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休日。
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「休日だ────っ!!」
休日だと急に元気になるコウタ。
服屋の後、一日飯屋をやって、本日、ついに休日が来たのだ。
「イエーイ!!」
紗耶香ちゃんもテンション高い。
「おはよう世界」
私は窓を開けて朝一の新鮮な空気を入れた。
「奏もそうとう嬉しいんだな、世界に挨拶かよ」
地味に浮かれているのがバレた。
「今日は何する?」
「まず、朝飯だ。メニューはナメコそっくりなヌルコのお味噌汁に、だし巻き卵、白飯に焼き鮭」
「ウケる。やっと変な名前のキノコ出て来た」
「朝からかなりご機嫌な朝食出て来た」
「一応聞くが、味噌汁で一番好きな具材は?」
「私はワカメと豆腐。次にアオサ」
「サヤもワカメと豆腐かな~~」
「分かった、今回はヌルコの収穫がたまたまあったから入れたけど、次は豆腐とワカメな。奏のスキルなら買えるだろう」
「分かった、今度買っておく。コウタが朝から料理してくれたから、お昼はなんか私が作ろうか?」
「休日だし、外に出るなら買い食いでも良いぞ。買い物がしたかったんだろ?」
「そうだった! 買い物したかった!」
「美味しいパン屋とかないかな?
こっちのが硬いパンばっかりならいっそコータ君が買って来てくれたパイみたいなやつの方がいいかもね」
「ねー、さりげ山の方、紅葉してんね?」
窓から見える山の色は、確かに黄色や赤に色付いている。
「紅葉見ながらお弁当食べるのも悪くないな」
「山のちょい手前の林くらいなら魔物も出ないかも」
「街でピクニックバスケットに入れていける食べ物探そうか。
無ければサンドイッチでも作れば良いし」
「そだね」
「ああ」
私の提案に二人とも了承してくれたので、早速お出かけをする。
私達は徒歩で家の近くにあった公園内を通る。
「あ、ここでも少し紅葉見れるね」
「なかなかいい感じの公園が近くにあったんだな」
いつもの市場ではなく、今日は家の近くにある公園に来た。
藁のような物で出来たレンタル椅子がある。
それを銅貨1枚で貸してる人がいて、借りて座りつつ、詩人が朝から詩を詠んでいたり、王都のニュース等を話する人がいて、そういうのを聞いているみたい。
ほーん、TVが無い世界だからああいうのがあるんだ。
紗耶香ちゃんが屋台に目を止めた。
「あ、あの屋台、煙が上がってる。あれ、食べ物屋っぽい」
「見てみるか」
近くに行ってみた。
「ソーセージとパンを売ってるっぽい、あれを挟めばホットドッグになるじゃん、買おうよ」
「じゃ、あそこのお店は紗耶香ちゃんが行くと良いよ」
「おけ」
紗耶香ちゃんが小走りで買いに行った。
私は路上でゴザを敷いて野菜売りをしてるおばあちゃんを見つけた。
「ね、あそこの路上のお店、おばあちゃんがレタス売ってる。
リーフレタスっぽいからホットドッグに良さそう。
私はレタスを買って来るね」
「ああ」
私はコウタに断って、ホットドッグ用のレタスを買いに行った。
私と紗耶香ちゃんは買い物を終え、もう一度コウタの元に集まった。
コウタは椅子を借りずに立ったまま、噺家のお話を聴いていたようだった。
「ところで二人とも、ケチャップは既にあるけど、マスタードはいる?
スキルで買った方がいい?」
「俺はマスタードは無くてもいけるから、節約で諦めてもいい」
「サヤもケチャマヨが有ればマスタードは無くても良いよ」
「じゃあ、今回は節約でマスタードなしね。で、どうする? このまま公園でささやかな紅葉見る? 林まで行く?」
「せっかくだし、林まで行こうよ。またキノコくらい見つかるかもだし」
「そうだな、せっかく鑑定眼が有るんだし」
私達はひとまずパンとソーセージとレタスをバスケットに入れて、林へ向かった。
「お! よもぎっぽい見た目の薬草発見!」
「どんな効能?」
「切り傷とか止血に使えるんだって。殺菌作用も有り。摘んで行こう」
「あ、こっちは胃腸の働きを助ける薬草だって! 胃薬じゃん!
