82 / 111
82 レヴィーノ
しおりを挟む
俺達は短期旅行として、モンサンミッシェルみたいな島にある、古い神殿に向かう事になった。
潮が引いてる時に道が現れて渡れるって場所だ。
今の時期、ちょうどタイミングがいいらしい!
あと、島の名前はレヴィーノなんだってさ。
「新入りのドールのフェリはどうするの? 連れてくの?」
「相変わらず人前では動かないのでトートバッグに入れて連れて行くよ。一人でお留守番も寂しいだろうし」
「ふーん」
またも船の護衛をジェラルドとミレナが冒険者として引き受けて、伯爵領の外まで大きな船で白波を立てながら数日間、海路を進んだ。
大きな船を降りてから、最寄りの漁村の船着き場に降り立った。
そして海辺の撮影や食事などをしながら浜辺で潮が引くのを待った。
* * *
……ファンタスティック!
これが見たかった!!
俺は再びカメラを構えた!
「出て来た! 道だ!!」
「渡るなら今がチャンスだな!!」
「ワフ!!」
「行くわよ」
そして海龍を祀る神殿のある島にたどり着いた。徒歩で。
「っしゃあ! 上陸!」
「陸を歩いて来たけど……」
ミレナにツッコまれた。
「普段はあそこ海の中じゃないか。細けーことはいいんだよ」
「まあ、いいけどね」
俺は廃墟となっている白い神殿を見上げた。
「それより本当に人がいないせいで神殿も崩れて廃墟だな。十分絵になるけど」
「廃墟でも魔力の残滓はあるようだぞ」
「ほんとか、ジェラルド! じゃあミラの充電を試みてみよう」
俺はどこにミラを座らせるかキョロキョロと周囲を見渡した。
「そのへんで大人しくしていればいいですか?」
ミラは祈りの場のような、場所を指差した。
眼の前に海龍の像がある。
「そうだな、もらうだけでは申しわけないし、お供えもしようか、海龍って普段は何を食べてるんだろう」
「海にいるなら海の生物だろう」
「そういやそうだな。でも逆にたまには山の幸とか食べたいとかないかな? 茸とか青い鹿の肉も実はまだある」
「いいんじゃないか? サメだって肉が落ちてくれば食うからな」
そういや種類にもよるが鮫は人間も襲うよな。
食料として。
シャチだってアザラシを食ったりするし。
怖いなぁー、鮫や魔物に遭遇しませんように!
結局、俺は祭壇に肉、果物、ビールを置くことにした。
「このビールの白い泡が白波のようで美しいから気に入る可能性がある!」
「こじつけじゃないの、でもそのビールは確かに美味しかったから、そう悪くもないかもね」
神様系は御酒が好きだからな!
* *
しばらく撮影大会をした。
白い海鳥と青い海と夏空と廃神殿がマジで映えるなぁ。
「ミレナ、そこに立ってくれ。
おお、いい風が吹いてるし、白い海鳥が飛んでていい映像が撮れる」
「風が強いんだけど~」
ミレナの長いキツネ色の髪が海風に吹かれて乱れた。
しばらく撮影しまくってから、軽食を食べることにした。
チキンとサンドイッチを食べよう。
俺は魔法の風呂敷からキャンプセットを取り出し、廃神殿にテーブルと椅子を設置した。
俺は魔法の風呂敷にサンドイッチとフライドチキンをバスケットに入れて来ていたのだ。
飲み物はビールとジュース。
三人で美味しくサンドイッチやチキンを食べていたのだが、急に、バサッ!! っと飛来した鳥に俺のハムサンドが奪われた!!
「ああっ! あれはトンビ!?」
「ワン!!」
「あはは! ショータはやっぱりどんくさいわね、トンビに食べ物を奪われて」
ミレナがクスクス笑ってる。
「俺はこのエビフライサンドを決して奪わせはしない、トンビなんぞに」
何故かかっこよいようでそうでもないセリフを吐き、ジェラルドはトンビを警戒しつつエビフライサンドを死守していた。
「ゆ、油断した!」
俺はハムサンドを奪われた無念を吐露しているが、
「気をつけなさいよ~」
ミレナは相変わらず楽しそうに笑っている。
機嫌がいいなら良かった。
「あ! ミラが!!」
違うトンビがお供えの食べ物を守るミラの方に向かった!!
