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87 下準備と休憩時間
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俺達は雑貨屋の棚に商品を並べる為に、代理購入をしてもらった分と自分で買ってきた品の開封作業をしていく。
その間にミラはラッキーの背中に乗ったまま、棚の側面を雑巾で拭いてくれている。
なんだあれ、健気でかわいいな。
「カナタ、これなんだ? やけにキラキラしたセロファンみたいな紙? 花束でも包むのか?」
「オーロラフィルムのやつだね。花束もいいけどクッション材にしようかと、ほら、最初から細かく細くカットしてるのも、コチラにあるよ。
ワインや香水瓶みたいな物が割れないようにするんだ。見た目も華やかだし、女性はキラキラしたものが好きだし」
カナタはサンプル画像をわざわざ保存してくれていたのか、手持ちのスマホで見せてくれた。
「凄い映えるな、流石だ! 開けた瞬間キラキラの虹色系でワクワクする! SSR確定演出みたいだ!」
「光沢のある布の方が高級感はあるけど、たまにはいいんじゃないかな」
「へー、ホントに凄くキラキラしてて綺麗ね」
ミレナの目も釘付けだな。
女性はやはり光り物が好きな人が多いようだ。
姉貴もカラスの心が騒ぐと言ってはキラキラした物を集めていた。
「それと、雑貨屋にズラリと女性の下着を置くと贈り物を買いに来た男性客が困るだろうから、下着のポラロイド写真を撮ってこのファイルに入れて、女性に下着カタログですって見せて、これがいいって言われたらレジ奥から出してくるスタイルはどうかな? あ、下着の袋か箱にはシールか付箋で目印を」
ファイルやシールを100均で買っておいてくれたようだ。
「なるほど、確かにそれはいいな。しかしいつの間にかポラロイドカメラも持っていたのか、便利だな」
「パソコンとプリンターでのプリントアウトのがコストは安く済むとは思うけど、今回は仕入れの為の移動に忙しかったから、念の為にポラロイドカメラを買わせてもらったよ」
「カフェではツーショット写真が撮れるな」
「あ、ジェラルドさんと!? ソレはいいね」
「は? ツーショットだ?」
開封作業をしていたジェラルドが自分の名前を聞いて顔を上げた。
「こういう写真だよ」
俺はサンプルとしてスマホにあった推しとのツーショット写真を見せたが、ジェラルドの反応は
「知らんやつと一緒にこのような枠に納まりたいとは思わないが」
「それは確かにそうか。写真は商材だけにしよう」
「本人が嫌なら仕方ないね」
カナタもツーショット写真は諦めたようだ。
他にもカナタが仕入れできた物を袋から出して確認していく。
「このガラスっぽいクリアカラーツリーも綺麗だな! クリスマスに飾るやつか?」
「店の装飾にキラキラしたのを置くといいかなって雑貨屋で買ってきたよ。ところでこちらにもクリスマスがあるの?」
「冬のお祭りくらいならあるんじゃないか? こちらにも」
「冬には星祭りがあるわよ」
「星祭りか、いいな、きれいな響きで」
「まるで氷でできた木みたいね」
「じゃあ冬の飾りに取っておくか? 夏に飾っても涼しげでいいかなとも思うが」
「じゃあとりあえず飾っておこうか、涼しげで綺麗だし」
開封作業も意外な物が入っていて、なかなかおもしろかった。
「カフェの方は今回は目玉商品はあるのか?」
「俺達が楽する為の弁当と、ミルクと混ぜるだけでぷるるんと美味しいスイーツになるやつとアイスを沢山仕入れてきた」
「あ、休憩にソフトクリームの上だけって商品を食おう。これも一応は売り物だが一部はおやつに」
「ああ、ソフトクリームっていいよね」
カナタもソフトクリームが好きみたいだな。
やはりソフトクリーム人気は強い。
「店にソフトクリームの機械を置くことも考えたけどメンテが面倒かもしれないから、もう商品の
ソフトクリーム型のやつと上だけを買ってきた」
「じゃあ、そろそろ休憩にして、それを食べましょうよ!」
ミレナはもう待てができない状態だった。
「じゃあそろそろ一旦休憩にするか」
休憩時間にソフトクリームの上だけの物を食べた。
「ショータ、これは売らなくていいわ」
ミレナが真剣な顔をして言った。
「なんでだ? まさか不味いのか?」
「美味しい。売ったら私の食べる分が失くなるじゃないの」
「……また買って来てやるから」
「でもぉ」
「翔太、これって夏以外も置いてる商品だったかな?」
「知らん、無ければそれまでだけど」
「やだぁ~、やっぱり売るのはやめましょうよぉ」
「子供か?」
「可哀想だから売るのは止めてあげたら?
