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焼き芋とお蕎麦。
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紗耶香ちゃんはあと、レベル10上がればマニキュアが買える。
私らも鍛えに行かないとね。
って事で、森へ修行に来た。
リックさんとは焼き芋やるって約束してたので、ついてきて貰った。
リックさんは今回もラウルさんを呼んでくれてた。
何故かって言うと、我々が新人のくせして、敵を匂いでおびき出すとか言うから、心配して来てくれたらしい。
そうだよね、普通に無謀だって思うよね。
川の側で焼き芋をすることになった。
かなりここならそこそこ周囲も見渡せる。
私達は落ち葉を集めてアルミホイルで焼き芋を包み、落ち葉の中に投入した。
これから火を点ける。
「焼き芋を焼くので、周囲の警戒をお願いします」
こんなに緊張感がある焼きが、かつてあっただろうか?
「浅い場所ならそんな凄い敵が出たりはしないと聞いたので、イケると思ったんで」
「そうは言うがな、たとえゴブリンクラスでも数が多いと大変なんだぞ」
「そうですが、敵を探して回るのも時間かかるなって」
「魔獣狩りってそれが普通だぞ」
コウタは先輩冒険者と一緒にそんなトークをしつつも、集めた落ち葉達が燃えていく。
火の消火用の水も、川がそばにあるので、まあ、大丈夫でしょう。
草の上じゃなくて土や砂利の上だし。
「ところで、その銀色の紙は何なんだ?」
リックさんが当然のように聞いて来た。
やばい。
アルミホイルはコウタのスキルで買ったものだけど、ラウルさんにまで、聞かれた。
俺も気になっていた、と。
なんとかごまかそうと、私は口を開いた。
「アルミホイルって言って、料理に使えます。
とある錬金術師の作品なんですよ~~」
と、言う事にしておいた。
「へえ~、凄いな」
納得してくれた。
良かった。
そうして、敵襲もないまま、焼き芋は無事に焼けた。
「焼けました! 食べましょう! 周囲の警戒はしつつ!」
「おう!」
「ヤッター! 焼き芋! テンアゲ!」
紗耶香ちゃんもテンション上がってる。
「これは……甘い! そして美味い!」
リックさんが最初に驚きの声を上げた。
次にラウルさん。
「こんなに甘い芋は初めて食べたな!」
「ああ、驚いた!」
我々は森の中で、美味い、美味いと、ホクホクで温かく、ねっとり甘い焼き芋を堪能した。
食物繊維を摂取した!
「甘いのの次に、お蕎麦をどうぞ」
「この細い紐みたいなのを黒い汁につけて食べるのか?」
「はい」
我々は大丈夫ですよ!のアピールで先に食べて見せた。
美味しい。
薬味はネギときざみ海苔と、生姜。
竹の器やコップが早速役に立った。
「む、こっちも美味いな」
「ああ、美味すぎて戦闘訓練どころかピクニックに来たみたいだ」
「食べたら、その後は頑張りましょう!」
「ああ、そうだな」
ライ君がさっと麺つゆの入ったコップを地面に置きながら言った。
「何か来ます、上です」
私も慌てて蕎麦を食べ終えた。
元々今日は早食い気味だった。
来た! 本当に上から!
ぎゃー! 巨大トンボが二匹飛んで来た!
「よりによって虫系じゃん! 最悪なんですケド!」
「ムカデより若干マシ!」
「ホントにマシ!? 飛んでるけど!」
「見た目の話!」
私と紗耶香ちゃんがキャーキャー騒いでいる間も、男性陣は、ちゃんと巨大トンボに攻撃をしている。
襲って来た所を各日に返り討ちにしている。
大きな羽根が切り落とされ、地に落ちる。
「ほら! 水木さん! カナデ! トドメ!」
見れば男性陣が巨大トンボの胴体を足で踏みつけて、もはやトドメ待ちの状態になってた。
「キャーッ!! マジごめん!」
沙耶香ちゃんは叫びながら斧でトンボの頭部の付け根を攻撃!
私もナタで首?を攻撃!
「頭取れた!」
怖い! 自分でやったけど!
「ピロロン!」
沙耶香ちゃんが自分の口でそう言った。
つまり、レベルは上がったんだね!
トドメ刺しの美味しいとこだけありがたく貰ってしまったけど!