せっかくだし、摘んでいこ」
ふと、私はトゲトゲした見覚えのある植物が落ちてるのを発見した。
「って、あれ、どう見ても栗では!? 拾おう!」
「やったねカナデっち! ちょい遠出した甲斐があった」
「栗ご飯と焼き栗どっちが良いかな?」
コウタが栗を靴で踏み、ナイフを使って栗の中身だけを取り出しながら訊いて来た。
「両方でいいじゃない!」
「そうだな! じゃあ沢山拾おう!」
「りょ! てか、あのゴミ拾いで使う、あのでかいトングみたいなの欲しい」
栗はトゲトゲしてるから、確かに紗耶香ちゃんの言うとおり、トングが欲しい。
「ゴミ拾いトングは安いのが150円位で買えるから、3つ買っとくか?
服や化粧品がちゃんと売れたし」
「そうだね」
コウタはスキルでゴミ拾いトングを購入して、我々はせっせと栗拾いと薬草摘みを頑張った。
そこには収穫の喜びがあった。
「食べ物はホットドッグがあるけど、飲み物はどうする?」
「牛乳を温めて飲むのはどうだ? 栄養も有るし、けっこう腹持ちしそうだ」
「いいね」
「サヤもそれで良いよ」
コウタはアイテムボックスから焼き鳥用に買ったバーベキューセットを出して、網の上で片手鍋を使い、ホットミルクを作った。
私はアイテムボックスから敷き布を出して敷き、その上で紗耶香ちゃんとホットドッグを作った。
コウタは商人さんの家から木製のコップとお皿もアイテムボックスに入れて持って来ていた。
「ちょっとの間、借りておこう、自分達用の食器は今度市場で買えばいい」
「おけ」
「木製の器って何気に可愛いよね」
「逆にね、SNSのオシャンな写真でもよく見たし」
木製食器には金属や陶器より、見た目に温かみがある気がする。
私達は紅葉を見ながら、まずホットミルクを味わった。
優しい甘さでほっとする味だ。
次にホットドッグをそれぞれ一本ずつ食べた。
ミルクも飲んだおかげで、お腹はなかなかに満たされた。
栗は殻を剥く必要が有るので、家に帰ってから処理する事にした。
休日だと急に元気になるコウタ。
服屋の後、一日飯屋をやって、本日、ついに休日が来たのだ。
「イエーイ!!」
紗耶香ちゃんもテンション高い。
「おはよう世界」
私は窓を開けて朝一の新鮮な空気を入れた。
「奏もそうとう嬉しいんだな、世界に挨拶かよ」
地味に浮かれているのがバレた。
「今日は何する?」
「まず、朝飯だ。メニューはナメコそっくりなヌルコのお味噌汁に、だし巻き卵、白飯に焼き鮭」
「ウケる。やっと変な名前のキノコ出て来た」
「朝からかなりご機嫌な朝食出て来た」
「一応聞くが、味噌汁で一番好きな具材は?」
「私はワカメと豆腐。次にアオサ」
「サヤもワカメと豆腐かな~~」
「分かった、今回はヌルコの収穫がたまたまあったから入れたけど、次は豆腐とワカメな。奏のスキルなら買えるだろう」
「分かった、今度買っておく。コウタが朝から料理してくれたから、お昼はなんか私が作ろうか?」
「休日だし、外に出るなら買い食いでも良いぞ。買い物がしたかったんだろ?」
「そうだった! 買い物したかった!」
「美味しいパン屋とかないかな?
