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26 「夏の誕生日」
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夜中に暑さで目が覚めて、風を入れようと窓を開けたら、少し湿り気を帯びた夏の匂いがした。
──ああ、そう言えばもう、夏になっていたんだわ。
寝ぼけた頭でぼんやりと夜空を見上げた。
美しい月夜だった。
なんとなく、月を見ていたら目が覚めて、私は誘われるようにギル様の庭園に向かった。
そこには最近増設された、二柱の女神像の有る、お祈りの場所があった。
手の指を絡めて、お祈りをした。
すると、目の前の供物を置くスペースに、光る魔方陣が現れ……見慣れたチーズケーキがお皿にのって出てきた!
──え? このお皿のベイクドチーズケーキと、お皿の模様……。
私が日本にいた時の、お店で使っていたのと同じ百合柄が……!!
「お皿の下にも、何か……手紙?」
宛名を見たら、私宛だった。
娘、ユリナに届きますように……と、書かれている。
中には家族からの手紙と、家族の写真とお店の写真と、昔見た時より成長した弟の隣に、知らない女性が立っている写真が入っていた。
「お母さんが、私に……このケーキと手紙……を? 神様が、届けて下さったの……ですね?」
声によるお返事は無いけど、多分そうなのだろう。
一陣の風が吹いて、庭に咲く百合の花が頷くように揺れた。
写真を手紙の封筒にしまって、私は少し震える手で、ケーキと手紙をガゼボに運んだ。
ああ、もう今は夏だし、日付けも変わって……私の誕生日が来たんだわ……。
ケーキには、ちゃんとフォークもついていたので、恐る恐る、ケーキを食べた。
ちょっと塩味だけど、私が今、泣いてるせいだった……。
とても、懐かしい味がした。
* *
──ふと、庭からざわめきが聞こえた。
庭園の転移陣の有る場所が光ってる。
「あ~~、帰って来た!」
「エナンド卿、もう夜中ですよ、あまり大きな声を出しては……」
「すまん、カーティス卿」
あ!
ティア様の護衛騎士の皆様が戻ったのだわ!
竜騎士の試験を受けに行っていたから……。
「あれ、この夜中にガゼボに人がいる。ちょっと見て来る」
ま、まずい!
今の私は、夜中のガゼボで泣きながらケーキを食べる不審な女になってしまっている!
「あれ、リナさん……。た、ただいま戻りました」
「お、お帰りなさい……ませ」
月明かりの下に立つのは、黒髪長身の眼鏡の男性……まごう事なき、カーティス様だ。
「それと、お誕生日、おめでとうございます。それで……ここでお一人でケーキを食べられていたのですか?」
「え、カーティス卿は私の誕生日を、知っておられたんですか?」
「ええ、セレスティアナ様に教えていただいておりました。
もしかして、誰よりも先におめでとうを言えましたか?」
「ええ、実家の家族の次に」
私は家族の写真の入った手紙を大切に胸に抱いた。
「おっと、もしかしてそのお手紙は……」
「ええ、家族からでした。こちらの神様が、届けて下さったようです」
「二番目ですが、これをどうぞ」
「ハンカチ……あ、どうもありがとうございます」
涙を拭けと言う事だろう。
「それとこれも」
ジャケットの懐に内ポケットがあるのだろう、黒の布地に銀糸で綺麗な百合の刺繍入りのリボンが出て来た。
「大人っぽくて綺麗なリボン……」
ちょっとしたパーティーにも着けて行けそうな上等な刺繍入りリボンだった。
黒なので仕事中のメイド服に合わせる事も出来る気もする。
「剥き出しですみません、本当は包装して渡すつもりが、急に会ったので、誕生日プレゼントです」
「わあ、私に……! 嬉しいです! ありがとうございます!」
「ちょっと胸がいっぱいになってしまって、チーズケーキの続きが食べられないので、お部屋に持ち帰りますね」
「はい、深夜なのでね、お部屋まで送りましょう」
「カーティス様は戻ったばかりで、お疲れなのでは?
目の前のお屋敷内で近いので私は一人で平気ですよ」
「そうは言われましても、泣いていたレディを一人にするのもなんですから、扉近くまで」
……紳士過ぎて逆に放っておけないようだ。
結局自室の扉まで送られ、ケーキと手紙で私の手が塞がっていたので、扉まで開けて貰った。
「す、すみません、お手数をおかけしました」
「いいえ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
はたして……今から朝までに寝れるだろうか?
