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54 通信グッズ
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スマホの代わりの通信グッズとして、何か魔道具を生み出せるかな?
あんまり魔力を大量消費するものは難しい。
魔法使いではない俺ではチャージができない。
ソーラーパワーで充電ならともかく。
しかし軍事利用とかはされたくないので一目で違和感を与えるものはだめだな。
やはり装身具か、イヤーカフとか?
ぶらぶら動くやつは恥ずかしいし、苦手だ。
自分でつけるなら固定系。
でも男の俺が顔周りにアクセサリーをつけるのはハードルが高いな。
一見御守りに見えるブレスレット的なのにしようか。
はたから見たらブレスレットに話しかける変なおじさんになるかもしれんが。
それか魔法の伝書鳩。
でもミラも魔力使ったらチャージがいるからな。
わざわざ今回は神殿に来たし。
ジェラルドの木の家でもいいんだが、わざわざその度に移動するのもな、そもそも人のいや、エルフの家だ。
友達とはいえ毎回コンセント貸してくださいみたいに頼られるのはうざいだろう。
親しき仲にも礼儀ありだよな。
うちの姉が毎回鎮痛剤やら生理用ナプキンたかってくる知り合いがいて超うざい、こっちも金をかけて自分の為に用意してる物なんだから自分で買えって愚痴ってたし。
本人に直接言うと角が立つから俺に愚痴ってたのだろう。
日本に戻ったら鎮痛剤も多少買っておくか、女性は毎月大変だしな。
人によっては眠くなるだけの人もいるらしいけど、顔色が真っ青になるくらいお腹が痛くなる重い子もいるっぽいし。
腰痛になる人もいるらしいし。
漫画や小説や姉の情報によるとだが。
そこまで腹痛酷いなら日本なら婦人科に行って診察してもらえと言えるが、こちらの世界だと医者か治癒魔法目当てに神殿かって、話になるんだろうか。
どちらも裕福ではない平民には辛いとこだな。
「ショータ、さっきから何を考え込んでいるんだ?」
今の俺は居酒屋兼宿屋で食事中だった!
ちなみに犬のラッキーを店内に連れ込みにくいので俺達も外のテラス席である。
店内の賑やかな喧騒も漏れて聞こえているが、俺はそんな中でも考え事をしていた。
「伝書鳩のように離れた所にいる相手に連絡するものはどんなものがいいか悩んでいたんだ。あと次に仕入れて来るものの事とか」
「鳩は可愛いぞ」
「でもか弱い鳩は仕事途中で猛禽類とかに襲われたりしないかなって心配になったりしないか?」
「それはそうだが、いちいちそんな事故を気にしていてもな」
「まあ、それはそうだな。でも手軽に使える道具のほうがいいかなって、せめて仲間内で使えるやつでもって、ブレスレットなら重ねて使う人もいるし」
「ブレスレットの魔導具にするのか?」
「顔周りのアクセサリーよりは男でも抵抗が少なくて済むかと」
「ちょっと、ショータ、とりあえず早く食べないと料理が冷めるわよ」
ミレナがママのように注意してきた。
しかし、もっともだと思った。
「それもそうだな」
魚介のスープと黄色いサフランライスのピラフのようなものを食べていたのだ。
ピラフのお米の中にグリーンピースやら海老やらが見える。
どちらも美味しい。
魚介の出汁の力は偉大だ。
俺は食事の後に寝室でこっそり例の帳面を開いてブレスレットを描いてみることにした。
ソーラーパワー充電可能の通信道具として。
四角い石が真ん中にあって、それが太陽光を吸収するようにデザインした。
俺達三人とドールのミラの分も。
ミラの分は小さめに描いた。
隣で俺の作業を静かに見守ってきたミラが「あっ」と、小さな声を漏らした。
「気がついたか? ミラの分もちゃんとあるぞ」
「嬉しいです」
ミラは嬉しそうに微笑んだ。
可愛い。
翌朝二人に早速通信グッズのブレスレットをプレゼントした。
「おお、凄いな。本当にできたとは」
「デザインもまぁまぁね!」
「マスターのデザインはエレガントです」
「ありがとう、ミラ」
「早速離れた場所で通話できるか試してみよう」
ジェラルドがそう言うと、
「じゃあショータは足が遅いからそこにいていいわ!」
そう言ってミレナがいの一番にブレスレットを腕にはめて走り出した。
流石シーフ! 素早い!
「俺も移動……いや、俺までショータに話しかけて三人が同時に喋る状態になると理由が分からなくなりそうだから、ひとまずミレナとショータが離れても通話できるか見守るか」
「分かった」
しばらくして俺のブレスレットの石が光りだした。
そこを3回擦ると受話器を取るように通話可能になるシステムだから、俺は3回石を擦った。
『私だけど、聴こえる!?』
『ああ、ちゃんとミレナの声が聴こえるよ』
『凄いわ! 本当に聴こえた!』
「どうやら成功のようだな、おめでとう、ショータ」
「ありがとう、ジェラルド!」
「おめでとうございます、マスター」
「ああ! ミラもありがとうな!」
『さて、今日の朝食はどこで食べる?』
『店の料理に飽きたから公園でいいからショータの料理を食べたいわ』
『あー、そうか、じゃあまたランタン祭りがあった公園で待ち合わせな』
今、ミレナがどこにいるか知らんが、そこまで遠くじゃないだろうし。
『分かったわ! 人魚の像の近くね!』
まるで女の子とデートの待ち合わせの約束をするかのような会話をしてしまったので、耳のあたりがなんかこそばゆい感じがした。
あんまり魔力を大量消費するものは難しい。
魔法使いではない俺ではチャージができない。
ソーラーパワーで充電ならともかく。
しかし軍事利用とかはされたくないので一目で違和感を与えるものはだめだな。
やはり装身具か、イヤーカフとか?