今回はプルルンチェと大容量ファミリー向けのボックスタイプのアイスもあるんだし」
甘えた口調で駄々をこねるミレナにカナタが助け舟をだしてやってた。
「カナタ、貴方はなかなかいいやつね」
「まったく、しょうがないな」
俺はカナタが早くこの環境に慣れる為にも彼がせっかく同僚のミレナの味方をした今、顔を立てておくことにした。
しかしジェラルドがボソリと呟いた。
「狐女とは……かくも食い意地がはっていて強欲か……」
「エルフだってトンビ相手にエビサンドを死守していたじゃないの!」
「自分の食事を守るのは当然だろ」
「フン!」
あれば確かにガチめに狙われてたからな。
仕方ないと言えるだろう。
ともあれ、今日も賑やかな休憩時間だった。
その間にミラはラッキーの背中に乗ったまま、棚の側面を雑巾で拭いてくれている。
なんだあれ、健気でかわいいな。
「カナタ、これなんだ? やけにキラキラしたセロファンみたいな紙? 花束でも包むのか?」
「オーロラフィルムのやつだね。花束もいいけどクッション材にしようかと、ほら、最初から細かく細くカットしてるのも、コチラにあるよ。
ワインや香水瓶みたいな物が割れないようにするんだ。見た目も華やかだし、女性はキラキラしたものが好きだし」
カナタはサンプル画像をわざわざ保存してくれていたのか、手持ちのスマホで見せてくれた。
「凄い映えるな、流石だ! 開けた瞬間キラキラの虹色系でワクワクする! SSR確定演出みたいだ!」
「光沢のある布の方が高級感はあるけど、たまにはいいんじゃないかな」
「へー、ホントに凄くキラキラしてて綺麗ね」
ミレナの目も釘付けだな。
女性はやはり光り物が好きな人が多いようだ。
姉貴もカラスの心が騒ぐと言ってはキラキラした物を集めていた。
「それと、雑貨屋にズラリと女性の下着を置くと贈り物を買いに来た男性客が困るだろうから、下着のポラロイド写真を撮ってこのファイルに入れて、女性に下着カタログですって見せて、これがいいって言われたらレジ奥から出してくるスタイルはどうかな? あ、下着の袋か箱にはシールか付箋で目印を」
ファイルやシールを100均で買っておいてくれたようだ。
「なるほど、確かにそれはいいな。しかしいつの間にかポラロイドカメラも持っていたのか、便利だな」
「パソコンとプリンターでのプリントアウトのがコストは安く済むとは思うけど、今回は仕入れの為の移動に忙しかったから、念の為にポラロイドカメラを買わせてもらったよ」
「カフェではツーショット写真が撮れるな」
「あ、ジェラルドさんと!? ソレはいいね」
「は? ツーショットだ?」
開封作業をしていたジェラルドが自分の名前を聞いて顔を上げた。
「こういう写真だよ」
俺はサンプルとしてスマホにあった推しとのツーショット写真を見せたが、ジェラルドの反応は
「知らんやつと一緒にこのような枠に納まりたいとは思わないが」
「それは確かにそうか。写真は商材だけにしよう」
「本人が嫌なら仕方ないね」
カナタもツーショット写真は諦めたようだ。
他にもカナタが仕入れできた物を袋から出して確認していく。
「このガラスっぽいクリアカラーツリーも綺麗だな! クリスマスに飾るやつか?」
「店の装飾にキラキラしたのを置くといいかなって雑貨屋で買ってきたよ。ところでこちらにもクリスマスがあるの?」
「冬のお祭りくらいならあるんじゃないか? こちらにも」
「冬には星祭りがあるわよ」
「星祭りか、いいな、きれいな響きで」
「まるで氷でできた木みたいね」
「じゃあ冬の飾りに取っておくか? 夏に飾っても涼しげでいいかなとも思うが」
「じゃあとりあえず飾っておこうか、涼しげで綺麗だし」
開封作業も意外な物が入っていて、なかなかおもしろかった。
「カフェの方は今回は目玉商品はあるのか?」
「俺達が楽する為の弁当と、ミルクと混ぜるだけでぷるるんと美味しいスイーツになるやつとアイスを沢山仕入れてきた」
「あ、休憩にソフトクリームの上だけって商品を食おう。これも一応は売り物だが一部はおやつに」
「ああ、ソフトクリームっていいよね」
カナタもソフトクリームが好きみたいだな。
やはりソフトクリーム人気は強い。
「店にソフトクリームの機械を置くことも考えたけどメンテが面倒かもしれないから、もう商品の
ソフトクリーム型のやつと上だけを買ってきた」
「じゃあ、そろそろ休憩にして、それを食べましょうよ!」
ミレナはもう待てができない状態だった。
「じゃあそろそろ一旦休憩にするか」
休憩時間にソフトクリームの上だけの物を食べた。
「ショータ、これは売らなくていいわ」
ミレナが真剣な顔をして言った。
「なんでだ? まさか不味いのか?」
「美味しい。売ったら私の食べる分が失くなるじゃないの」
「……また買って来てやるから」
「でもぉ」
「翔太、これって夏以外も置いてる商品だったかな?」
「知らん、無ければそれまでだけど」
「やだぁ~、やっぱり売るのはやめましょうよぉ」
「子供か?」
「可哀想だから売るのは止めてあげたら?
今回はプルルンチェと大容量ファミリー向けのボックスタイプのアイスもあるんだし」
甘えた口調で駄々をこねるミレナにカナタが助け舟をだしてやってた。
「カナタ、貴方はなかなかいいやつね」
「まったく、しょうがないな」
俺はカナタが早くこの環境に慣れる為にも彼がせっかく同僚のミレナの味方をした今、顔を立てておくことにした。
しかしジェラルドがボソリと呟いた。
「狐女とは……かくも食い意地がはっていて強欲か……」
「エルフだってトンビ相手にエビサンドを死守していたじゃないの!」
「自分の食事を守るのは当然だろ」
「フン!」
あれば確かにガチめに狙われてたからな。
仕方ないと言えるだろう。
ともあれ、今日も賑やかな休憩時間だった。
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