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51 「海から来た者」
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~セレスティアナ視点~
『ティア~~! ようやく力が戻ったから、ぬいぐるみの体から抜け出たよ!』
なんと!
私が一回死にかけ、いや、死んだ時に私を助ける為に、リナルドは消滅するレベルで力を使った。
その体を維持し、顕現させる力が、ようやく戻ったのね!
「リナルド、そうなの!? 良かったわ! ところで……」
『何?』
「早速のお願いで悪いのだけど、一時的に姿を消すような魔法は無いかしら? 知らない?」
『妖精の身隠しの粉を使えば三時間くらい姿を隠せるけど……』
「よし! それで行こう! 護衛騎士はラナン以外、休暇を取らせる」
『あの焦ったい二人をこそっと見守ろうとか言う考え?』
「流石、リナルド。私の事はお見通しね。そんな訳で持ってるなら私とラナンの分の身隠しの粉を下さい」
『全くもう、ギルバートはどうするの?』
ん~~と……。
「ガラス工房で働く人を探す仕事を押し付けて、強制的にお出かけしてもらうわ」
『やれやれ』
*
リナルドに呆れられても私は挫けなかった。
騎士達に臨時の休みを通達して、ギルバートには上目遣いでおねだりのようにあざとくお願いをする。
「ギルバート、お手数ですが、ガラス工房は炉の側でかなり暑くなります。
暑さに強くて物作りの好きな職人を探して下さい」
「なんとも急な話だな、それを俺が探すのか?」
「はい、然るべき所で募集をかけて来てください。私は舞踏会の準備がありますので」
「仕方ないな……」
*
本日はリナとカーティスがエテルニテの地に魔法の修行に来ている。
私は妖精の身隠しの粉を自らとラナンにふりかけ、気配を殺しつつ、二人で空飛ぶ船に乗って見守っている。
ちなみにリナルドも姿を消して霊体でそばにいる。
「カーティス様、海で訓練するんですか?」
「風魔法も水に影響を与えれば、視覚的に分かりやすいでしょう?」
「なるほど」
ラナンと一緒に魔法の船に乗ってて良かった。
砂浜を歩いてたら不自然に足跡が残ってしまう。
「では、魔力を高めて、あの打ち寄せる波の一部のみを反対側に押し返してみましょう。
大切なのはイメージする力です」
リナはキリッとした顔で両手を海に向かって突き出した。
「……ぐぐ……ふんぬっ!!」
ザッッパ────ッ!
波が一部分だけ、切り取られたように反対側に押された!
「やった!」
「お見事です、上手ですよ」
それにしても、リナったら、可憐な顔してふんぬとか言ってた……。
でも、そんな飾らないとこがかわいい。
「次は軽く小さな水の竜巻を起こしてみましょう、手本を見せます」
今度はカーティスが魔力を高めた。
海水が上空に吸い上げられるかのように、1メートルくらいの高さの水の渦を作った。
水が渦を巻いてぐるぐると回転している。
「わあ……」
リナが感嘆の声をあげて見入っている。
パシャン! さっきまで海上にあった水のミニ竜巻が消えた。
「さあ、どうぞ、リナさんもやってみてください」
「はい!」
リナが魔力を再び高めていく。
『風よ、水を巻き上げ、渦となれ……っ!』
水が立ち上がって、渦を作った。それは小さな、30センチくらいの小さなミニ竜巻だった。
リナとカーティスの目の目でそれは弾けて消えた。
バシャン!
「あ……」
カーティスとリナは弾けた海水で濡れた。
「す、すみません! 目の前で作りすぎました! 維持する時間も短くて!」
「大丈夫、ただの海水です。初めはこんな物でしょう」
「うう……」
「これが砂嵐の竜巻でしたら、目に入ったりして大変かもしれませんが、相手の行動を阻害する攻撃にも使えますから、悪くないですよ」
カーティスはそう言って濡れた前髪をかき上げる動きをした。
セクシー!!
これが乙女ゲームならスチルになってる所だわ。
「あ、ハンカチをどうぞ」
カーティスは手で静止し、明後日の方向を見て言った。
「そのうち乾きますから、私は大丈夫です、私より、貴女に着替えが必要です」
はっ!!
よく見たらリナのシャツが水に濡れて透けてる!
どっちもセクシー状態じゃないの!
これが漫画なら、背景にふぁ~~お! とかいう擬音が入っている感じ。
「……あっ!!」
自分の惨状に気がついて、慌てて上半身を隠すリナ。
「屋敷に戻りましょう」
カーティスはそう言って濡れたメガネを外し、それを手に持ってリナから背を向けた。
「す、すみません~~!!」
そして砂浜を早歩きで進んだカーティスは近くのビーチチェアにかけていた布を取って、リナを包み込んだ。
二人はそのままエテルニテのビーチの近くにある屋敷に着替えをしに行き、しばらくして戻って来た。
「今度は水着を着て来たので、大丈夫です!」
「はい」
しばらく同じ水の渦を作る修行をしていると、海の方から緑色の長髪の女が現れた。
一気に鳥肌が立った。雰囲気が邪悪だわ!
「あらあら、妙な魔力を感じると思ったら……綺麗な女ね。
その美しい銀髪、白浪のようで気にいったわ、お前、その体、私によこしなさいな」
『海の魔女!!』
リナルドがそう叫んだ。
緑色の髪が触手のように伸びてリナに向かって行く。
『風よ! 切り裂け!』
カーティスの魔法が魔女の髪を切り裂いた!
「まあ、女の髪を切るなんて、酷い男ね」
女の周囲の水が巻き上がり、津波のように二人に襲いかかった!
『風の盾よ!』
カーティスは抜剣し、剣に魔力を乗せて、急に海に、いや、魔女の方に走り出して、水と共に風の刃を魔女に向かって放った!
だが、水の壁が魔女を守った!
「くそ!」
カーティスの悔しげな声が響いたと思ったら、次は悲鳴が上がった!
「ぎゃあああ!」
魔女は背中から斬られた。袈裟がけに。
青い血を流し、「伏兵か! 覚えておきなさい!」と、捨て台詞を残し、ザブンと海に潜って、魔女は姿を消した。
魔女を後方から攻撃したのは、しれっと後方に回って抜刀したラナンだった。
私達二人は姿を消していたあげく、魔女の注意は完全に前方のカーティスとリナに向いていたので、油断したんだと思う。
「カーティス様! 大丈夫ですか!?」
「リナさん、私は、大丈夫です、それより海に……」
「ま、魔女は何故か負傷して海に帰ったようですけど!」
「さっきのは私でもリナさんの攻撃でもありませんでしたよね、魔女の背後から隙をついたのは」
「え、あ……」
リナとカーティスが海を見た。
カーティスは眼鏡の縁を指で掴んでこちらを凝視した。
やばい! リナはともかくカーティスには鑑定眼鏡で看破されそう!
「……ふっ」
笑った! カーティスはこちらを見て確実に笑った。
「な、なんですか!? カーティス様! 何か見えたんですか?」
「本日の修行はここまでです、海に魔女が出た事を報告をしなければ」
「そ、そうですね」
それにしても、ここの海ってあんな魔女がいたの!?
それとも遠くからわざわざ来たのかしら?
『ティア~~! ようやく力が戻ったから、ぬいぐるみの体から抜け出たよ!』
なんと!
私が一回死にかけ、いや、死んだ時に私を助ける為に、リナルドは消滅するレベルで力を使った。
その体を維持し、顕現させる力が、ようやく戻ったのね!
「リナルド、そうなの!? 良かったわ! ところで……」
『何?』
「早速のお願いで悪いのだけど、一時的に姿を消すような魔法は無いかしら? 知らない?」
『妖精の身隠しの粉を使えば三時間くらい姿を隠せるけど……』
「よし! それで行こう! 護衛騎士はラナン以外、休暇を取らせる」
『あの焦ったい二人をこそっと見守ろうとか言う考え?』
「流石、リナルド。私の事はお見通しね。そんな訳で持ってるなら私とラナンの分の身隠しの粉を下さい」
『全くもう、ギルバートはどうするの?』
ん~~と……。
「ガラス工房で働く人を探す仕事を押し付けて、強制的にお出かけしてもらうわ」
『やれやれ』
*
リナルドに呆れられても私は挫けなかった。
騎士達に臨時の休みを通達して、ギルバートには上目遣いでおねだりのようにあざとくお願いをする。
「ギルバート、お手数ですが、ガラス工房は炉の側でかなり暑くなります。
暑さに強くて物作りの好きな職人を探して下さい」
「なんとも急な話だな、それを俺が探すのか?」
「はい、然るべき所で募集をかけて来てください。私は舞踏会の準備がありますので」
「仕方ないな……」
*
本日はリナとカーティスがエテルニテの地に魔法の修行に来ている。
私は妖精の身隠しの粉を自らとラナンにふりかけ、気配を殺しつつ、二人で空飛ぶ船に乗って見守っている。
ちなみにリナルドも姿を消して霊体でそばにいる。
「カーティス様、海で訓練するんですか?」
「風魔法も水に影響を与えれば、視覚的に分かりやすいでしょう?」
「なるほど」
ラナンと一緒に魔法の船に乗ってて良かった。
砂浜を歩いてたら不自然に足跡が残ってしまう。
「では、魔力を高めて、あの打ち寄せる波の一部のみを反対側に押し返してみましょう。
大切なのはイメージする力です」
リナはキリッとした顔で両手を海に向かって突き出した。
「……ぐぐ……ふんぬっ!!」
ザッッパ────ッ!