ぶらぶら動くやつは恥ずかしいし、苦手だ。
自分でつけるなら固定系。
でも男の俺が顔周りにアクセサリーをつけるのはハードルが高いな。
一見御守りに見えるブレスレット的なのにしようか。
はたから見たらブレスレットに話しかける変なおじさんになるかもしれんが。
それか魔法の伝書鳩。
でもミラも魔力使ったらチャージがいるからな。
わざわざ今回は神殿に来たし。
ジェラルドの木の家でもいいんだが、わざわざその度に移動するのもな、そもそも人のいや、エルフの家だ。
友達とはいえ毎回コンセント貸してくださいみたいに頼られるのはうざいだろう。
親しき仲にも礼儀ありだよな。
うちの姉が毎回鎮痛剤やら生理用ナプキンたかってくる知り合いがいて超うざい、こっちも金をかけて自分の為に用意してる物なんだから自分で買えって愚痴ってたし。
本人に直接言うと角が立つから俺に愚痴ってたのだろう。
日本に戻ったら鎮痛剤も多少買っておくか、女性は毎月大変だしな。
人によっては眠くなるだけの人もいるらしいけど、顔色が真っ青になるくらいお腹が痛くなる重い子もいるっぽいし。
腰痛になる人もいるらしいし。
漫画や小説や姉の情報によるとだが。
そこまで腹痛酷いなら日本なら婦人科に行って診察してもらえと言えるが、こちらの世界だと医者か治癒魔法目当てに神殿かって、話になるんだろうか。
どちらも裕福ではない平民には辛いとこだな。
「ショータ、さっきから何を考え込んでいるんだ?」
今の俺は居酒屋兼宿屋で食事中だった!
ちなみに犬のラッキーを店内に連れ込みにくいので俺達も外のテラス席である。
店内の賑やかな喧騒も漏れて聞こえているが、俺はそんな中でも考え事をしていた。
「伝書鳩のように離れた所にいる相手に連絡するものはどんなものがいいか悩んでいたんだ。あと次に仕入れて来るものの事とか」
「鳩は可愛いぞ」
「でもか弱い鳩は仕事途中で猛禽類とかに襲われたりしないかなって心配になったりしないか?」
「それはそうだが、いちいちそんな事故を気にしていてもな」
「まあ、それはそうだな。でも手軽に使える道具のほうがいいかなって、せめて仲間内で使えるやつでもって、ブレスレットなら重ねて使う人もいるし」
「ブレスレットの魔導具にするのか?」
「顔周りのアクセサリーよりは男でも抵抗が少なくて済むかと」
「ちょっと、ショータ、とりあえず早く食べないと料理が冷めるわよ」
ミレナがママのように注意してきた。
しかし、もっともだと思った。
「それもそうだな」
魚介のスープと黄色いサフランライスのピラフのようなものを食べていたのだ。
ピラフのお米の中にグリーンピースやら海老やらが見える。
どちらも美味しい。
魚介の出汁の力は偉大だ。
俺は食事の後に寝室でこっそり例の帳面を開いてブレスレットを描いてみることにした。
ソーラーパワー充電可能の通信道具として。
四角い石が真ん中にあって、それが太陽光を吸収するようにデザインした。
俺達三人とドールのミラの分も。
ミラの分は小さめに描いた。
隣で俺の作業を静かに見守ってきたミラが「あっ」と、小さな声を漏らした。
「気がついたか? ミラの分もちゃんとあるぞ」
「嬉しいです」
ミラは嬉しそうに微笑んだ。
可愛い。
翌朝二人に早速通信グッズのブレスレットをプレゼントした。
「おお、凄いな。本当にできたとは」
「デザインもまぁまぁね!」
「マスターのデザインはエレガントです」
「ありがとう、ミラ」
「早速離れた場所で通話できるか試してみよう」
ジェラルドがそう言うと、
「じゃあショータは足が遅いからそこにいていいわ!」
そう言ってミレナがいの一番にブレスレットを腕にはめて走り出した。
流石シーフ! 素早い!
「俺も移動……いや、俺までショータに話しかけて三人が同時に喋る状態になると理由が分からなくなりそうだから、ひとまずミレナとショータが離れても通話できるか見守るか」
「分かった」
しばらくして俺のブレスレットの石が光りだした。
そこを3回擦ると受話器を取るように通話可能になるシステムだから、俺は3回石を擦った。
『私だけど、聴こえる!?』
『ああ、ちゃんとミレナの声が聴こえるよ』
『凄いわ! 本当に聴こえた!』
「どうやら成功のようだな、おめでとう、ショータ」
「ありがとう、ジェラルド!」
「おめでとうございます、マスター」
「ああ! ミラもありがとうな!」
『さて、今日の朝食はどこで食べる?』
『店の料理に飽きたから公園でいいからショータの料理を食べたいわ』
『あー、そうか、じゃあまたランタン祭りがあった公園で待ち合わせな』
今、ミレナがどこにいるか知らんが、そこまで遠くじゃないだろうし。
『分かったわ! 人魚の像の近くね!』
まるで女の子とデートの待ち合わせの約束をするかのような会話をしてしまったので、耳のあたりがなんかこそばゆい感じがした。
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