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38 「美味しいお仕事」
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「お帰りなさい、リナ。今日はどうだった?」
ティア様が輝く瞳を私に向けて問いかけて来られた。
「ティア様のドレスはデザインカタログから選んで発注済みです。
私のは、茶色と深緑とアイスブルーのドレスを買いました。アイスブルーはカーティス様が選んでくれて、他は自分で選びました」
「その後は? どこか景色のいい所や、お洒落な雑貨屋さんとか見に行った?」
「ティア様の名代として治療院と孤児院で人助けと料理などしてきました。
あ、料理はオムライスです」
「そ、そうなの、私の名声を高める為にわざわざそんな労働を……ありがとう」
私はいいえ、この程度! と言う代わりに、にこりと笑ったけど、ティア様は少し残念そうな笑顔を浮かべた。
……アレ?
もしやもっと遊んで来て欲しかったのかな?
次の乙女ゲームの参考資料にデートスポットの撮影をして来て欲しかったとか?
次回はもっと景色の良い所を撮影して来るようにした方がいいかしら……。
そんな事をちょっと考えたりもしたけれど、夕食の支度などで忙しくしてたら翌日には忘れてた。
*
翌日の朝を迎えた。
私は洗濯済みで良い香りのするメイド服に着替えて仕事に向かう。
ティア様達の寝室へ洗濯物を取りに入ると、白く柔らかい夜着のままのティア様がベッドの端に腰掛け、爪磨きを手に取っておられた。
ティア様の爪は磨くまでも無くいつも綺麗だけど、爪が伸びたのか、もしくは、マニキュアを塗る?
「今から爪磨きですか? 私にお任せください!」
「リナ……今から磨くのは足の爪なのだけど……」
美女の美しい御御足の爪磨き! かしずいてご奉仕チャンス!
「お任せください!」
「いや、俺がやる!」
ここはご夫婦の寝室なので、天蓋付きベッドのカーテンの奥にはギルバート様が一緒におられた!
つまり、ライバルがいた!
「ギ、ギルバート様!? 高貴な生まれの方がやる仕事ではないです!
このリナにお任せを!」
「俺は半分踊り子の血が混ざっているが、そっちは両親とも王族で高貴ではないか、ここは任せろ!」
「リリアーナ王女の体でも中身は庶民ですから! 私に!」
『……二人とも~~そんなバチバチやらずとも、ティアの足は二本あるんだよ~~』
はっ!
リナルド氏が的確なアドバイスをしつつ窓の外から、モモンガ系の妖精らしく飛んで来た!
「では私は片足を!」
「俺が左で其方は右な、順番だ。俺が先にやる」
「はい」
仕方ない、ここは夫のギル様に優先権が……。
「爪磨きで何故そんなに……って一瞬思ったけど、私がメイドでもお母様みたいな美女の御御足のメンテが出来る係あればやりたいから、気持ちを秒で理解したわ」
お分かりいただけたようで!
私は側で女王様か聖者に奉仕する騎士のようなギル様を見守った。
まあ、守護騎士なんだけど。
ティア様の白く柔らかい素足を片方の膝に乗せ、丁寧に爪を磨いている。
女性の片方の草履の鼻緒が切れて、男性が鼻緒を修復する時にも、バランスを崩して倒れないように片膝に足を置かせて作業するの見たことあるんだけど、エモいんだよね、その光景。
男性がすっごく女性を大事にしてる感じがするから。
ドラマチック。
プライベートな空間での爪磨きだと……かなりセクシー感が有る。
わー、クリスタルで映像を保存したいくらいのいい絵なんだけど、こっちの世界だと貴族女性の生足素足って、基本的には結構セクシーなアレだろうから……我慢。
でもティア様とギルバート様の姉君が水着を流行らせてるからイケる?
