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48 「朝の風景」
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目の端にメダカの種、こちらの世界ではダカメのシャイニーと言う、青銀のキラキラした魚体が輝いていた。
朝からティア様が寝室にある水槽に楽しそうに粉餌をあげている。
ギル様は赤い金魚の方に餌をあげている。
ギル様の誕生祝いにコーヒー豆とクラシックなハンドルを回して作るコーヒーミルがあったので、朝から早速コーヒーを淹れてみることにした。
一度に二人分くらいずつ作れる。
挽きたてのコーヒー粉は味も香りも格別だと思う。
「どうぞ、ミルクもありますので」
私は今日は寝室で朝食を摂ると言われていたので、ティア様とギル様にコーヒーと焼き立てクロワッサン。
そしてハムとチーズとサラダとフルーツをお持ちしていた。
お二人とも、餌やりを終え、手を洗ってから、良い香りだと、コーヒーの入ったカップを優雅に手に取った。
「ふうん、こういう飲み物か」
「カフェインが入っていますので、目覚めに飲むのも良いものなのですよ。
ただし、何事もほどほどにが大事ですが」
「美味しいわ」
「そうだな、良い香りの飲み物だ」
「毎朝コーヒーをお飲みになりますか?」
「私は明日は気分が変わるかもしれない。
バナナミルクがいい日もオレンジジュースがいい日も確実にあると思うので」
かわいい。
「俺は紅茶でもコーヒーでも構わないが」
「コーヒーミルはいくつかあったのよね?」
そう言ってチラッとティア様がギル様を見た。
「はい、15個はありました」
「セレスティアナの部屋と別荘と、辺境伯夫妻の部屋と、厨房、それとライリー城のサロンにも置いておこう。
サロンに有れば、騎士達もコーヒーを楽しめるだろう」
「かしこまりました」
「ありがとう、ギルバート」
私の返事の後で、ティア様はニッコリ笑って、ギル様のほっぺにちゅっとキスをした。
かわいい……!!
朝から良いもの見れた。
私は一旦席を外しましょう。
「失礼いたします」
そう言って私は部屋から出た。
絶対イチャイチャする雰囲気だと思った。
私は空気が読めるメイド!
一旦廊下に出て、窓辺から裏庭を見ると、朝から鯉に餌をあげている人が見える。
竜騎士達はワイバーンのお世話を終え、じきに食事に来るだろう。
庭に出てみた。
ウィル坊ちゃんが畑に生える雑草を抜いて、根を落としたと思ったら、小走りで柵向こうのヤギに餌をあげていた。
ヤギをそのまま放つと雑草どころか畑の野菜まで食べてしまいかねないから、手ずから草をあげているのね。
ヤギの寝床の敷き藁などを変えるのはもちろん使用人なのだけど、餌はあげたいらしい。
──かわいい。
不意に背後から声がかけられた。
「おはようございます、リナさん」
「あ、カーティス様、おはようございます!」
朝からイケメンのご尊顔を見て、元気になれる。
「何か良い香りがしますね」
「あ、ティア様達に朝からコーヒーを淹れて来たので、コーヒーの香りかもしれません。
厨房とサロンにも置くようにとギル様が仰せで、せっかくですし、朝食にお付けしましょうか?」
「大丈夫ですか? 朝から仕事が増えてしまうのではありませんか?」
「豆を挽く作業、結構楽しいので、大丈夫ですよ」
丁寧な暮らしをする人の気分が味わえるぞ。
「楽しいのですか、では、お願いしてみましょうか」
「はい!」
そして、カーティス様と食堂の方に向かった。
騎士達が使うこちらの食堂は厨房と隣接しているので、中から元気な声が聞こえる。
「追加のクロワッサン焼けたよ!」
「はい!」
「今日のフルーツは?」
「葡萄です!」
厨房ではそんな声が飛び交っている。
私はコーヒーセットを持って、食堂でコーヒーミルを使った。
数人の騎士様達が興味深そうに私の動きを見ていた。
「へえ、そうやって使う物なのか」
私に声をかけて来たのは、レザーク卿だった。
「力がいるなら代わろうか?」
「それほどでもありませんから、大丈夫ですが、もしや触ってみたいですか?」
「はは、実はちょっと」
「では、どうぞ」
「ん、結構楽しい……」
「レザーク卿、代わろうか?」
カーティス様がレザーク卿に声をかけた。
「いや、大丈夫だ」
ゴリゴリとコーヒーミルのハンドルを回すのが楽しいらしい。
かわいい。
「リナさ~ん、お湯沸いたよ~~」
「はーい! 今行きます!」
そうして、騎士様達にもバターの香る、焼きたてクロワッサンや、コーヒーなどをお出しした。
コーヒーはやっぱり男性人気が高かった。
後でサロンの方にもコーヒー豆とコーヒーミルを運んでおかなくちゃ。
朝からほのぼのした光景も見れたし、美女やイケメンの為にコーヒーを淹れる事が出来て、いい一日のスタートだなと思ったりした。
朝からティア様が寝室にある水槽に楽しそうに粉餌をあげている。
ギル様は赤い金魚の方に餌をあげている。
ギル様の誕生祝いにコーヒー豆とクラシックなハンドルを回して作るコーヒーミルがあったので、朝から早速コーヒーを淹れてみることにした。
一度に二人分くらいずつ作れる。
挽きたてのコーヒー粉は味も香りも格別だと思う。
「どうぞ、ミルクもありますので」
私は今日は寝室で朝食を摂ると言われていたので、ティア様とギル様にコーヒーと焼き立てクロワッサン。
そしてハムとチーズとサラダとフルーツをお持ちしていた。
お二人とも、餌やりを終え、手を洗ってから、良い香りだと、コーヒーの入ったカップを優雅に手に取った。
「ふうん、こういう飲み物か」
「カフェインが入っていますので、目覚めに飲むのも良いものなのですよ。
ただし、何事もほどほどにが大事ですが」
「美味しいわ」
「そうだな、良い香りの飲み物だ」
「毎朝コーヒーをお飲みになりますか?」
「私は明日は気分が変わるかもしれない。
バナナミルクがいい日もオレンジジュースがいい日も確実にあると思うので」
かわいい。
「俺は紅茶でもコーヒーでも構わないが」
「コーヒーミルはいくつかあったのよね?」
そう言ってチラッとティア様がギル様を見た。
「はい、15個はありました」
「セレスティアナの部屋と別荘と、辺境伯夫妻の部屋と、厨房、それとライリー城のサロンにも置いておこう。
サロンに有れば、騎士達もコーヒーを楽しめるだろう」
「かしこまりました」
「ありがとう、ギルバート」
私の返事の後で、ティア様はニッコリ笑って、ギル様のほっぺにちゅっとキスをした。
かわいい……!!
朝から良いもの見れた。
私は一旦席を外しましょう。
「失礼いたします」
そう言って私は部屋から出た。
絶対イチャイチャする雰囲気だと思った。
私は空気が読めるメイド!
一旦廊下に出て、窓辺から裏庭を見ると、朝から鯉に餌をあげている人が見える。
竜騎士達はワイバーンのお世話を終え、じきに食事に来るだろう。
庭に出てみた。
ウィル坊ちゃんが畑に生える雑草を抜いて、根を落としたと思ったら、小走りで柵向こうのヤギに餌をあげていた。
ヤギをそのまま放つと雑草どころか畑の野菜まで食べてしまいかねないから、手ずから草をあげているのね。
ヤギの寝床の敷き藁などを変えるのはもちろん使用人なのだけど、餌はあげたいらしい。
──かわいい。
不意に背後から声がかけられた。
「おはようございます、リナさん」
「あ、カーティス様、おはようございます!」
朝からイケメンのご尊顔を見て、元気になれる。
「何か良い香りがしますね」
「あ、ティア様達に朝からコーヒーを淹れて来たので、コーヒーの香りかもしれません。
厨房とサロンにも置くようにとギル様が仰せで、せっかくですし、朝食にお付けしましょうか?」
「大丈夫ですか? 朝から仕事が増えてしまうのではありませんか?」
「豆を挽く作業、結構楽しいので、大丈夫ですよ」
丁寧な暮らしをする人の気分が味わえるぞ。
「楽しいのですか、では、お願いしてみましょうか」
「はい!」
そして、カーティス様と食堂の方に向かった。
騎士達が使うこちらの食堂は厨房と隣接しているので、中から元気な声が聞こえる。
「追加のクロワッサン焼けたよ!」
「はい!」
「今日のフルーツは?」
「葡萄です!」
厨房ではそんな声が飛び交っている。
私はコーヒーセットを持って、食堂でコーヒーミルを使った。
数人の騎士様達が興味深そうに私の動きを見ていた。
「へえ、そうやって使う物なのか」
私に声をかけて来たのは、レザーク卿だった。
「力がいるなら代わろうか?」
「それほどでもありませんから、大丈夫ですが、もしや触ってみたいですか?」
「はは、実はちょっと」
「では、どうぞ」
「ん、結構楽しい……」
「レザーク卿、代わろうか?」
カーティス様がレザーク卿に声をかけた。
「いや、大丈夫だ」
ゴリゴリとコーヒーミルのハンドルを回すのが楽しいらしい。
かわいい。
「リナさ~ん、お湯沸いたよ~~」
「はーい! 今行きます!」
そうして、騎士様達にもバターの香る、焼きたてクロワッサンや、コーヒーなどをお出しした。
コーヒーはやっぱり男性人気が高かった。
後でサロンの方にもコーヒー豆とコーヒーミルを運んでおかなくちゃ。
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