こっちのが硬いパンばっかりならいっそコータ君が買って来てくれたパイみたいなやつの方がいいかもね」
「ねー、さりげ山の方、紅葉してんね?」
窓から見える山の色は、確かに黄色や赤に色付いている。
「紅葉見ながらお弁当食べるのも悪くないな」
「山のちょい手前の林くらいなら魔物も出ないかも」
「街でピクニックバスケットに入れていける食べ物探そうか。
無ければサンドイッチでも作れば良いし」
「そだね」
「ああ」
私の提案に二人とも了承してくれたので、早速お出かけをする。
私達は徒歩で家の近くにあった公園内を通る。
「あ、ここでも少し紅葉見れるね」
「なかなかいい感じの公園が近くにあったんだな」
いつもの市場ではなく、今日は家の近くにある公園に来た。
藁のような物で出来たレンタル椅子がある。
それを銅貨1枚で貸してる人がいて、借りて座りつつ、詩人が朝から詩を詠んでいたり、王都のニュース等を話する人がいて、そういうのを聞いているみたい。
ほーん、TVが無い世界だからああいうのがあるんだ。
紗耶香ちゃんが屋台に目を止めた。
「あ、あの屋台、煙が上がってる。あれ、食べ物屋っぽい」
「見てみるか」
近くに行ってみた。
「ソーセージとパンを売ってるっぽい、あれを挟めばホットドッグになるじゃん、買おうよ」
「じゃ、あそこのお店は紗耶香ちゃんが行くと良いよ」
「おけ」
紗耶香ちゃんが小走りで買いに行った。
私は路上でゴザを敷いて野菜売りをしてるおばあちゃんを見つけた。
「ね、あそこの路上のお店、おばあちゃんがレタス売ってる。
リーフレタスっぽいからホットドッグに良さそう。
私はレタスを買って来るね」
「ああ」
私はコウタに断って、ホットドッグ用のレタスを買いに行った。
私と紗耶香ちゃんは買い物を終え、もう一度コウタの元に集まった。
コウタは椅子を借りずに立ったまま、噺家のお話を聴いていたようだった。
「ところで二人とも、ケチャップは既にあるけど、マスタードはいる?
スキルで買った方がいい?」
「俺はマスタードは無くてもいけるから、節約で諦めてもいい」
「サヤもケチャマヨが有ればマスタードは無くても良いよ」
「じゃあ、今回は節約でマスタードなしね。で、どうする? このまま公園でささやかな紅葉見る? 林まで行く?」
「せっかくだし、林まで行こうよ。またキノコくらい見つかるかもだし」
「そうだな、せっかく鑑定眼が有るんだし」
私達はひとまずパンとソーセージとレタスをバスケットに入れて、林へ向かった。
「お! よもぎっぽい見た目の薬草発見!」
「どんな効能?」
「切り傷とか止血に使えるんだって。殺菌作用も有り。摘んで行こう」
「あ、こっちは胃腸の働きを助ける薬草だって! 胃薬じゃん!
せっかくだし、摘んでいこ」
ふと、私はトゲトゲした見覚えのある植物が落ちてるのを発見した。
「って、あれ、どう見ても栗では!? 拾おう!」
「やったねカナデっち! ちょい遠出した甲斐があった」
「栗ご飯と焼き栗どっちが良いかな?」
コウタが栗を靴で踏み、ナイフを使って栗の中身だけを取り出しながら訊いて来た。
「両方でいいじゃない!」
「そうだな! じゃあ沢山拾おう!」
「りょ! てか、あのゴミ拾いで使う、あのでかいトングみたいなの欲しい」
栗はトゲトゲしてるから、確かに紗耶香ちゃんの言うとおり、トングが欲しい。
「ゴミ拾いトングは安いのが150円位で買えるから、3つ買っとくか?
服や化粧品がちゃんと売れたし」
「そうだね」
コウタはスキルでゴミ拾いトングを購入して、我々はせっせと栗拾いと薬草摘みを頑張った。
そこには収穫の喜びがあった。
「食べ物はホットドッグがあるけど、飲み物はどうする?」
「牛乳を温めて飲むのはどうだ? 栄養も有るし、けっこう腹持ちしそうだ」
「いいね」
「サヤもそれで良いよ」
コウタはアイテムボックスから焼き鳥用に買ったバーベキューセットを出して、網の上で片手鍋を使い、ホットミルクを作った。
私はアイテムボックスから敷き布を出して敷き、その上で紗耶香ちゃんとホットドッグを作った。
コウタは商人さんの家から木製のコップとお皿もアイテムボックスに入れて持って来ていた。
「ちょっとの間、借りておこう、自分達用の食器は今度市場で買えばいい」
「おけ」
「木製の器って何気に可愛いよね」
「逆にね、SNSのオシャンな写真でもよく見たし」
木製食器には金属や陶器より、見た目に温かみがある気がする。
私達は紅葉を見ながら、まずホットミルクを味わった。
優しい甘さでほっとする味だ。
次にホットドッグをそれぞれ一本ずつ食べた。
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