「これはお前達、トンビ用じゃありませんよ!」
ミラは糸を張り巡らせてお供え物を守っていた。
え、えらい。
けど、充電をするつもりが逆に魔力を使ってしまった。
ドーム状に囲った糸にはばまれ、あげくラッキーに吠え立てられて、トンビもお供え物を諦めたようだった。
「でも今回はミラも防戦一方だったわね、トンビに気を使ったの?」
「トンビくらい殺ろうとすれば可能ですが、ここは神殿なので一応流血沙汰を避けました」
「えらーい、かしこーい」
俺はミラの聡明さを讃えた。
「なるほど、トンビよりここが神殿だから遠慮したのね」
ミレナはコンビニのたまごサンドをもっきゅもっきゅと食べながらも感心していた。
「でも、結局食べ物を置きっぱなしだと腐ったりするし、鳥にやった方がいいんだろうか。
墓参りだと、帰りに回収しないとカラスとかが荒らすからお供え物の食べ物とかは持ち帰れって言われているが」
「じゃあこうしましょう」
ミレナがいつの間にか縁ったのか、赤い顔をしつつビールを手にして、海龍の像の大きな口の中にビールをダバァ!! しやがった。
「ああっ! やりやがった、こいつ!」
ジェラルドが呆れた顔をした。
「ほらぁ! これで海龍もビール飲めたわよ!」
「そ、そうだよな、悪気は無いんです!
飲ませてさしあげただけなんで、許してください」
俺は一応、海龍の像に謝った。
でも酒好きだった故人の墓に酒をかけて飲ませてやるってやり方は地球にもあったから、セーフだと思いたい。
「さらにビールに合うチキンをお口に入れて差し上げますわぁ」
「ああっ! また!」
ミレナは追加でチキンも海龍像の口に入れてしまったのだ。
「ミレナ、海龍の口が汚れるから、それは後で回収するだんぞ」
「可哀想よーちゃんと食べさせてあげないと~」
「駄目だ、この狐女は酔っている」
「御口を拭きます」
ミラはややして、ミレナが突っ込んだチキンを取り出してウェットティッシュで口の中を丁寧に拭いた。
「せっかく口の中が美味しかっただろうに、拭くのぉ~?」
「しかしキレイにしとかないと、像は」
「もう味わったんじゃないかと思いますので」
俺とミラでくだを巻くミレナを宥めた。
帰りはミレナが酔っていたので、ジェラルドにトートバッグごとフェリを預け、俺がミレナを背負って本来は海の道、砂浜を歩いて漁村に帰った。
お供え物は、そういえば回収を忘れた。
ミレナが酔っていて焦ったからだ。
腐らないといいけど、夏だし、やや心配。
いや、多分トンビあたりが食うだろう。
ところでミレナを背負って砂浜を歩いたので、俺の腰が死んだ。
それで仕方なく貴重なエリクサーを一口飲んでしまったんだが、わりと美味しかったし、腰は復活した。
潮が引いてる時に道が現れて渡れるって場所だ。
今の時期、ちょうどタイミングがいいらしい!
あと、島の名前はレヴィーノなんだってさ。
「新入りのドールのフェリはどうするの? 連れてくの?」
「相変わらず人前では動かないのでトートバッグに入れて連れて行くよ。一人でお留守番も寂しいだろうし」
「ふーん」
またも船の護衛をジェラルドとミレナが冒険者として引き受けて、伯爵領の外まで大きな船で白波を立てながら数日間、海路を進んだ。
大きな船を降りてから、最寄りの漁村の船着き場に降り立った。
そして海辺の撮影や食事などをしながら浜辺で潮が引くのを待った。
* * *
……ファンタスティック!
これが見たかった!!
俺は再びカメラを構えた!
「出て来た! 道だ!!」
「渡るなら今がチャンスだな!!」
「ワフ!!」
「行くわよ」
そして海龍を祀る神殿のある島にたどり着いた。徒歩で。
「っしゃあ! 上陸!」
「陸を歩いて来たけど……」
ミレナにツッコまれた。
「普段はあそこ海の中じゃないか。細けーことはいいんだよ」
「まあ、いいけどね」
俺は廃墟となっている白い神殿を見上げた。
「それより本当に人がいないせいで神殿も崩れて廃墟だな。十分絵になるけど」
「廃墟でも魔力の残滓はあるようだぞ」
「ほんとか、ジェラルド! じゃあミラの充電を試みてみよう」
俺はどこにミラを座らせるかキョロキョロと周囲を見渡した。
「そのへんで大人しくしていればいいですか?」
ミラは祈りの場のような、場所を指差した。
眼の前に海龍の像がある。
「そうだな、もらうだけでは申しわけないし、お供えもしようか、海龍って普段は何を食べてるんだろう」
「海にいるなら海の生物だろう」
「そういやそうだな。でも逆にたまには山の幸とか食べたいとかないかな? 茸とか青い鹿の肉も実はまだある」
「いいんじゃないか? サメだって肉が落ちてくれば食うからな」
そういや種類にもよるが鮫は人間も襲うよな。
食料として。
シャチだってアザラシを食ったりするし。
怖いなぁー、鮫や魔物に遭遇しませんように!
