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25 隠し事
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私はティータイムの後に現公爵夫人たるお義母様のお部屋をお訪ねしました。
「あの、お義母様。私も遊んでばかりも申し訳ないので公爵家の仕事のことで私が覚える必要のありそうなことなど、船の中でも勉強しますので何かいい本とかがあればと」
「でも、エリアナ。船の上で下を向いて本を読んで勉強などしたら、船酔いをしていまうわよ」
なんと、そんなとこまで気を使ってくださってます!
お優しいです!
「ええと、一応酔い止めのお薬は持参しますが」
「でも、せっかくの旅行だし、仕事の本を読むより楽しんでほしいわ。
新婚旅行の代わりでもあるのでしょう?」
「あっ」
そういえば、旦那様がそんなことをおっしゃっていたような!
新婚旅行!!
それは心が震えるようなフレーズです。
「それでね、こちらに素敵な贈り物があるのよ。良ければ使ってちょうだい。さあ、開けてみて!」
お義母様はそれでねと、軽い口調で何やらピンクのオーラを感じる箱を指し示しました。
メイドがすかさずテーブルの上にあったリボン付きの箱を私の元に運んできます。
お義母様の表情はウキウキといった風情です。
開けてみてと言われたので、若干不安になりながらも早速開けてみます。
すると、なんということでしょう!
「こ、この布地、だいぶ涼しげ……というか、透けていますが!」
予想的中! スケスケのセクシーナイトウエアです!
美しいレースの装飾もありますが!
お腹のあたりとか、めちゃくちゃ透けています!
「現地についてから、もし予想以上に盛り上がったら必要になるかもしれないでしょう? なにしろ新婚旅行だから念の為ね!」
そうして私はお義母様からスケスケセクシーネグリジェを朗らかに押し付けられて部屋を出ることになりました。
旦那様に見つからないように衣装室に隠し……いえ、そこはメイドが整理したりしますから、ベッドの下にでも……箱ごと入れたら埃問題は大丈夫でしょう。
私は箱を抱え、早足で自室に戻りました。
そして人が来る前にセクシーネグリジェの入った箱をベッドの下に押し込もうと思ます。
いざ、床に膝をついて、よいしょっと!
箱を押し込むその瞬間!
「エリアナ、何をしているんだ?」
「きゃああっ」
「え、そんなに驚くか?」
急に背後から旦那様が来られたので思わず悲鳴を上げてしまいました!
まさに今、以前夢の図書館の本で読んだベッドの下にえちちな本を隠す男の子のような気持ちです!
旦那様の方に体を向け、なんとか背中で背後の物は隠し通します!
「きゅ、急に背後に来られたので! 驚いただけです!」
よく考えたらここは夫婦の寝室でもあるのだから旦那様だけはノック無しでも入れるのでした!
「聞き忘れてたが、そのヒイズル国のある地方は暖かいのか? 寒いのか?」
「同じ夏だと思ます! こちらより湿気が多いので蒸し暑いかと思われます!」
「なるほど」
「でも、何か涼しくする工夫をされてる可能性はありますから、長袖や羽織りものはあったほうが無難です」
「なるほど、わかった。着替えは薄手の物を多めに、ミカドへの謁見用の礼服と長袖も少しはいるな」
「は、はい!」
旦那様の質問に答えつつも、ワタシの目は落ち着きなく泳いでしまいます。
「どうした? 顔色が悪いな?」
「え? そんな事はありませんけど」
「やや青白いような」
そう言って旦那様が距離を詰めてきました!
顔が近い! 良すぎる顔が近いです!
「あれ? 今度は赤くなったな?」
これは以前読んだ本に出たので知ってます!
リトマス試験紙みたいだって知ってる人ならいうところ!
「急に男前なお顔が近くなったので! 仕方ないのです!」
「なに!? そ、そうか、それなら仕方ないな!」
セーフです!
褒められてまんざらでもないって顔をされています!
「では、旦那様も準備を進めてくださいませ!」
早くベッドから離れてください!!
「その前にエリアナ、手を……床に座り込んだままではないか」
そっと手を差し伸べてくださいました。
確かに今は床に座り込んでいて、貴族の夫人らしくない姿ですね。
「ありがとうございます……」
恥ずかしくなって目を伏せて手を重ねると、旦那様の大きな手が私の手を包みこみ、起き上がらせてくださいました。
箱のある方向から旦那様の視線をそらすために私はベッドではなく、テーブルセットの椅子まで移動してそちらに座りました。
これから私は決してベッドの方を気にしてはなりません!
そこに何かあるのか? と思わせないように!
そしてなんとか旦那様は部屋を出て、旅の準備に向かってくださったようです。
セーフです!
ひとまずアレは隠し通しました!
「あの、お義母様。私も遊んでばかりも申し訳ないので公爵家の仕事のことで私が覚える必要のありそうなことなど、船の中でも勉強しますので何かいい本とかがあればと」
「でも、エリアナ。船の上で下を向いて本を読んで勉強などしたら、船酔いをしていまうわよ」
なんと、そんなとこまで気を使ってくださってます!
お優しいです!
「ええと、一応酔い止めのお薬は持参しますが」
「でも、せっかくの旅行だし、仕事の本を読むより楽しんでほしいわ。
新婚旅行の代わりでもあるのでしょう?」
「あっ」
そういえば、旦那様がそんなことをおっしゃっていたような!
新婚旅行!!
それは心が震えるようなフレーズです。
「それでね、こちらに素敵な贈り物があるのよ。良ければ使ってちょうだい。さあ、開けてみて!」
お義母様はそれでねと、軽い口調で何やらピンクのオーラを感じる箱を指し示しました。
メイドがすかさずテーブルの上にあったリボン付きの箱を私の元に運んできます。
お義母様の表情はウキウキといった風情です。
開けてみてと言われたので、若干不安になりながらも早速開けてみます。
すると、なんということでしょう!
「こ、この布地、だいぶ涼しげ……というか、透けていますが!」
予想的中! スケスケのセクシーナイトウエアです!
美しいレースの装飾もありますが!
お腹のあたりとか、めちゃくちゃ透けています!
「現地についてから、もし予想以上に盛り上がったら必要になるかもしれないでしょう? なにしろ新婚旅行だから念の為ね!」
そうして私はお義母様からスケスケセクシーネグリジェを朗らかに押し付けられて部屋を出ることになりました。
旦那様に見つからないように衣装室に隠し……いえ、そこはメイドが整理したりしますから、ベッドの下にでも……箱ごと入れたら埃問題は大丈夫でしょう。
私は箱を抱え、早足で自室に戻りました。
そして人が来る前にセクシーネグリジェの入った箱をベッドの下に押し込もうと思ます。
いざ、床に膝をついて、よいしょっと!
箱を押し込むその瞬間!
「エリアナ、何をしているんだ?」
「きゃああっ」
「え、そんなに驚くか?」
急に背後から旦那様が来られたので思わず悲鳴を上げてしまいました!
まさに今、以前夢の図書館の本で読んだベッドの下にえちちな本を隠す男の子のような気持ちです!
旦那様の方に体を向け、なんとか背中で背後の物は隠し通します!
「きゅ、急に背後に来られたので! 驚いただけです!」
よく考えたらここは夫婦の寝室でもあるのだから旦那様だけはノック無しでも入れるのでした!
「聞き忘れてたが、そのヒイズル国のある地方は暖かいのか? 寒いのか?」
「同じ夏だと思ます! こちらより湿気が多いので蒸し暑いかと思われます!」
「なるほど」
「でも、何か涼しくする工夫をされてる可能性はありますから、長袖や羽織りものはあったほうが無難です」
「なるほど、わかった。着替えは薄手の物を多めに、ミカドへの謁見用の礼服と長袖も少しはいるな」
「は、はい!」
旦那様の質問に答えつつも、ワタシの目は落ち着きなく泳いでしまいます。
「どうした? 顔色が悪いな?」
「え? そんな事はありませんけど」
「やや青白いような」
そう言って旦那様が距離を詰めてきました!
顔が近い! 良すぎる顔が近いです!
「あれ? 今度は赤くなったな?」
これは以前読んだ本に出たので知ってます!
リトマス試験紙みたいだって知ってる人ならいうところ!
「急に男前なお顔が近くなったので! 仕方ないのです!」
「なに!? そ、そうか、それなら仕方ないな!」
セーフです!
褒められてまんざらでもないって顔をされています!
「では、旦那様も準備を進めてくださいませ!」
早くベッドから離れてください!!
「その前にエリアナ、手を……床に座り込んだままではないか」
そっと手を差し伸べてくださいました。
確かに今は床に座り込んでいて、貴族の夫人らしくない姿ですね。
「ありがとうございます……」
恥ずかしくなって目を伏せて手を重ねると、旦那様の大きな手が私の手を包みこみ、起き上がらせてくださいました。
箱のある方向から旦那様の視線をそらすために私はベッドではなく、テーブルセットの椅子まで移動してそちらに座りました。
これから私は決してベッドの方を気にしてはなりません!
そこに何かあるのか? と思わせないように!
そしてなんとか旦那様は部屋を出て、旅の準備に向かってくださったようです。
セーフです!
ひとまずアレは隠し通しました!
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