私の方は……今回は鳴らなかった。
レベルが低い方が上がりやすいとかが、多分有る。
私は最近クレリックのジョブがついたばかりだし、こんなもんだろう。
コツコツ積み重ねでまたそのうち上がると思う。
私らも鍛えに行かないとね。
って事で、森へ修行に来た。
リックさんとは焼き芋やるって約束してたので、ついてきて貰った。
リックさんは今回もラウルさんを呼んでくれてた。
何故かって言うと、我々が新人のくせして、敵を匂いでおびき出すとか言うから、心配して来てくれたらしい。
そうだよね、普通に無謀だって思うよね。
川の側で焼き芋をすることになった。
かなりここならそこそこ周囲も見渡せる。
私達は落ち葉を集めてアルミホイルで焼き芋を包み、落ち葉の中に投入した。
これから火を点ける。
「焼き芋を焼くので、周囲の警戒をお願いします」
こんなに緊張感がある焼きが、かつてあっただろうか?
「浅い場所ならそんな凄い敵が出たりはしないと聞いたので、イケると思ったんで」
「そうは言うがな、たとえゴブリンクラスでも数が多いと大変なんだぞ」
「そうですが、敵を探して回るのも時間かかるなって」
「魔獣狩りってそれが普通だぞ」
コウタは先輩冒険者と一緒にそんなトークをしつつも、集めた落ち葉達が燃えていく。
火の消火用の水も、川がそばにあるので、まあ、大丈夫でしょう。
草の上じゃなくて土や砂利の上だし。
「ところで、その銀色の紙は何なんだ?」
リックさんが当然のように聞いて来た。
やばい。
アルミホイルはコウタのスキルで買ったものだけど、ラウルさんにまで、聞かれた。
俺も気になっていた、と。
なんとかごまかそうと、私は口を開いた。
「アルミホイルって言って、料理に使えます。
とある錬金術師の作品なんですよ~~」
と、言う事にしておいた。
「へえ~、凄いな」
納得してくれた。
良かった。
そうして、敵襲もないまま、焼き芋は無事に焼けた。
「焼けました! 食べましょう! 周囲の警戒はしつつ!」
「おう!」
「ヤッター! 焼き芋! テンアゲ!」
紗耶香ちゃんもテンション上がってる。
「これは……甘い! そして美味い!」
リックさんが最初に驚きの声を上げた。
次にラウルさん。
「こんなに甘い芋は初めて食べたな!」
「ああ、驚いた!」
我々は森の中で、美味い、美味いと、ホクホクで温かく、ねっとり甘い焼き芋を堪能した。
食物繊維を摂取した!
「甘いのの次に、お蕎麦をどうぞ」
「この細い紐みたいなのを黒い汁につけて食べるのか?」
「はい」
我々は大丈夫ですよ!のアピールで先に食べて見せた。
美味しい。
薬味はネギときざみ海苔と、生姜。
竹の器やコップが早速役に立った。
「む、こっちも美味いな」
「ああ、美味すぎて戦闘訓練どころかピクニックに来たみたいだ」
「食べたら、その後は頑張りましょう!」
「ああ、そうだな」
ライ君がさっと麺つゆの入ったコップを地面に置きながら言った。
「何か来ます、上です」
私も慌てて蕎麦を食べ終えた。
元々今日は早食い気味だった。
来た! 本当に上から!
ぎゃー! 巨大トンボが二匹飛んで来た!
「よりによって虫系じゃん! 最悪なんですケド!」
「ムカデより若干マシ!」
「ホントにマシ!? 飛んでるけど!」
「見た目の話!」
私と紗耶香ちゃんがキャーキャー騒いでいる間も、男性陣は、ちゃんと巨大トンボに攻撃をしている。
襲って来た所を各日に返り討ちにしている。
大きな羽根が切り落とされ、地に落ちる。
「ほら! 水木さん! カナデ! トドメ!」
見れば男性陣が巨大トンボの胴体を足で踏みつけて、もはやトドメ待ちの状態になってた。
「キャーッ!! マジごめん!」
沙耶香ちゃんは叫びながら斧でトンボの頭部の付け根を攻撃!
私もナタで首?を攻撃!
「頭取れた!」
怖い! 自分でやったけど!
「ピロロン!」
沙耶香ちゃんが自分の口でそう言った。
つまり、レベルは上がったんだね!
トドメ刺しの美味しいとこだけありがたく貰ってしまったけど!
私の方は……今回は鳴らなかった。
レベルが低い方が上がりやすいとかが、多分有る。
私は最近クレリックのジョブがついたばかりだし、こんなもんだろう。
コツコツ積み重ねでまたそのうち上がると思う。
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