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49 海底神殿
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俺達はウミウシのような生物に乗って、海底都市の門をくぐった。
透明な半球ドーム状の結界内にその都市はある。
上を見上げると魚の泳ぐ海の景色なのでとても幻想的だ。
「海底都市へようこそ」
出迎えの人にちょいとお訊ねしよう。
「私達は神殿に行きたいのですが」
「あの白い建物を目指してください」
「ありがとうございます」
一際高く白い建物が神殿らしい。
「あそこまでこの不思議生物が乗せてってくれるのかな?」
「そのようだ」
親切な生き物だ。
まず神殿を目指して、ミラの魔力回復だ。
神殿までの道中、地上の植え込みのごとき役割をしているサンゴや、カマクラのように丸い家らしきものや、巨大サザエのような家もあって大変メルヘンな町並みだった。
撮影などしながらも俺達は神殿に着いた。
大きな海神様の神像も建っているのが見えた。
ポセイドンのように三つ又の武器も持っている。
思わず頭を下げ、お邪魔しますと小声で挨拶をした。
神社の入口のシーサーや狛犬のように美しい人魚の像も入口の左右に建っていた。
神殿の貢ぎ物スペースにお賽銭代わりに果物を置いた。
りんごとオレンジと奮発してシャイ◯マスカット。
そして膝をついてお祈りした。
ミラの魔力が速やかに回復しますように。
無事に家に帰れますように。
そんな願いを。
ジェラルドが休憩場所のような場所を見つけて指指した。
「あそこの人魚の水場に足を浸してはどうだ」
髪を櫛でとく姿の二人の人魚の像と人工的な小さな水場のようなものがあった。
白い石で囲われてて綺麗だ。
「ん? あれは足湯みたいな?」
「お湯では無いがミラの魔力回復に」
「ちょっと足先濡らす程度なら多分大丈夫かな」
俺はズボンの裾を捲りあげ、泉の端っこに腰掛けて足を水に浸しつつ、ショートパンツ姿のミラの両ワキを抱えて足裏数ミリくらいだけ浸けてみた。
猫を捕獲しているみたいな構図だ。
「ショータ、普通に水に浸けたらどうなの?」
「関節にゴムを繋ぐ金具があるから水で錆びないようにしてるんだよ」
「そうなの? 大変なのね」
「ショータ、腕が疲れたら俺が持つのを変わってやるぞ」
「ありがとう、でも股で体を挟んで固定も有りな気がしてきた、ミラ、俺の足で挟んでもいいかな?」
「はい」
「おっと、その前に音楽でもかけようかな、ただ座ってるだけだと暇だし」
俺はMP3プレイヤーでしばし綺麗めな音楽を流した。
「これってなんの曲?」
「女性がハープを奏でている愛と平和を願う曲」
「ふーん」
一瞬神殿だからゴスペルにしようかと思ったけど違う神を称える曲はNGかもしれないから。
ミラを足で支えつつソーダ味の棒アイスを魔法のカバンから出し、三人で食った。
「甘くてなんとなく爽やかな味がするわ」
「この青綺麗だな」
「ソーダ味のアイスだよ」
ちょっと他の観光客や神殿の巫女達に奇異な目で見られたけど、き、気にしない!!
ここでアイスを食べてはいけませんとか看板や注意書きはないし、やめろと言われたらやめるし!
しばらくして、
「回復しました」
と、ミラが自己申告してきたので移動することにした。
「ありがとうございました!」
最期に海神像にお礼を言って飯とホテルを探すことにした。
ふと目に入ったのはヴィーナス誕生の絵に出てくるみたいな巨大なアコヤ貝らしきもの。
「ミレナ、あそこに立ってみないか?」
「なんで?」
「じゃあ座るとか」
「だからなんでよ」
「そうすると美しい気がするから」
「やらない」
俺は一瞬ガッカリしたが、ひとまずミラを貝の中におろしてみた。
「お、やっぱりかわいい! ここ絶好の撮影スポットだよ!」
短パンとかのリアルクローズよりドレスを着せておけばよかったな! と思いつつ撮影した。
ジェラルドが優しくほほえみながら言った。
「ショータ、満足か?」
「うん!」
「ねえ、とりあえずお食事所と今晩泊まる場所探しでしょ!」
「ああ、ん、あそこに宿屋の看板がある! あの宿にひとまず部屋が空いているか聞いてみよう」
薄紫色の藤の花に似た植物が建物を飾るオシャレな宿屋を見つけた。
どうせなら綺麗で映えるとこに泊まって撮影もしたい。
俺はミラをトートバッグに入れて宿に向かった。
店の受付の人に訊いてみる。
「三名ですが、部屋は空いてますか?」
「ベッド一つの部屋とベッド二つの一部屋ずつなら空いてますよ」
「ジェラルド、俺と同じ部屋でかまわないか?」
「ああ、構わん」
「じゃあその二部屋で」
ミレナがやや不服そうな顔をしているが、女の子は同じ部屋にできないから仕方ないだろ。
わりと寂しがりだよな。
カウンターの受付さんから鍵を受け取ってそれぞれの部屋をひとまず見に行くことにした。
部屋を見たら特に問題もなくいい部屋だった。
「じゃあ宿も確保できたし、今度は食事処を探すか」
ジェラルドが窓の外を見ながらそう言った。
「よし、そうしよう、ジェラルドは前にも来たことがあるならおすすとかある?」
「遊び場が近くにあるところがいいならその近くのレストランにでも」
「遊び場ってどんな?」
「大きなハスの花に似たものに乗って、水面を移動する、何故かは知らんがくるくる回る」
遊園地のコーヒーカップに似たものか?