いや、やはり、目に焼き付けるだけにしておこう。
保存すると私以外の他の人も後で見れてしまう可能性がある。
残念だけど、仕方ない。
ティア様が輝く瞳を私に向けて問いかけて来られた。
「ティア様のドレスはデザインカタログから選んで発注済みです。
私のは、茶色と深緑とアイスブルーのドレスを買いました。アイスブルーはカーティス様が選んでくれて、他は自分で選びました」
「その後は? どこか景色のいい所や、お洒落な雑貨屋さんとか見に行った?」
「ティア様の名代として治療院と孤児院で人助けと料理などしてきました。
あ、料理はオムライスです」
「そ、そうなの、私の名声を高める為にわざわざそんな労働を……ありがとう」
私はいいえ、この程度! と言う代わりに、にこりと笑ったけど、ティア様は少し残念そうな笑顔を浮かべた。
……アレ?
もしやもっと遊んで来て欲しかったのかな?
次の乙女ゲームの参考資料にデートスポットの撮影をして来て欲しかったとか?
次回はもっと景色の良い所を撮影して来るようにした方がいいかしら……。
そんな事をちょっと考えたりもしたけれど、夕食の支度などで忙しくしてたら翌日には忘れてた。
*
翌日の朝を迎えた。
私は洗濯済みで良い香りのするメイド服に着替えて仕事に向かう。
ティア様達の寝室へ洗濯物を取りに入ると、白く柔らかい夜着のままのティア様がベッドの端に腰掛け、爪磨きを手に取っておられた。
ティア様の爪は磨くまでも無くいつも綺麗だけど、爪が伸びたのか、もしくは、マニキュアを塗る?
「今から爪磨きですか? 私にお任せください!」
「リナ……今から磨くのは足の爪なのだけど……」
美女の美しい御御足の爪磨き! かしずいてご奉仕チャンス!
「お任せください!」
「いや、俺がやる!」
ここはご夫婦の寝室なので、天蓋付きベッドのカーテンの奥にはギルバート様が一緒におられた!
つまり、ライバルがいた!
「ギ、ギルバート様!? 高貴な生まれの方がやる仕事ではないです!
このリナにお任せを!」
「俺は半分踊り子の血が混ざっているが、そっちは両親とも王族で高貴ではないか、ここは任せろ!」
「リリアーナ王女の体でも中身は庶民ですから! 私に!」
『……二人とも~~そんなバチバチやらずとも、ティアの足は二本あるんだよ~~』
はっ!
リナルド氏が的確なアドバイスをしつつ窓の外から、モモンガ系の妖精らしく飛んで来た!
「では私は片足を!」
「俺が左で其方は右な、順番だ。俺が先にやる」
「はい」
仕方ない、ここは夫のギル様に優先権が……。
「爪磨きで何故そんなに……って一瞬思ったけど、私がメイドでもお母様みたいな美女の御御足のメンテが出来る係あればやりたいから、気持ちを秒で理解したわ」
お分かりいただけたようで!
私は側で女王様か聖者に奉仕する騎士のようなギル様を見守った。
まあ、守護騎士なんだけど。
ティア様の白く柔らかい素足を片方の膝に乗せ、丁寧に爪を磨いている。
女性の片方の草履の鼻緒が切れて、男性が鼻緒を修復する時にも、バランスを崩して倒れないように片膝に足を置かせて作業するの見たことあるんだけど、エモいんだよね、その光景。
男性がすっごく女性を大事にしてる感じがするから。
ドラマチック。
プライベートな空間での爪磨きだと……かなりセクシー感が有る。
わー、クリスタルで映像を保存したいくらいのいい絵なんだけど、こっちの世界だと貴族女性の生足素足って、基本的には結構セクシーなアレだろうから……我慢。
でもティア様とギルバート様の姉君が水着を流行らせてるからイケる?
いや、やはり、目に焼き付けるだけにしておこう。
保存すると私以外の他の人も後で見れてしまう可能性がある。
残念だけど、仕方ない。
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