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34 店名と看板デザイン
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冷やし中華を掃除を頑張った皆と食べる訳だが、俺が箸を使ってるせいか、皆も箸で食べようとしてる。
「無理せずフォークやスプーンを使ってもいいんですよ」
「こうか、こうだな! 俺はようやく覚えた!」
「おお、ジェラルド流石だ、箸を覚えたか」
「わ、私だって!」
ミレナも負けず嫌いなのか、ぎこちないけどなんとか使っている。
「うーん、持ち方はこれであっているかしら?」
「はい、お上手です、マイラさん」
初老の御婦人の名前はマイラさんだった。
「よし、これで……」
「うん、そんな感じで大丈夫だよ、箸は使いこなせると便利だから」
掃除手伝いの少年も箸をマスターしようと頑張ってる。
「まあ、このパン柔らかい上にとても美味しいわ」
「この麺のソースもなかなか」
「野菜も新鮮ね」
「どれも美味しいです!」
美味しいらしい、良かった。
掃除がある程度終わったとこで昼の三時、おやつに休憩がてらレモネードとクッキーを出して美味しくいただいた後に謝礼金を払ってお帰りいただく流れとなる。
「沢山のご馳走と、御依頼ありがとうございました!」
しっかりした少年だ。
「お掃除の仕事ならまたいつでも呼んでくださいねぇ」
「はい、お疲れ様でした」
俺達は三人で玄関先まで出て見送った。
そして家のリビングへ戻り、ソファに座ってまったりしながら思い出す。
そういや店名と看板はどうするかな。絵は自分で描けるが、何を描くか。
先に店名を考えればいいのか、映えるモチーフなぁ。
エルフとか羽ペンとカフェらしくティーカップ? でも上は雑貨屋さんだ。
大樹から移動するなら、葉っぱとか、あるいは満月に移動するから……
スケッチブックにシャープペンシルと消しゴムでイメージ画のラフを色々描いていく。
あ、黒板みたいなのも今度買って店の入口付近に飾って置こう。
再びリビングに来たミレナが俺の絵を覗き込んできた。
「なんでエルフの横顔を描いてるのよ」
「店の看板デザインを考えているんだ」
「なんでエルフなのよ」
「え、エルフのジェラルドが手伝ってくれるし、エルフは美形で見映えがいいから?」
ミレナも店を手伝うのに狐の要素がなくてむくれているのか?
では狐の要素をプラスするか。
サラサラとあるものを描き足す俺。
「ちょっと何よソレ!」
「エルフの横顔の絵に狐の襟巻きを足した」
「狩られてるじゃないのよ!!」
「お前の尻尾という訳じゃないよ、狐のだが」
「くっ、あはは! 狐の襟巻きか!」
いつの間にかジェラルドも戻ってきて、絵を見て笑ってる。
ミレナが無言で俺の耳を引っぱる。
地味に痛い。
「分かった、雑貨屋さんの方のデザインを狐のなんかにするから怒るなって!」
仕方ないから分ける!
「狐のなんかって何よ!」
「狐のカチューシャにフリルリボン!」
「カチューシャ?」
「ヒューマンに狐の耳は無いけどカチューシャがあれば狐の耳を装備できる」
「?」
ミレナは首を傾げた。
「あなたもうちの商品で狐族の女性のように美しく魅力的になれますという意味をこめて! このようなデザインにしようと思う!」
「ふん、それなら悪くないわね」
ミレナはまんざらでもないという顔をした。
やれやれ、なんとか怒りはおさまったようで、俺の耳を引っ張るのを止めてくれた。
「ショータ、本当に雑貨屋のデザインはそれでいいのか?」
「カフェがエルフと満月だし」
「ソレで店名は?」
「カフェがルーナ ピエーナで雑貨屋がフォックスリボンにでもしようかな」
ルーナ ピエーナはイタリア語の満月だ。 満月に仕入れるから。
「どういう意味なの?」
「ルーナ ピエーナが異国のことばで満月。フォックスリボンは狐族の美女の美しさ、そしてリボンが結ぶものだから、美しくなれるみたいな意味で」
「それならいいわ」
俺の店の名前なのに何故か上からのミレナだった。
「あ、これ、渡しておくな」
「これなに? 先日のお手拭きの湿ってたやつに似てるけど」
「とても柔らかい紙だな」
「ティッシュだ、ちょっと手や口元が汚れた時とかに使える、鼻水出た時も、ハンカチと違って使い捨てできるからな」
「使い……捨て」
ミレナはティッシュの臭いを嗅ぎながら復唱した。
「ほお、こんなに薄く柔らかく紙を作るとは」
俺は二人に一人二箱ティッシュを部屋に備え置く用に渡した。
たかがティッシュで貴族みたいだと喜んでくれてかわいいな。
日本ならポケットティッシュを駅前でも配ってるよ。