結局、俺は祭壇に肉、果物、ビールを置くことにした。
「このビールの白い泡が白波のようで美しいから気に入る可能性がある!」
「こじつけじゃないの、でもそのビールは確かに美味しかったから、そう悪くもないかもね」
神様系は御酒が好きだからな!
* *
しばらく撮影大会をした。
白い海鳥と青い海と夏空と廃神殿がマジで映えるなぁ。
「ミレナ、そこに立ってくれ。
おお、いい風が吹いてるし、白い海鳥が飛んでていい映像が撮れる」
「風が強いんだけど~」
ミレナの長いキツネ色の髪が海風に吹かれて乱れた。
しばらく撮影しまくってから、軽食を食べることにした。
チキンとサンドイッチを食べよう。
俺は魔法の風呂敷からキャンプセットを取り出し、廃神殿にテーブルと椅子を設置した。
俺は魔法の風呂敷にサンドイッチとフライドチキンをバスケットに入れて来ていたのだ。
飲み物はビールとジュース。
三人で美味しくサンドイッチやチキンを食べていたのだが、急に、バサッ!! っと飛来した鳥に俺のハムサンドが奪われた!!
「ああっ! あれはトンビ!?」
「ワン!!」
「あはは! ショータはやっぱりどんくさいわね、トンビに食べ物を奪われて」
ミレナがクスクス笑ってる。
「俺はこのエビフライサンドを決して奪わせはしない、トンビなんぞに」
何故かかっこよいようでそうでもないセリフを吐き、ジェラルドはトンビを警戒しつつエビフライサンドを死守していた。
「ゆ、油断した!」
俺はハムサンドを奪われた無念を吐露しているが、
「気をつけなさいよ~」
ミレナは相変わらず楽しそうに笑っている。
機嫌がいいなら良かった。
「あ! ミラが!!」
違うトンビがお供えの食べ物を守るミラの方に向かった!!
「これはお前達、トンビ用じゃありませんよ!」
ミラは糸を張り巡らせてお供え物を守っていた。
え、えらい。
けど、充電をするつもりが逆に魔力を使ってしまった。
ドーム状に囲った糸にはばまれ、あげくラッキーに吠え立てられて、トンビもお供え物を諦めたようだった。
「でも今回はミラも防戦一方だったわね、トンビに気を使ったの?」
「トンビくらい殺ろうとすれば可能ですが、ここは神殿なので一応流血沙汰を避けました」
「えらーい、かしこーい」
俺はミラの聡明さを讃えた。
「なるほど、トンビよりここが神殿だから遠慮したのね」
ミレナはコンビニのたまごサンドをもっきゅもっきゅと食べながらも感心していた。
「でも、結局食べ物を置きっぱなしだと腐ったりするし、鳥にやった方がいいんだろうか。
墓参りだと、帰りに回収しないとカラスとかが荒らすからお供え物の食べ物とかは持ち帰れって言われているが」
「じゃあこうしましょう」
ミレナがいつの間にか縁ったのか、赤い顔をしつつビールを手にして、海龍の像の大きな口の中にビールをダバァ!! しやがった。
「ああっ! やりやがった、こいつ!」
ジェラルドが呆れた顔をした。
「ほらぁ! これで海龍もビール飲めたわよ!」
「そ、そうだよな、悪気は無いんです!
飲ませてさしあげただけなんで、許してください」
俺は一応、海龍の像に謝った。
でも酒好きだった故人の墓に酒をかけて飲ませてやるってやり方は地球にもあったから、セーフだと思いたい。
「さらにビールに合うチキンをお口に入れて差し上げますわぁ」
「ああっ! また!」
ミレナは追加でチキンも海龍像の口に入れてしまったのだ。
「ミレナ、海龍の口が汚れるから、それは後で回収するだんぞ」
「可哀想よーちゃんと食べさせてあげないと~」
「駄目だ、この狐女は酔っている」
「御口を拭きます」
ミラはややして、ミレナが突っ込んだチキンを取り出してウェットティッシュで口の中を丁寧に拭いた。
「せっかく口の中が美味しかっただろうに、拭くのぉ~?」
「しかしキレイにしとかないと、像は」
「もう味わったんじゃないかと思いますので」
俺とミラでくだを巻くミレナを宥めた。
帰りはミレナが酔っていたので、ジェラルドにトートバッグごとフェリを預け、俺がミレナを背負って本来は海の道、砂浜を歩いて漁村に帰った。
お供え物は、そういえば回収を忘れた。
ミレナが酔っていて焦ったからだ。
腐らないといいけど、夏だし、やや心配。
いや、多分トンビあたりが食うだろう。
ところでミレナを背負って砂浜を歩いたので、俺の腰が死んだ。
それで仕方なく貴重なエリクサーを一口飲んでしまったんだが、わりと美味しかったし、腰は復活した。
1
お気に入りに追加
206
あなたにおすすめの小説

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる