。目を、覚ましますように!」
小瓶の蓋を開け、私は薬を口に含んで、カーティス様に飲ませた。
──不思議と、甘い霊薬だった。
薬なら苦い方が効くのではないだろうか?
そんな風に思った。
その時……
「あま……い?」
掠れた声が聞こえた。今誰よりも聞きたかった声だった。
「カーティス様!」
目を、覚ました! ああ、神様!
「リナ……さん」
「もう! 心配したんですよ!」
「私……は、どれだけ……寝ていましたか?」
切長の青く美しい瞳が私を見ていた。
「六日ですよ! ねぼすけにも程があります!」
私は心配のあまり逆ギレをしてしまった。
「……年が明ける前には間に合って良かったです、約束は守れそうで」
「そうですね、あ! 皆様に目を覚されたって、報告を……」
「その、前にお願いがあるんですが」
「何ですか?」
「もう一度、キスをしても」
「い! 今のは医療行為ですけど!」
「では、あらためてキスをさせていただいても?」
「……い、いいですけど……」
私は小声で言ったけど、カーティス様にはしっかりと聞こえたようだった。
カーティス様の手が、そっと私の髪に触れ、それからもう一度、唇が重なった。
昔の童話ならば、王子様のキスで目を覚ますのは、お姫様の方なのに、困った騎士様だと思った。
* * *
それから、皆にカーティス様が目覚めたと報告した。
「良かったわ、本当に」
「全く、心配させやがって、カーティス卿!」
バンバンとカーティス様の背中を叩く、チャールズ卿。
死にかけていたのでお手柔らかに……。
「ラインハート卿、私の為に、尽力いただき、ありがとうございます」
カーティス様はそう言って微笑んだ。
目の前にはすっかり治療を終えたラインハート卿がいた。
「でも何故ラインハート卿が、あんなぼろぼろになってまで」
カーティス様の為に? そう思って私は問うた。
「はは、同僚の危機だったからですよ」
それだけで。
「だからいい人なんですよ、ラインハート卿は!
霊薬を取りに行くのにも、彼は自分で志願するほど」
エイデン卿が力強く言った。
ただの底なしのいい人!?
驚きながらも、私はしばらく寝たきりだったカーティスには、出汁の味が聞いた胃に優しげな雑炊など作って食べさせたりして過ごした。
* *
冷たい風が吹き荒ぶ、冬を迎え、もうじき年も明ける。
約束の大晦日に当たる日に、すっかり回復したカーティス様と私はご来光を見に、ワイバーンで高い山に来た。
約束通りに。
風は冷たいはずだけど、風の結界で守られていたから、寒くなかった。
年が、明ける。
新しい一年が始まる。私達二人は神々しい光に包まれた。
「この日の出を、貴女と見られて良かった」
「はい」
「冬の聖者の星祭りの日と、どちらで言おうか悩んで、今日にしました」
「?」
「リナさん、貴女を愛しています。私と結婚してください」
カーティス様は懐から指輪を出して、そう言った。
エメラルドの美しい指輪だった。
ティア様の瞳の色……私の推しの色。
「リナさんは、セレスティアナ様を慕っておられるので、かの方の瞳の色に似たエメラルドにしました」
カーティス様はそう言葉を続けた。私はそれを、半ば夢見心地で聞いていた。
「わ、私はティア様の許しがないと、結婚は……出来ません」
ティア様の下僕なので……。
「私の方で、許しを得ておきました」
「……っ!」
「返事を、いただけますか」
「では、私の左手の薬指に、その指輪を嵌めて下さいませ」
私は手袋を外してそう言った。
「はい、喜んで」
カーティス様は、片膝をつき、私の左手の薬指にエメラルドの指輪を嵌め、その手にキスをした。
物語に出て来る、王女に忠誠と愛を捧げる騎士のように。
「私も、貴方が好きです、カーティス様」
新年を迎えた朝日の中で、私は自分の正直な心を伝えた。
* *
私とカーティス様は花咲き誇る春に結婚した。
美しい白いドレスを着て、蝋燭に火を灯し、この世界の結婚式を挙げた。
でも、それに混じって、地球で言われていた、幸福を呼ぶ結婚式のジンクスをティア様が実行しようと提案してくれた。
新しい物。古い物。借りた物。青い物の4つを用意したの。
新しい物はカーティス様が贈ってくれた指輪。
古い物はカーティス様のご実家のティアラ。
借りた物はティア様の結婚式で使われたベール。
青い物はギル様の協力で王城の貴重な青い薔薇をブーケにしてくださった。
花嫁の父代理がなんとティア様のお父様の辺境伯! ジーク様!
ヴァージンロードを一緒に歩いてくださったの! 感激!