「あ、雑貨店に置く用の在庫も潤沢に用意しないとな」
販売用の箱ティッシュを。
エレガントなフリルのティッシュケースつければいけるだろ。
「無理せずフォークやスプーンを使ってもいいんですよ」
「こうか、こうだな! 俺はようやく覚えた!」
「おお、ジェラルド流石だ、箸を覚えたか」
「わ、私だって!」
ミレナも負けず嫌いなのか、ぎこちないけどなんとか使っている。
「うーん、持ち方はこれであっているかしら?」
「はい、お上手です、マイラさん」
初老の御婦人の名前はマイラさんだった。
「よし、これで……」
「うん、そんな感じで大丈夫だよ、箸は使いこなせると便利だから」
掃除手伝いの少年も箸をマスターしようと頑張ってる。
「まあ、このパン柔らかい上にとても美味しいわ」
「この麺のソースもなかなか」
「野菜も新鮮ね」
「どれも美味しいです!」
美味しいらしい、良かった。
掃除がある程度終わったとこで昼の三時、おやつに休憩がてらレモネードとクッキーを出して美味しくいただいた後に謝礼金を払ってお帰りいただく流れとなる。
「沢山のご馳走と、御依頼ありがとうございました!」
しっかりした少年だ。
「お掃除の仕事ならまたいつでも呼んでくださいねぇ」
「はい、お疲れ様でした」
俺達は三人で玄関先まで出て見送った。
そして家のリビングへ戻り、ソファに座ってまったりしながら思い出す。
そういや店名と看板はどうするかな。絵は自分で描けるが、何を描くか。
先に店名を考えればいいのか、映えるモチーフなぁ。
エルフとか羽ペンとカフェらしくティーカップ? でも上は雑貨屋さんだ。
大樹から移動するなら、葉っぱとか、あるいは満月に移動するから……
スケッチブックにシャープペンシルと消しゴムでイメージ画のラフを色々描いていく。
あ、黒板みたいなのも今度買って店の入口付近に飾って置こう。
再びリビングに来たミレナが俺の絵を覗き込んできた。
「なんでエルフの横顔を描いてるのよ」
「店の看板デザインを考えているんだ」
「なんでエルフなのよ」
「え、エルフのジェラルドが手伝ってくれるし、エルフは美形で見映えがいいから?」
ミレナも店を手伝うのに狐の要素がなくてむくれているのか?
では狐の要素をプラスするか。
サラサラとあるものを描き足す俺。
「ちょっと何よソレ!」
「エルフの横顔の絵に狐の襟巻きを足した」
「狩られてるじゃないのよ!!」
「お前の尻尾という訳じゃないよ、狐のだが」
「くっ、あはは! 狐の襟巻きか!」
いつの間にかジェラルドも戻ってきて、絵を見て笑ってる。
ミレナが無言で俺の耳を引っぱる。
地味に痛い。
「分かった、雑貨屋さんの方のデザインを狐のなんかにするから怒るなって!」
仕方ないから分ける!
「狐のなんかって何よ!」
「狐のカチューシャにフリルリボン!」
「カチューシャ?」
「ヒューマンに狐の耳は無いけどカチューシャがあれば狐の耳を装備できる」
「?」
ミレナは首を傾げた。
「あなたもうちの商品で狐族の女性のように美しく魅力的になれますという意味をこめて! このようなデザインにしようと思う!」
「ふん、それなら悪くないわね」
ミレナはまんざらでもないという顔をした。
やれやれ、なんとか怒りはおさまったようで、俺の耳を引っ張るのを止めてくれた。
「ショータ、本当に雑貨屋のデザインはそれでいいのか?」
「カフェがエルフと満月だし」
「ソレで店名は?」
「カフェがルーナ ピエーナで雑貨屋がフォックスリボンにでもしようかな」
ルーナ ピエーナはイタリア語の満月だ。 満月に仕入れるから。
「どういう意味なの?」
「ルーナ ピエーナが異国のことばで満月。フォックスリボンは狐族の美女の美しさ、そしてリボンが結ぶものだから、美しくなれるみたいな意味で」
「それならいいわ」
俺の店の名前なのに何故か上からのミレナだった。
「あ、これ、渡しておくな」
「これなに? 先日のお手拭きの湿ってたやつに似てるけど」
「とても柔らかい紙だな」
「ティッシュだ、ちょっと手や口元が汚れた時とかに使える、鼻水出た時も、ハンカチと違って使い捨てできるからな」
「使い……捨て」
ミレナはティッシュの臭いを嗅ぎながら復唱した。
「ほお、こんなに薄く柔らかく紙を作るとは」
俺は二人に一人二箱ティッシュを部屋に備え置く用に渡した。
たかがティッシュで貴族みたいだと喜んでくれてかわいいな。
日本ならポケットティッシュを駅前でも配ってるよ。
「あ、雑貨店に置く用の在庫も潤沢に用意しないとな」
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