「ちょっと見た目が気になるからそこに行ってみるか」
ミレナと合流して、遊び場近くのレストランに向かったのだが、巨大な蓮の花に似たものが浮かぶ池は極楽浄土のような景色だった。
ファンタスティック!!
蓮?の池を眺めながら食事が出来るレストランにて食事をすることにした。
注文したのはイカやタコの串焼にロブスターの塩焼き。
そしてツミレのような団子入りの汁物。
「この汁物も魚介の味がよく出てて美味しい」
「やはり海老だな」
ジェラルドは大きなロブスターが、お気に入りだった。
さもありなん。
ミレナは美味しそうにイカ焼きにかぶりついている。
俺はどれも美味しかった。
食後にコーヒーカップならぬハスカップに乗ってぐるぐる回った。
緩やかな回転で助かった。
激しかったら吐くかもしれなかった。
面白い景色なので撮影も捗った。
お土産売りの売店にセクシーな踊り子の衣装があった。
鯛やヒラメの舞い踊りより、やはり女の子にこういう衣装で舞って欲しいよなぁ。
赤い衣装と青い衣装のどちらにするか真剣に悩んでいた。
「ショータ、それ、買うの?」
ミレナがこっちを凝視してた!
なんか怖いぞ!
「君はあっちで違うお土産を見ていなさい」
オブジェやアクセサリー系のスペースへ誘導しようとしたが、
「私が何を見ようと勝手でしょ」
「う、それは確かに!」
「どうした、ショータ、何を悩んでる?」
「あ、ジェラルド。この踊り子の衣装、赤と青のどっちを買おうかと」
「悩むなら両方買えばいいんじゃないか? 完売したから売上げもあるだろ?」
確かに!!
「じゃあ両方買う」
俺は踊り子の衣装を抱えてそそくさと会計へ向かったが、背中にミレナの視線が突き刺さる!
俺は日本に帰ってから売り物を作る必要があるから!
夜職のおねーさんに着て貰って撮影するんだよ!
これも仕事ですから!
透明な半球ドーム状の結界内にその都市はある。
上を見上げると魚の泳ぐ海の景色なのでとても幻想的だ。
「海底都市へようこそ」
出迎えの人にちょいとお訊ねしよう。
「私達は神殿に行きたいのですが」
「あの白い建物を目指してください」
「ありがとうございます」
一際高く白い建物が神殿らしい。
「あそこまでこの不思議生物が乗せてってくれるのかな?」
「そのようだ」
親切な生き物だ。
まず神殿を目指して、ミラの魔力回復だ。
神殿までの道中、地上の植え込みのごとき役割をしているサンゴや、カマクラのように丸い家らしきものや、巨大サザエのような家もあって大変メルヘンな町並みだった。
撮影などしながらも俺達は神殿に着いた。
大きな海神様の神像も建っているのが見えた。
ポセイドンのように三つ又の武器も持っている。
思わず頭を下げ、お邪魔しますと小声で挨拶をした。
神社の入口のシーサーや狛犬のように美しい人魚の像も入口の左右に建っていた。
神殿の貢ぎ物スペースにお賽銭代わりに果物を置いた。
りんごとオレンジと奮発してシャイ◯マスカット。
そして膝をついてお祈りした。
ミラの魔力が速やかに回復しますように。
無事に家に帰れますように。
そんな願いを。
ジェラルドが休憩場所のような場所を見つけて指指した。
「あそこの人魚の水場に足を浸してはどうだ」
髪を櫛でとく姿の二人の人魚の像と人工的な小さな水場のようなものがあった。
白い石で囲われてて綺麗だ。
「ん? あれは足湯みたいな?」
「お湯では無いがミラの魔力回復に」
「ちょっと足先濡らす程度なら多分大丈夫かな」
俺はズボンの裾を捲りあげ、泉の端っこに腰掛けて足を水に浸しつつ、ショートパンツ姿のミラの両ワキを抱えて足裏数ミリくらいだけ浸けてみた。
猫を捕獲しているみたいな構図だ。
「ショータ、普通に水に浸けたらどうなの?」
「関節にゴムを繋ぐ金具があるから水で錆びないようにしてるんだよ」
「そうなの? 大変なのね」
「ショータ、腕が疲れたら俺が持つのを変わってやるぞ」
「ありがとう、でも股で体を挟んで固定も有りな気がしてきた、ミラ、俺の足で挟んでもいいかな?」
「はい」
「おっと、その前に音楽でもかけようかな、ただ座ってるだけだと暇だし」
俺はMP3プレイヤーでしばし綺麗めな音楽を流した。
「これってなんの曲?」
「女性がハープを奏でている愛と平和を願う曲」
「ふーん」
一瞬神殿だからゴスペルにしようかと思ったけど違う神を称える曲はNGかもしれないから。
ミラを足で支えつつソーダ味の棒アイスを魔法のカバンから出し、三人で食った。
「甘くてなんとなく爽やかな味がするわ」
「この青綺麗だな」
「ソーダ味のアイスだよ」
ちょっと他の観光客や神殿の巫女達に奇異な目で見られたけど、き、気にしない!!