極上の笑顔でおやすみなさいを言われてしまい、ドキドキしてしまった。
* *
「エテルニテとライリーの栄光を担う我が騎士達よ、よく主命を果たして戻りました」
「「「はっ」」」
ティア様の男性護衛騎士の皆様が無事竜騎士の資格試験を通って戻って来たので、ティア様に労いの言葉を貰っている。
「リナの誕生日には間に合って良かったわ。両方のお祝いをしましょうね。
騎士達、これは私からのプレゼントよ」
ティア様は手招きで騎士達を近くに呼び、インベントリから贈り物を取り出した。
騎士達に贈られたのはペンダント型の記録のクリスタルと、剣の鞘に着ける飾り紐だった。
「ありがとうございます」
「光栄です」
「恐悦至極でございます」
「そしてこちらは、リナへの誕生日プレゼントよ」
今度は私が呼ばれた!
「わあ、とても可愛いピンタックのワンピースドレス! それと、可愛いリスの刺繍入りの巾着!」
レースの飾りまで付いていて、とっても可愛い!
「リス……」
ギルバート様が何故かリスのワードに反応している。お好きなのかしら?
ティア様がギル様を見てクスッと笑ったけど、すぐに私に向き直った。
「ここらのお金は基本紙幣ではなく硬貨だからお財布が巾着袋になってしまうの。
だからせめて可愛くしてみたわ」
「ありがとうございます! 嬉しいです」
お財布は自分よりお金を持っている人から貰う方が縁起が良い。
ライリーはティア様の知識で前世の世界の物を、動力が魔石の魔道具に変化させた便利道具が多く、現在は瘴気の影響が有った昔と違い、潤っている。
「そしてさらに……」
「え!? まだ有るんですか!?」
「ギルバートに時魔法の使い手を探して貰って、魔法で時を、熟成期間を進めた美味しいブランデー!!
二十歳の誕生日おめでとう! これは私とギルバートからの贈り物よ!」
もしかして先日私達が市場見物に女子会してた時にギルバート様がいなかったのって……。
「あ、ありがとうございます! でもお酒の熟成の為に珍しい時魔法の使い手……魔法師を!?」
「国王陛下も知り合いのドワーフもすっごく喜んだから良いのよ」
こ、国王陛下にも献上したお酒なのですね。
お、お金と権力の使い方が凄い……。
時魔法の使い手はレアと言われているのだし、陛下の許可も必要だったのかも。
「そしてそのドワーフに最近作らせたのがこれだ」
ギル様が魔法の風呂敷から出して来たのは、前世では見慣れた道具だった。
「わ、ワッフルメーカー!?」
「これで見た目も可愛いおやつが作れるから喜ぶはずだと、セレスティアナが言うので、これも私達二人からの贈り物なのだが」
「はい!! すっごく嬉しいです!!!!」
「そんなに……」
ギル様は自分で贈ってくれたのに驚いてる。
「ほら、元カフェ店員さんだもの、可愛いスイーツが作れる道具で喜んだでしょう?」
「パンケーキに格子状の模様がつくような物ではないか?」
「だからソレが可愛いのですよ」
「ギルバート様は実際に作って見ないとピンと来ないのでしょう。
今度、お茶の時間にワッフルを作ってお出ししますね」
私はホックホクの気分だった。
「それと、あの、ティア様、昨夜お庭の女神像のお供えの所に、家族から手紙が届いたのです。
日本から家族の写真も一緒に」
「まあ! リナの向こうのご家族のお顔が見れるの!?」
「はい、これです」
私は先日の写真を全て見せた。
「おね……」
ティア様は私の弟とのツーショット写真、一緒に映っていた女性の姿を見て、固まった。
もしかして、この写真の人は……。
おね……お姉様!? ティア様の前世のご家族!? 日本の!?
時空を超えてるからこんな奇跡も起こってしまうのか。
「ティア様、私には弟の写ってる写真は両親との集合写真がありますから、そちらは差し上げます」
「あ、ありがとう……ちょっと化粧直しに行って来ますね。
皆、パーティーを楽しんでね」
そそくさと、パーティー会場からティア様が一旦、離脱していった。
ギル様がブランデーの瓶を開けるかと聞いてくれたけど、私はティア様が戻ってからで良いですと伝えた。
皆はケーキやご馳走をおおいに楽しんでいた。
私の誕生日だけど、ティア様の竜騎士の資格合格祝いでもあるからね。
私はと言えば……ティア様が一人で自室に戻って泣いているのではないかと、写真を渡すタイミングを誤ったのでは?
と、ソワソワしていた。
──ああ、そう言えばもう、夏になっていたんだわ。
寝ぼけた頭でぼんやりと夜空を見上げた。
美しい月夜だった。
なんとなく、月を見ていたら目が覚めて、私は誘われるようにギル様の庭園に向かった。
そこには最近増設された、二柱の女神像の有る、お祈りの場所があった。
手の指を絡めて、お祈りをした。
すると、目の前の供物を置くスペースに、光る魔方陣が現れ……見慣れたチーズケーキがお皿にのって出てきた!
──え? このお皿のベイクドチーズケーキと、お皿の模様……。
私が日本にいた時の、お店で使っていたのと同じ百合柄が……!!
「お皿の下にも、何か……手紙?」
宛名を見たら、私宛だった。
娘、ユリナに届きますように……と、書かれている。
中には家族からの手紙と、家族の写真とお店の写真と、昔見た時より成長した弟の隣に、知らない女性が立っている写真が入っていた。
「お母さんが、私に……このケーキと手紙……を? 神様が、届けて下さったの……ですね?」
声によるお返事は無いけど、多分そうなのだろう。
一陣の風が吹いて、庭に咲く百合の花が頷くように揺れた。
写真を手紙の封筒にしまって、私は少し震える手で、ケーキと手紙をガゼボに運んだ。
ああ、もう今は夏だし、日付けも変わって……私の誕生日が来たんだわ……。
ケーキには、ちゃんとフォークもついていたので、恐る恐る、ケーキを食べた。
ちょっと塩味だけど、私が今、泣いてるせいだった……。
とても、懐かしい味がした。
* *
──ふと、庭からざわめきが聞こえた。
庭園の転移陣の有る場所が光ってる。
「あ~~、帰って来た!」
「エナンド卿、もう夜中ですよ、あまり大きな声を出しては……」
「すまん、カーティス卿」
あ!
ティア様の護衛騎士の皆様が戻ったのだわ!
竜騎士の試験を受けに行っていたから……。
「あれ、この夜中にガゼボに人がいる。ちょっと見て来る」
ま、まずい!
今の私は、夜中のガゼボで泣きながらケーキを食べる不審な女になってしまっている!
「あれ、リナさん……。た、ただいま戻りました」
「お、お帰りなさい……ませ」
月明かりの下に立つのは、黒髪長身の眼鏡の男性……まごう事なき、カーティス様だ。
「それと、お誕生日、おめでとうございます。それで……ここでお一人でケーキを食べられていたのですか?」
「え、カーティス卿は私の誕生日を、知っておられたんですか?」
「ええ、セレスティアナ様に教えていただいておりました。
もしかして、誰よりも先におめでとうを言えましたか?」
「ええ、実家の家族の次に」
私は家族の写真の入った手紙を大切に胸に抱いた。
「おっと、もしかしてそのお手紙は……」
「ええ、家族からでした。こちらの神様が、届けて下さったようです」
「二番目ですが、これをどうぞ」
「ハンカチ……あ、どうもありがとうございます」
涙を拭けと言う事だろう。
「それとこれも」
ジャケットの懐に内ポケットがあるのだろう、黒の布地に銀糸で綺麗な百合の刺繍入りのリボンが出て来た。
「大人っぽくて綺麗なリボン……」
ちょっとしたパーティーにも着けて行けそうな上等な刺繍入りリボンだった。
黒なので仕事中のメイド服に合わせる事も出来る気もする。
「剥き出しですみません、本当は包装して渡すつもりが、急に会ったので、誕生日プレゼントです」
「わあ、私に……! 嬉しいです! ありがとうございます!」
「ちょっと胸がいっぱいになってしまって、チーズケーキの続きが食べられないので、お部屋に持ち帰りますね」
「はい、深夜なのでね、お部屋まで送りましょう」
「カーティス様は戻ったばかりで、お疲れなのでは?
目の前のお屋敷内で近いので私は一人で平気ですよ」
「そうは言われましても、泣いていたレディを一人にするのもなんですから、扉近くまで」
……紳士過ぎて逆に放っておけないようだ。
結局自室の扉まで送られ、ケーキと手紙で私の手が塞がっていたので、扉まで開けて貰った。
「す、すみません、お手数をおかけしました」
「いいえ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
はたして……今から朝までに寝れるだろうか?