ティアやギル様にも多くの方に祝福され、私達は幸せだった。
地球の家族宛に結婚報告の手紙も書いて、祭壇にお供えした。
手紙が祭壇から消えてしばらくして、知った味のチーズケーキが届いたので、手紙はちゃんと届いたのだと思う。
それからまた春を迎え、ティア様が懐妊し、やがて出産の時を迎え、私は慈悲の手を使い、無痛分娩のお手伝いをした。
産まれたのはなんと、双子の美しい赤ちゃんだった。
プラチナブロンドの男の子と銀髪の女の子の双子!
女の子の肌色はギル様に似た。
将来的にかなりのセクシー系になるかもしれない。
「初産で双子とか、無痛じゃなければ死ぬとこだったわ、リナ、本当にありがとう」
「慈悲の手がお役に立てて本当に嬉しいです! こんなに可愛くて美しい赤ちゃんも初めて見ました」
ギル様とティア様のお子が産まれて、ライリーは、いえ、グランジェルド全土で盛大なお祭りになった。
辺境伯夫妻も、国王夫妻も、とてもお喜びになられた。
──数年後。
相変わらず私は、ティア様達と一緒に、ライリーとエテルニテの両方を行き来している。
あるうららかな春の日に、今度は私が産んだ、自分の子供と夫のカーティスと一緒に、お城の屋上に来た。
私とカーティス様との第一子は可愛い女の子。
日々すくすくと育っている。
ライリーの丘の上のお城には、今日も優しく、いい風が吹いていた。
眼下には、草原が見える。
緑色の美しい草海原が揺れている。
私はこれからもこの世界で生きて行く。
愛する人達と、推しのいる、この美しい丘の上で──。
毎日祈りを捧げているけど、まだ目を覚ましてくださらない。
「ティア様、カーティス様が倒れてから六日、ここまで来て目を覚さないのです。
点滴もないこの世界で、水も飲めないのに」
ティア様に泣き言を言うしか出来ない。
愚かな私、愚かなユリナ。
「それでもリナは甲斐甲斐しく、水で濡らした布で唇を潤す事はしているのでしょう」
「それはそうですが、毎日祈っているのに、目を覚さないのです! このままでは死んでしまいます! もう人間の血でも捧げればいいのでしょうか!? 私の血で良ければ!」
「落ち着いて、リナ、我々は邪神の信者では無いのよ。この六日、何も策を講じてない訳ではないの」
「策を? それは、一体……」
「セレスティアナ様! ラインハート卿がお戻りになりました!」
リーゼ卿が祭壇の間へ駆け込んできた。
「どうやら間に合ったようね。最終手段よ」
リーゼ卿に続いて、傷だらけの男性騎士がエイデン卿に肩を借りて祭壇の間に入って来た。
「ラインハート卿!? どうしたんですか!? 傷だらけで!」
「霊山の霊薬、取ってまいりました」
霊山の霊薬!?
あの強い竜騎士がこんなにぼろぼろになるなんて、そんなに危険な所へそれを取りに!?
「これを……」
腰に取り付けてある道具袋から、ラインハート卿が小瓶を取り出し、ティア様がそれを受け取り、私に向き直って言った。
「リナルドに聞いた、この霊薬に望みをかけてみましょう。意識の無い相手に飲ませるには、口移し、分かるわね? リナ」
「え!? 私が、く、口移しで!?」
「医療行為と割り切って、私がやった方がいいかしら? 人妻だけど」
え!?
「いいえ!! 私が、私がやります!」
いつの間にか現れたギル様とリナルド氏が、こっちをじっと見ている!
「では、私達は、一旦祭壇の間を出ましょう。私はラインハート卿の怪我の治療をしていますから」
「はい」
──私は、ティア様から霊薬を手渡され、両手でしっかりと握った。
落とさないように。
「神様……どうかカーティス様をお助けください。目を、覚ましますように!」
小瓶の蓋を開け、私は薬を口に含んで、カーティス様に飲ませた。
──不思議と、甘い霊薬だった。
薬なら苦い方が効くのではないだろうか?
そんな風に思った。
その時……
「あま……い?」
掠れた声が聞こえた。今誰よりも聞きたかった声だった。
「カーティス様!」
目を、覚ました! ああ、神様!
「リナ……さん」
「もう! 心配したんですよ!」
「私……は、どれだけ……寝ていましたか?」
切長の青く美しい瞳が私を見ていた。
「六日ですよ! ねぼすけにも程があります!」
私は心配のあまり逆ギレをしてしまった。
「……年が明ける前には間に合って良かったです、約束は守れそうで」
「そうですね、あ! 皆様に目を覚されたって、報告を……」
「その、前にお願いがあるんですが」
「何ですか?」
「もう一度、キスをしても」
「い! 今のは医療行為ですけど!」
「では、あらためてキスをさせていただいても?」
「……い、いいですけど……」
私は小声で言ったけど、カーティス様にはしっかりと聞こえたようだった。
カーティス様の手が、そっと私の髪に触れ、それからもう一度、唇が重なった。
昔の童話ならば、王子様のキスで目を覚ますのは、お姫様の方なのに、困った騎士様だと思った。
* * *
それから、皆にカーティス様が目覚めたと報告した。
「良かったわ、本当に」
「全く、心配させやがって、カーティス卿!」
バンバンとカーティス様の背中を叩く、チャールズ卿。
死にかけていたのでお手柔らかに……。
「ラインハート卿、私の為に、尽力いただき、ありがとうございます」
カーティス様はそう言って微笑んだ。
目の前にはすっかり治療を終えたラインハート卿がいた。
「でも何故ラインハート卿が、あんなぼろぼろになってまで」
カーティス様の為に? そう思って私は問うた。
「はは、同僚の危機だったからですよ」
それだけで。
「だからいい人なんですよ、ラインハート卿は!
霊薬を取りに行くのにも、彼は自分で志願するほど」
エイデン卿が力強く言った。
ただの底なしのいい人!?
驚きながらも、私はしばらく寝たきりだったカーティスには、出汁の味が聞いた胃に優しげな雑炊など作って食べさせたりして過ごした。
* *
冷たい風が吹き荒ぶ、冬を迎え、もうじき年も明ける。
約束の大晦日に当たる日に、すっかり回復したカーティス様と私はご来光を見に、ワイバーンで高い山に来た。
約束通りに。
風は冷たいはずだけど、風の結界で守られていたから、寒くなかった。
年が、明ける。
新しい一年が始まる。私達二人は神々しい光に包まれた。
「この日の出を、貴女と見られて良かった」
「はい」
「冬の聖者の星祭りの日と、どちらで言おうか悩んで、今日にしました」
「?」
「リナさん、貴女を愛しています。私と結婚してください」
カーティス様は懐から指輪を出して、そう言った。
エメラルドの美しい指輪だった。
ティア様の瞳の色……私の推しの色。
「リナさんは、セレスティアナ様を慕っておられるので、かの方の瞳の色に似たエメラルドにしました」
カーティス様はそう言葉を続けた。私はそれを、半ば夢見心地で聞いていた。
「わ、私はティア様の許しがないと、結婚は……出来ません」
ティア様の下僕なので……。
「私の方で、許しを得ておきました」
「……っ!」
「返事を、いただけますか」
「では、私の左手の薬指に、その指輪を嵌めて下さいませ」
私は手袋を外してそう言った。
「はい、喜んで」
カーティス様は、片膝をつき、私の左手の薬指にエメラルドの指輪を嵌め、その手にキスをした。
物語に出て来る、王女に忠誠と愛を捧げる騎士のように。
「私も、貴方が好きです、カーティス様」
新年を迎えた朝日の中で、私は自分の正直な心を伝えた。
* *
私とカーティス様は花咲き誇る春に結婚した。
美しい白いドレスを着て、蝋燭に火を灯し、この世界の結婚式を挙げた。
でも、それに混じって、地球で言われていた、幸福を呼ぶ結婚式のジンクスをティア様が実行しようと提案してくれた。
新しい物。古い物。借りた物。青い物の4つを用意したの。
新しい物はカーティス様が贈ってくれた指輪。
古い物はカーティス様のご実家のティアラ。
借りた物はティア様の結婚式で使われたベール。
青い物はギル様の協力で王城の貴重な青い薔薇をブーケにしてくださった。
花嫁の父代理がなんとティア様のお父様の辺境伯! ジーク様!
ヴァージンロードを一緒に歩いてくださったの! 感激!
ティアやギル様にも多くの方に祝福され、私達は幸せだった。
地球の家族宛に結婚報告の手紙も書いて、祭壇にお供えした。
手紙が祭壇から消えてしばらくして、知った味のチーズケーキが届いたので、手紙はちゃんと届いたのだと思う。
それからまた春を迎え、ティア様が懐妊し、やがて出産の時を迎え、私は慈悲の手を使い、無痛分娩のお手伝いをした。
産まれたのはなんと、双子の美しい赤ちゃんだった。
プラチナブロンドの男の子と銀髪の女の子の双子!
女の子の肌色はギル様に似た。
将来的にかなりのセクシー系になるかもしれない。
「初産で双子とか、無痛じゃなければ死ぬとこだったわ、リナ、本当にありがとう」
「慈悲の手がお役に立てて本当に嬉しいです! こんなに可愛くて美しい赤ちゃんも初めて見ました」
ギル様とティア様のお子が産まれて、ライリーは、いえ、グランジェルド全土で盛大なお祭りになった。
辺境伯夫妻も、国王夫妻も、とてもお喜びになられた。
──数年後。
相変わらず私は、ティア様達と一緒に、ライリーとエテルニテの両方を行き来している。
あるうららかな春の日に、今度は私が産んだ、自分の子供と夫のカーティスと一緒に、お城の屋上に来た。
私とカーティス様との第一子は可愛い女の子。
日々すくすくと育っている。
ライリーの丘の上のお城には、今日も優しく、いい風が吹いていた。
眼下には、草原が見える。
緑色の美しい草海原が揺れている。
私はこれからもこの世界で生きて行く。
愛する人達と、推しのいる、この美しい丘の上で──。
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