ここでアイスを食べてはいけませんとか看板や注意書きはないし、やめろと言われたらやめるし!
しばらくして、
「回復しました」
と、ミラが自己申告してきたので移動することにした。
「ありがとうございました!」
最期に海神像にお礼を言って飯とホテルを探すことにした。
ふと目に入ったのはヴィーナス誕生の絵に出てくるみたいな巨大なアコヤ貝らしきもの。
「ミレナ、あそこに立ってみないか?」
「なんで?」
「じゃあ座るとか」
「だからなんでよ」
「そうすると美しい気がするから」
「やらない」
俺は一瞬ガッカリしたが、ひとまずミラを貝の中におろしてみた。
「お、やっぱりかわいい! ここ絶好の撮影スポットだよ!」
短パンとかのリアルクローズよりドレスを着せておけばよかったな! と思いつつ撮影した。
ジェラルドが優しくほほえみながら言った。
「ショータ、満足か?」
「うん!」
「ねえ、とりあえずお食事所と今晩泊まる場所探しでしょ!」
「ああ、ん、あそこに宿屋の看板がある! あの宿にひとまず部屋が空いているか聞いてみよう」
薄紫色の藤の花に似た植物が建物を飾るオシャレな宿屋を見つけた。
どうせなら綺麗で映えるとこに泊まって撮影もしたい。
俺はミラをトートバッグに入れて宿に向かった。
店の受付の人に訊いてみる。
「三名ですが、部屋は空いてますか?」
「ベッド一つの部屋とベッド二つの一部屋ずつなら空いてますよ」
「ジェラルド、俺と同じ部屋でかまわないか?」
「ああ、構わん」
「じゃあその二部屋で」
ミレナがやや不服そうな顔をしているが、女の子は同じ部屋にできないから仕方ないだろ。
わりと寂しがりだよな。
カウンターの受付さんから鍵を受け取ってそれぞれの部屋をひとまず見に行くことにした。
部屋を見たら特に問題もなくいい部屋だった。
「じゃあ宿も確保できたし、今度は食事処を探すか」
ジェラルドが窓の外を見ながらそう言った。
「よし、そうしよう、ジェラルドは前にも来たことがあるならおすすとかある?」
「遊び場が近くにあるところがいいならその近くのレストランにでも」
「遊び場ってどんな?」
「大きなハスの花に似たものに乗って、水面を移動する、何故かは知らんがくるくる回る」
遊園地のコーヒーカップに似たものか?
「ちょっと見た目が気になるからそこに行ってみるか」
ミレナと合流して、遊び場近くのレストランに向かったのだが、巨大な蓮の花に似たものが浮かぶ池は極楽浄土のような景色だった。
ファンタスティック!!
蓮?の池を眺めながら食事が出来るレストランにて食事をすることにした。
注文したのはイカやタコの串焼にロブスターの塩焼き。
そしてツミレのような団子入りの汁物。
「この汁物も魚介の味がよく出てて美味しい」
「やはり海老だな」
ジェラルドは大きなロブスターが、お気に入りだった。
さもありなん。
ミレナは美味しそうにイカ焼きにかぶりついている。
俺はどれも美味しかった。
食後にコーヒーカップならぬハスカップに乗ってぐるぐる回った。
緩やかな回転で助かった。
激しかったら吐くかもしれなかった。
面白い景色なので撮影も捗った。
お土産売りの売店にセクシーな踊り子の衣装があった。
鯛やヒラメの舞い踊りより、やはり女の子にこういう衣装で舞って欲しいよなぁ。
赤い衣装と青い衣装のどちらにするか真剣に悩んでいた。
「ショータ、それ、買うの?」
ミレナがこっちを凝視してた!
なんか怖いぞ!
「君はあっちで違うお土産を見ていなさい」
オブジェやアクセサリー系のスペースへ誘導しようとしたが、
「私が何を見ようと勝手でしょ」
「う、それは確かに!」
「どうした、ショータ、何を悩んでる?」
「あ、ジェラルド。この踊り子の衣装、赤と青のどっちを買おうかと」
「悩むなら両方買えばいいんじゃないか? 完売したから売上げもあるだろ?」
確かに!!
「じゃあ両方買う」
俺は踊り子の衣装を抱えてそそくさと会計へ向かったが、背中にミレナの視線が突き刺さる!
俺は日本に帰ってから売り物を作る必要があるから!
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これも仕事ですから!
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