波が一部分だけ、切り取られたように反対側に押された!
「やった!」
「お見事です、上手ですよ」
それにしても、リナったら、可憐な顔してふんぬとか言ってた……。
でも、そんな飾らないとこがかわいい。
「次は軽く小さな水の竜巻を起こしてみましょう、手本を見せます」
今度はカーティスが魔力を高めた。
海水が上空に吸い上げられるかのように、1メートルくらいの高さの水の渦を作った。
水が渦を巻いてぐるぐると回転している。
「わあ……」
リナが感嘆の声をあげて見入っている。
パシャン! さっきまで海上にあった水のミニ竜巻が消えた。
「さあ、どうぞ、リナさんもやってみてください」
「はい!」
リナが魔力を再び高めていく。
『風よ、水を巻き上げ、渦となれ……っ!』
水が立ち上がって、渦を作った。それは小さな、30センチくらいの小さなミニ竜巻だった。
リナとカーティスの目の目でそれは弾けて消えた。
バシャン!
「あ……」
カーティスとリナは弾けた海水で濡れた。
「す、すみません! 目の前で作りすぎました! 維持する時間も短くて!」
「大丈夫、ただの海水です。初めはこんな物でしょう」
「うう……」
「これが砂嵐の竜巻でしたら、目に入ったりして大変かもしれませんが、相手の行動を阻害する攻撃にも使えますから、悪くないですよ」
カーティスはそう言って濡れた前髪をかき上げる動きをした。
セクシー!!
これが乙女ゲームならスチルになってる所だわ。
「あ、ハンカチをどうぞ」
カーティスは手で静止し、明後日の方向を見て言った。
「そのうち乾きますから、私は大丈夫です、私より、貴女に着替えが必要です」
はっ!!
よく見たらリナのシャツが水に濡れて透けてる!
どっちもセクシー状態じゃないの!
これが漫画なら、背景にふぁ~~お! とかいう擬音が入っている感じ。
「……あっ!!」
自分の惨状に気がついて、慌てて上半身を隠すリナ。
「屋敷に戻りましょう」
カーティスはそう言って濡れたメガネを外し、それを手に持ってリナから背を向けた。
「す、すみません~~!!」
そして砂浜を早歩きで進んだカーティスは近くのビーチチェアにかけていた布を取って、リナを包み込んだ。
二人はそのままエテルニテのビーチの近くにある屋敷に着替えをしに行き、しばらくして戻って来た。
「今度は水着を着て来たので、大丈夫です!」
「はい」
しばらく同じ水の渦を作る修行をしていると、海の方から緑色の長髪の女が現れた。
一気に鳥肌が立った。雰囲気が邪悪だわ!
「あらあら、妙な魔力を感じると思ったら……綺麗な女ね。
その美しい銀髪、白浪のようで気にいったわ、お前、その体、私によこしなさいな」
『海の魔女!!』
リナルドがそう叫んだ。
緑色の髪が触手のように伸びてリナに向かって行く。
『風よ! 切り裂け!』
カーティスの魔法が魔女の髪を切り裂いた!
「まあ、女の髪を切るなんて、酷い男ね」
女の周囲の水が巻き上がり、津波のように二人に襲いかかった!
『風の盾よ!』
カーティスは抜剣し、剣に魔力を乗せて、急に海に、いや、魔女の方に走り出して、水と共に風の刃を魔女に向かって放った!
だが、水の壁が魔女を守った!
「くそ!」
カーティスの悔しげな声が響いたと思ったら、次は悲鳴が上がった!
「ぎゃあああ!」
魔女は背中から斬られた。袈裟がけに。
青い血を流し、「伏兵か! 覚えておきなさい!」と、捨て台詞を残し、ザブンと海に潜って、魔女は姿を消した。
魔女を後方から攻撃したのは、しれっと後方に回って抜刀したラナンだった。
私達二人は姿を消していたあげく、魔女の注意は完全に前方のカーティスとリナに向いていたので、油断したんだと思う。
「カーティス様! 大丈夫ですか!?」
「リナさん、私は、大丈夫です、それより海に……」
「ま、魔女は何故か負傷して海に帰ったようですけど!」
「さっきのは私でもリナさんの攻撃でもありませんでしたよね、魔女の背後から隙をついたのは」
「え、あ……」
リナとカーティスが海を見た。
カーティスは眼鏡の縁を指で掴んでこちらを凝視した。
やばい! リナはともかくカーティスには鑑定眼鏡で看破されそう!
「……ふっ」
笑った! カーティスはこちらを見て確実に笑った。
「な、なんですか!? カーティス様! 何か見えたんですか?」
「本日の修行はここまでです、海に魔女が出た事を報告をしなければ」
「そ、そうですね」
それにしても、ここの海ってあんな魔女がいたの!?
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