15 / 52
15 旦那のいぬ間に
しおりを挟む
公爵様に氷の魔石をいただいて旦那様にお手紙とアイスを送りました!
無事に溶けずに届きますように。
そうだ、旦那様がいぬ間に誕生日プレゼントを何にするか考えましょう。
旦那様のお誕生日は夏でした。
もうじきです。
お誕生日までには帰ってくると信じて。
さてどうしましょうか、ハンカチに刺繍?
地味かしら? でも、確かお守りになるのではなかったかしら?
でも宝石とかでお守りを作った方が見栄えしますよね。
お守り……。
あ、本で読んだ事があります……。
「……えーと……懐中時計!」
胸に攻撃を受けた時に胸の懐中時計が守ってくれたとかそういう物語がありました。
そういうアクシデントがなくても時計は使えるものですし!
懐中時計に宝石を装飾したものとか、華やかでいいのでは?
それを包む布に少し刺繍をすれば、刺繍だけなら多少みすぼらしくなっても、懐中時計があればなんとかなるはずです。
私は使用人のメイドに頼んで懐中時計のカタログを取り寄せることにしました。
細かい現金のお小遣いも、貰ってはいるので、
「できればこっそりと懐中時計のカタログを手に入て欲しいの」
「それはもちろんかまいませんが、若奥様は何故こっそりされるのですか?」
「ヒントは誕生日です……はい、これは御駄賃」
「あっ! かしこまりました!」
あっ! 察し! みたいな顔をした後で使用人はにんまりと笑いました。
照れます。
さて、私にはお茶の勉強の他にもこの国の貴族の勉強もしなければなりません。
お勉強の合間に刺繍もしましょう。
事実の机に向かいながらお勉強です。
地味に忙しいので食事は部屋に運んでいただきました。
サンドイッチを。
それにしてもハーブティーの種類が多くて嬉しい反面、妊婦さんが飲んではいけないものも多々あるらしいから、気をつけないとです。
でもこの家門、あまりお茶会などの社交もされないから、大丈夫……かしら?
そんな風に考えていたら、数日後、懐中時計のカタログをうきうき見ていると、
「若奥様、お手紙をお届けに参りました」
「どうぞ!!」
メイドが部屋をノックして、手紙を届けに来ました!!
もしや旦那様からの手紙のお返事!?
かと、一瞬期待したのですが、旦那様に手紙を送る余裕はなかったのか、まだアイスと手紙が届いてないのか、違いました!
シーリングスタンプが皇室のもので戦慄が走ります。
なんと中身は皇太子様からピクニックの招待状でした!
何故このタイミングで!?
旦那様が留守なので一人の参加はとても無理です
と、お断りの手紙を出したのですが、移動スクロールを持った護衛騎士を迎えに送るからエスコートは心配しなくていいとか今度は魔法の鳥で返事を返して来ました。
「なぜ、そうまでして……私を!?」
私は使用人に声をかけて、公爵様の居場所を聞き出しました。
どうやらサロンにてご夫婦でお茶を飲んでおられるらしいので、お二人に相談することにしました。
「まあぁ……エリアナが可愛いからかしら? 皇太子殿下にも困ったものね」
「今回の魔物退治の依頼は王都経由だからゴードヘルフが留守にしてるのはご存知だろうに」
「ケビンにエリアナのエスコートをさせたくても氷結洞窟に行ってしまったし、なんて間の悪いこと」
「逆にあちらにとっては好機くらいに思ってるふしがあるな、仕方ない。あちらの護衛騎士だけではエリアナが不安だろうし、私が共をする」
え!? お義父《とう》さま、公爵様が!?
「そうですね。義理父同伴のピクニックなんて微妙な感じはしますけど、私はここを領主一族、全てが空にするのもまずいでしょうから、お留守番をしますので代わりにエリアナをお願いします」
奥様! 私の為に留守番をさせてしまい、申し訳ありません!
「ああ」
奥様に頼まれた公爵様は力強く頷きました。
無事に溶けずに届きますように。
そうだ、旦那様がいぬ間に誕生日プレゼントを何にするか考えましょう。
旦那様のお誕生日は夏でした。
もうじきです。
お誕生日までには帰ってくると信じて。
さてどうしましょうか、ハンカチに刺繍?
地味かしら? でも、確かお守りになるのではなかったかしら?
でも宝石とかでお守りを作った方が見栄えしますよね。
お守り……。
あ、本で読んだ事があります……。
「……えーと……懐中時計!」
胸に攻撃を受けた時に胸の懐中時計が守ってくれたとかそういう物語がありました。
そういうアクシデントがなくても時計は使えるものですし!
懐中時計に宝石を装飾したものとか、華やかでいいのでは?
それを包む布に少し刺繍をすれば、刺繍だけなら多少みすぼらしくなっても、懐中時計があればなんとかなるはずです。
私は使用人のメイドに頼んで懐中時計のカタログを取り寄せることにしました。
細かい現金のお小遣いも、貰ってはいるので、
「できればこっそりと懐中時計のカタログを手に入て欲しいの」
「それはもちろんかまいませんが、若奥様は何故こっそりされるのですか?」
「ヒントは誕生日です……はい、これは御駄賃」
「あっ! かしこまりました!」
あっ! 察し! みたいな顔をした後で使用人はにんまりと笑いました。
照れます。
さて、私にはお茶の勉強の他にもこの国の貴族の勉強もしなければなりません。
お勉強の合間に刺繍もしましょう。
事実の机に向かいながらお勉強です。
地味に忙しいので食事は部屋に運んでいただきました。
サンドイッチを。
それにしてもハーブティーの種類が多くて嬉しい反面、妊婦さんが飲んではいけないものも多々あるらしいから、気をつけないとです。
でもこの家門、あまりお茶会などの社交もされないから、大丈夫……かしら?
そんな風に考えていたら、数日後、懐中時計のカタログをうきうき見ていると、
「若奥様、お手紙をお届けに参りました」
「どうぞ!!」
メイドが部屋をノックして、手紙を届けに来ました!!
もしや旦那様からの手紙のお返事!?
かと、一瞬期待したのですが、旦那様に手紙を送る余裕はなかったのか、まだアイスと手紙が届いてないのか、違いました!
シーリングスタンプが皇室のもので戦慄が走ります。
なんと中身は皇太子様からピクニックの招待状でした!
何故このタイミングで!?
旦那様が留守なので一人の参加はとても無理です
と、お断りの手紙を出したのですが、移動スクロールを持った護衛騎士を迎えに送るからエスコートは心配しなくていいとか今度は魔法の鳥で返事を返して来ました。
「なぜ、そうまでして……私を!?」
私は使用人に声をかけて、公爵様の居場所を聞き出しました。
どうやらサロンにてご夫婦でお茶を飲んでおられるらしいので、お二人に相談することにしました。
「まあぁ……エリアナが可愛いからかしら? 皇太子殿下にも困ったものね」
「今回の魔物退治の依頼は王都経由だからゴードヘルフが留守にしてるのはご存知だろうに」
「ケビンにエリアナのエスコートをさせたくても氷結洞窟に行ってしまったし、なんて間の悪いこと」
「逆にあちらにとっては好機くらいに思ってるふしがあるな、仕方ない。あちらの護衛騎士だけではエリアナが不安だろうし、私が共をする」
え!? お義父《とう》さま、公爵様が!?
「そうですね。義理父同伴のピクニックなんて微妙な感じはしますけど、私はここを領主一族、全てが空にするのもまずいでしょうから、お留守番をしますので代わりにエリアナをお願いします」
奥様! 私の為に留守番をさせてしまい、申し訳ありません!
「ああ」
奥様に頼まれた公爵様は力強く頷きました。
117
お気に入りに追加
459
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
王太子様に婚約破棄されましたので、辺境の地でモフモフな動物達と幸せなスローライフをいたします。
なつめ猫
ファンタジー
公爵令嬢のエリーゼは、婚約者であるレオン王太子に婚約破棄を言い渡されてしまう。
二人は、一年後に、国を挙げての結婚を控えていたが、それが全て無駄に終わってしまう。
失意の内にエリーゼは、公爵家が管理している辺境の地へ引き篭もるようにして王都を去ってしまうのであった。
――そう、引き篭もるようにして……。
表向きは失意の内に辺境の地へ篭ったエリーゼは、多くの貴族から同情されていたが……。
じつは公爵令嬢のエリーゼは、本当は、貴族には向かない性格だった。
ギスギスしている貴族の社交の場が苦手だったエリーゼは、辺境の地で、モフモフな動物とスローライフを楽しむことにしたのだった。
ただ一つ、エリーゼには稀有な才能があり、それは王国で随一の回復魔法の使い手であり、唯一精霊に愛される存在であった。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる