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花嫁衣装
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さて、お城の料理、実食!
あ、牛肉のステーキ!! ラッキー!
人の金で焼き肉的なテンションが上がる。
付け合わせのにんじんも美味しそう!
霜降りとかじゃ無い、赤身のお肉だわ。
食べ応えが有る。
しかし、このお肉は美味しいけれど、もっと柔らかくする方法がある気がする。
ヨーグルトとかお酒に漬けるとか、パイナップルや舞茸……。
ま、いっか、自分のキッチンで今度試してみよう。
テオドール様は、まだ休まれているのか、昼食の場には来なかった。
ランチの後で、私は離れに戻った。
「サーシャ様、お帰りなさいませ。お城はどうでしたか?」
「ただいま、メイラ。図書室があって嬉しかったわ」
「あ、本は届いておりますよ」
「ありがとう」
「あ、サーシャ様、婚礼の衣装の方ですが、準備は万全でしょうか?
足りない物など、ございますか?」
私の持参した荷物が少なかったせいか、メイラが気を使って聞いて来てくれた。
「あ、実家がどうせすぐに死ぬんだと思ったのか、古びたドレスしか用意してくれなかったので、微妙なのだけど、辺境伯は許してくださるかしら?」
「え!? 閣下は奥様のご実家に十分な支度金をお送りしたかと」
ジェイデン卿が驚いている。
「親が着服しました、申し訳ありません」
「は!?」
確かには!? って言いたくなるよね。
私は荷物の中から古びたドレスを出した。
「あ! ベールが破けている。
これは不味いわね。
急いで……飾りで誤魔化す為には……うーん、素材を買いにまた街へ行きますか」
「待って下さい、奥様! それなら仕立て屋を呼びましょう!」
ジェイデン卿が慌てた声を出した。
「もう結婚式まで数日しかないし、一から作る時間は無いでしょう。
そもそもこれも私のサイズに合わせて買った物では無いわ。
入りはするでしょうが」
「いくら神父を呼ぶだけの参列者無しの略式でも、これは……新しいドレスを買いに行きましょう」
やはり、ダメか。
「あの、サーシャ様のお母様の着られていた花嫁衣装などは……」
「お母様のは良い品物だったので、継母がイラッとして売ってお金に変えてしまったみたい。
気がついたら、そうなっていたの」
「「な、なんて酷い……」」
二人共、セリフが被った後、絶句してしまった。
「か、買いに行きましょう、真新しい、綺麗なドレスを」
「ジェイデン卿がそこまでおっしゃるなら……確かに、見窄らしいドレスで辺境伯の隣に立つのは気が引けるものね」
「本日は荷物が積めるように、馬車に乗ってドレスショップへ行きましょう」
「あ、はい。そうだ、今日は馬車に乗るから、メイラも一緒にお出かけしない?」
「はい! 荷物持ちならお任せを!」
「荷物持ちの為に誘った訳じゃないけど、まあ、いいわ。
一緒にお出かけしましょ」
そんな訳で、ジェイデン卿は馬で馬車を護衛しつつ、同行。
メイラは私と馬車に乗って城下街へ向かった。
立派な店構えのドレスショップね……。
高級店っぽい。
ジェイデン卿が扉を開いてくれて、私は入店した。
「いらっしゃいませ」
上品なマダムっぽい人が接客に出て来た。
「本日はどのようなものをお探しですか?」
「白いドレスを」
辺境伯の妻になる人が既製品の花嫁衣装を買いに来たとは言えないので、とりあえず白いドレスと言っておいた。
「白いドレスでしたら、こちらへどうぞ」
店員さんはおすすめの白いドレスを三着ほど、目の前にトルソーに着せた状態で並べてくれた。
「これ、白い花飾りやレースが綺麗ね」
「はい、当店自慢の職人が真心を込めて制作したドレスでございます」
「じゃあ、これを買います。それと、後であちらの棚の小物も見て良いかしら?」
「はい、もちろんどうぞ。でも先にドレスを試着して下さい。サイズが合わないところはすぐに調整いたします」
「ええ、分かったわ」
「こちら、腰の部分、少し、お詰めしますね。お客様は腰が細くて素敵ですね」
「ふふ……ありがとう」
あまり食べさせて貰えないからガリなだけなんだけど。
私は笑って誤魔化した。
私は白いドレスのフィッティングを終えてから、雑貨の棚に移動した。
棚の上には小さな花飾り、綺麗なレースやリボンなんかも並べて売っている。
新しいベールを買ったら、花嫁衣装ってバレてしまう。
後で私が辺境伯の妻ってバレたら面倒な事になりかねない。
この小さな花飾りをまばらにつけて、破れを誤魔化そうかな。
「あー、そう言えば、知り合いの女性が結婚するから、結婚祝いを探しているんだった。
このレースの美しいベールを包んでくれ」
「はい、かしこまりました」
!! ジェイデン卿、まさか、私の為に代わりに!?
