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31 「葉っぱ傘の妖精」
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エテルニテの湖の畔に来た。
以前は干魃で枯れていた湖だったが、雨によって、再び水を得て復活していた。
ワイバーン達の水浴び場としてもちょうどいい。
かなり大きな湖だった。
そしてその湖でボート遊びの予定だったのだけど、男性達がボートの用意をしている間に周囲を散歩していた時の事。
緑色の里芋の葉っぱのような物が見える。それは見事に群生していた。
「里芋の葉っぱのような物が……」
「本当に里芋っぽいですね」
ティア様がその葉っぱを見てると、肩に乗っていたリナルド氏が解説してくれた。
『ルーンリーフって言うんだ、それ。その葉っぱに魔力を通して、葉っぱに水を滴らせ、それを飲むと面白い魔法がかかるよ、15分くらいで効果は切れるから、心配はいらない』
「え!? そうなの!? やってみるわ!」
ティア様は躊躇なくインベントリから水樽を出して、水をコップに注ぎ、葉っぱにかけ、魔力を注ぐ。
プラチナ色のオーラが見える。
そしてその葉っぱから雫を飲んだ。すると、何という事でしょう──
「ああ!? ティア様が! 小さい幼女に!! か、可愛い過ぎる!」
ティア様は小さくなった分、とたんに大きな葉っぱを、よいしょと持ち上げた。
その姿が、マジでかわいい!
妖精のコロボックルみたい!
今日のティア様はAラインの白いワンピースを着ていて、何故かこの不思議な魔法、服まで縮んでいるし、なおさら妖精っぽい!
「リナもやってみて! 絶対可愛い!」
「え、あ、はい」
私も魔力を葉っぱに行き渡るようにイメージをしてから、水をかけた。
そして葉から滴る雫を飲んだ。
「きゃー! やっぱり可愛い!」
「わ、我が君がこんなに小さく……妖精さん……」
ラナン卿がフルフルと震えてる。珍しく感動してる!?
「セレスティアナ!? 何故そんな姿に!?」
ボートの準備が終わったのか、ギル様がやって来て、ティア様の変わりように驚いている。
「魔法ですよ! 一時的な物なので、クリスタルで今のうちに撮影してください!」
「こんな時にまで撮影!? 本当に元の姿に戻るんだろうな!?」
「リナルドが保証してるから大丈夫ですよ!」
ギル様はガチで心配してる。
「ああ、それなら大丈夫だろうが、全く、躊躇なくおかしな事に手を出すんだからな、我が妻は──」
「かわいいでしょ!?」
「ああ! とてつもなく可愛いさ! 見つかったら攫われてしまいそうなくらいな!」
軽くキレながらも、言われるままちゃんと撮影してる律儀なギル様だった。
「ああ、リナ嬢、そんなに小さくなって……」
「カーティス、良いところに来たわ! 今のリナを抱っこしてみて!」
え!?
「良いのですか? 主の命令なので失礼します」
私はカーティス様に子供のように縦抱っこをされた!
「今よ、ギルバート! リナとカーティスも撮影して! とても可愛い!」
「はいはい、我が妻の仰せのままに」
「……あっ!」
騒いでるうちに、魔法が解けた。
私は急にサイズが戻って、大人なのにカーティス様に抱っこされたままだった!
「ああ! 降ろしてください! 重いでしょう!?」
「なあに、軽い物です」
「撮影チャンス!」
ティア様がまたもクリスタルで撮影をはじめてしまった!
しかも今度はご自分で、カーティス様に抱っこされた私を!
「お、降ろしてください~~!!」
「でも急にリナが大人になった分、重くなっても取り落とさないあたり、カーティスは力持ちで体幹も凄いのね」
「お褒めに預かり光栄です」
私は恥ずかしくて叫んでいたけど、ティア様の撮影が終わるまで抱っこ状態維持だった。
ティア様あああっ!!
不思議な小さくなるイベントに遭遇してしまったけど、ティア様が楽しそうだったので、まあいいやと、後で思った。
開き直りは大事である。
以前は干魃で枯れていた湖だったが、雨によって、再び水を得て復活していた。
ワイバーン達の水浴び場としてもちょうどいい。
かなり大きな湖だった。
そしてその湖でボート遊びの予定だったのだけど、男性達がボートの用意をしている間に周囲を散歩していた時の事。
緑色の里芋の葉っぱのような物が見える。それは見事に群生していた。
「里芋の葉っぱのような物が……」
「本当に里芋っぽいですね」
ティア様がその葉っぱを見てると、肩に乗っていたリナルド氏が解説してくれた。
『ルーンリーフって言うんだ、それ。その葉っぱに魔力を通して、葉っぱに水を滴らせ、それを飲むと面白い魔法がかかるよ、15分くらいで効果は切れるから、心配はいらない』
「え!? そうなの!? やってみるわ!」
ティア様は躊躇なくインベントリから水樽を出して、水をコップに注ぎ、葉っぱにかけ、魔力を注ぐ。
プラチナ色のオーラが見える。
そしてその葉っぱから雫を飲んだ。すると、何という事でしょう──
「ああ!? ティア様が! 小さい幼女に!! か、可愛い過ぎる!」
ティア様は小さくなった分、とたんに大きな葉っぱを、よいしょと持ち上げた。
その姿が、マジでかわいい!
妖精のコロボックルみたい!
今日のティア様はAラインの白いワンピースを着ていて、何故かこの不思議な魔法、服まで縮んでいるし、なおさら妖精っぽい!
「リナもやってみて! 絶対可愛い!」
「え、あ、はい」
私も魔力を葉っぱに行き渡るようにイメージをしてから、水をかけた。
そして葉から滴る雫を飲んだ。
「きゃー! やっぱり可愛い!」
「わ、我が君がこんなに小さく……妖精さん……」
ラナン卿がフルフルと震えてる。珍しく感動してる!?
「セレスティアナ!? 何故そんな姿に!?」
ボートの準備が終わったのか、ギル様がやって来て、ティア様の変わりように驚いている。
「魔法ですよ! 一時的な物なので、クリスタルで今のうちに撮影してください!」
「こんな時にまで撮影!? 本当に元の姿に戻るんだろうな!?」
「リナルドが保証してるから大丈夫ですよ!」
ギル様はガチで心配してる。
「ああ、それなら大丈夫だろうが、全く、躊躇なくおかしな事に手を出すんだからな、我が妻は──」
「かわいいでしょ!?」
「ああ! とてつもなく可愛いさ! 見つかったら攫われてしまいそうなくらいな!」
軽くキレながらも、言われるままちゃんと撮影してる律儀なギル様だった。
「ああ、リナ嬢、そんなに小さくなって……」
「カーティス、良いところに来たわ! 今のリナを抱っこしてみて!」
え!?
「良いのですか? 主の命令なので失礼します」
私はカーティス様に子供のように縦抱っこをされた!
「今よ、ギルバート! リナとカーティスも撮影して! とても可愛い!」
「はいはい、我が妻の仰せのままに」
「……あっ!」
騒いでるうちに、魔法が解けた。
私は急にサイズが戻って、大人なのにカーティス様に抱っこされたままだった!
「ああ! 降ろしてください! 重いでしょう!?」
「なあに、軽い物です」
「撮影チャンス!」
ティア様がまたもクリスタルで撮影をはじめてしまった!
しかも今度はご自分で、カーティス様に抱っこされた私を!
「お、降ろしてください~~!!」
「でも急にリナが大人になった分、重くなっても取り落とさないあたり、カーティスは力持ちで体幹も凄いのね」
「お褒めに預かり光栄です」
私は恥ずかしくて叫んでいたけど、ティア様の撮影が終わるまで抱っこ状態維持だった。
ティア様あああっ!!
不思議な小さくなるイベントに遭遇してしまったけど、ティア様が楽しそうだったので、まあいいやと、後で思った。
開き直りは大事である。
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