極上の笑顔でおやすみなさいを言われてしまい、ドキドキしてしまった。
* *
「エテルニテとライリーの栄光を担う我が騎士達よ、よく主命を果たして戻りました」
「「「はっ」」」
ティア様の男性護衛騎士の皆様が無事竜騎士の資格試験を通って戻って来たので、ティア様に労いの言葉を貰っている。
「リナの誕生日には間に合って良かったわ。両方のお祝いをしましょうね。
騎士達、これは私からのプレゼントよ」
ティア様は手招きで騎士達を近くに呼び、インベントリから贈り物を取り出した。
騎士達に贈られたのはペンダント型の記録のクリスタルと、剣の鞘に着ける飾り紐だった。
「ありがとうございます」
「光栄です」
「恐悦至極でございます」
「そしてこちらは、リナへの誕生日プレゼントよ」
今度は私が呼ばれた!
「わあ、とても可愛いピンタックのワンピースドレス! それと、可愛いリスの刺繍入りの巾着!」
レースの飾りまで付いていて、とっても可愛い!
「リス……」
ギルバート様が何故かリスのワードに反応している。お好きなのかしら?
ティア様がギル様を見てクスッと笑ったけど、すぐに私に向き直った。
「ここらのお金は基本紙幣ではなく硬貨だからお財布が巾着袋になってしまうの。
だからせめて可愛くしてみたわ」
「ありがとうございます! 嬉しいです」
お財布は自分よりお金を持っている人から貰う方が縁起が良い。
ライリーはティア様の知識で前世の世界の物を、動力が魔石の魔道具に変化させた便利道具が多く、現在は瘴気の影響が有った昔と違い、潤っている。
「そしてさらに……」
「え!? まだ有るんですか!?」
「ギルバートに時魔法の使い手を探して貰って、魔法で時を、熟成期間を進めた美味しいブランデー!!
二十歳の誕生日おめでとう! これは私とギルバートからの贈り物よ!」
もしかして先日私達が市場見物に女子会してた時にギルバート様がいなかったのって……。
「あ、ありがとうございます! でもお酒の熟成の為に珍しい時魔法の使い手……魔法師を!?」
「国王陛下も知り合いのドワーフもすっごく喜んだから良いのよ」
こ、国王陛下にも献上したお酒なのですね。
お、お金と権力の使い方が凄い……。
時魔法の使い手はレアと言われているのだし、陛下の許可も必要だったのかも。
「そしてそのドワーフに最近作らせたのがこれだ」
ギル様が魔法の風呂敷から出して来たのは、前世では見慣れた道具だった。
「わ、ワッフルメーカー!?」
「これで見た目も可愛いおやつが作れるから喜ぶはずだと、セレスティアナが言うので、これも私達二人からの贈り物なのだが」
「はい!! すっごく嬉しいです!!!!」
「そんなに……」
ギル様は自分で贈ってくれたのに驚いてる。
「ほら、元カフェ店員さんだもの、可愛いスイーツが作れる道具で喜んだでしょう?」
「パンケーキに格子状の模様がつくような物ではないか?」
「だからソレが可愛いのですよ」
「ギルバート様は実際に作って見ないとピンと来ないのでしょう。
今度、お茶の時間にワッフルを作ってお出ししますね」
私はホックホクの気分だった。
「それと、あの、ティア様、昨夜お庭の女神像のお供えの所に、家族から手紙が届いたのです。
日本から家族の写真も一緒に」
「まあ! リナの向こうのご家族のお顔が見れるの!?」
「はい、これです」
私は先日の写真を全て見せた。
「おね……」
ティア様は私の弟とのツーショット写真、一緒に映っていた女性の姿を見て、固まった。
もしかして、この写真の人は……。
おね……お姉様!? ティア様の前世のご家族!? 日本の!?
時空を超えてるからこんな奇跡も起こってしまうのか。
「ティア様、私には弟の写ってる写真は両親との集合写真がありますから、そちらは差し上げます」
「あ、ありがとう……ちょっと化粧直しに行って来ますね。
皆、パーティーを楽しんでね」
そそくさと、パーティー会場からティア様が一旦、離脱していった。
ギル様がブランデーの瓶を開けるかと聞いてくれたけど、私はティア様が戻ってからで良いですと伝えた。
皆はケーキやご馳走をおおいに楽しんでいた。
私の誕生日だけど、ティア様の竜騎士の資格合格祝いでもあるからね。
私はと言えば……ティア様が一人で自室に戻って泣いているのではないかと、写真を渡すタイミングを誤ったのでは?
と、ソワソワしていた。
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