「……」
私の為にだったら、後でお金を払おう。
こっちに来てから、辺境伯から十分な予算を頂いてるし。
それはそれとして、この棚の雑貨は可愛いから買って行こう。
「こちらの白い花飾りとレース五種類とこのリボン全色を包んで下さい」
「はい、かしこまりました」
「あの、お靴は……」
メイラがそっと耳打ちをして来た。
「ああ、足元を忘れていたわ」
ドレスで足元はほぼ見えないからいいか~とか、思っていたわ。
ガーターストッキングと、靴も買う事にした。
「お嬢様、こちらの淡いパープルのドレスもいかがですか?
きっとお似合いかと」
私は店員のセールストークに頷いた。
そう言えば普段着るドレスも買って行こうか。
辺境伯の隣に並んでも恥ずかしくないドレスを数着買って、表に出て雑貨屋も見に行った。
お化粧品なども買っておこう……。
色々買い物をして、また馬車に乗り込んで我々はお城というか、離れに帰った。
離れに入ってから、ジェイデン卿はベールの入っている箱まで私に渡した。
やっぱり私の為だったんだ。
「ありがとうございます、お代です」
私は金貨を渡そうとしたら、断られた。
「いつも美味しい物を食べさせていただいてるお礼の贈り物ですから」
「まあ、それじゃ、また美味しい物を作ったら食べてくださいね」
「毒見ならお任せを」
あくまで臣下として、毒見と言い張るようだ。
なんだか微笑ましくて、私は笑った。
「はい、これからもよろしくね」
あ、牛肉のステーキ!! ラッキー!
人の金で焼き肉的なテンションが上がる。
付け合わせのにんじんも美味しそう!
霜降りとかじゃ無い、赤身のお肉だわ。
食べ応えが有る。
しかし、このお肉は美味しいけれど、もっと柔らかくする方法がある気がする。
ヨーグルトとかお酒に漬けるとか、パイナップルや舞茸……。
ま、いっか、自分のキッチンで今度試してみよう。
テオドール様は、まだ休まれているのか、昼食の場には来なかった。
ランチの後で、私は離れに戻った。
「サーシャ様、お帰りなさいませ。お城はどうでしたか?」
「ただいま、メイラ。図書室があって嬉しかったわ」
「あ、本は届いておりますよ」
「ありがとう」
「あ、サーシャ様、婚礼の衣装の方ですが、準備は万全でしょうか?
足りない物など、ございますか?」
私の持参した荷物が少なかったせいか、メイラが気を使って聞いて来てくれた。
「あ、実家がどうせすぐに死ぬんだと思ったのか、古びたドレスしか用意してくれなかったので、微妙なのだけど、辺境伯は許してくださるかしら?」
「え!? 閣下は奥様のご実家に十分な支度金をお送りしたかと」
ジェイデン卿が驚いている。
「親が着服しました、申し訳ありません」
「は!?」
確かには!? って言いたくなるよね。
私は荷物の中から古びたドレスを出した。
「あ! ベールが破けている。
これは不味いわね。
急いで……飾りで誤魔化す為には……うーん、素材を買いにまた街へ行きますか」
「待って下さい、奥様! それなら仕立て屋を呼びましょう!」
ジェイデン卿が慌てた声を出した。
「もう結婚式まで数日しかないし、一から作る時間は無いでしょう。
そもそもこれも私のサイズに合わせて買った物では無いわ。
入りはするでしょうが」
「いくら神父を呼ぶだけの参列者無しの略式でも、これは……新しいドレスを買いに行きましょう」
やはり、ダメか。
「あの、サーシャ様のお母様の着られていた花嫁衣装などは……」
「お母様のは良い品物だったので、継母がイラッとして売ってお金に変えてしまったみたい。
気がついたら、そうなっていたの」
「「な、なんて酷い……」」
二人共、セリフが被った後、絶句してしまった。
「か、買いに行きましょう、真新しい、綺麗なドレスを」
「ジェイデン卿がそこまでおっしゃるなら……確かに、見窄らしいドレスで辺境伯の隣に立つのは気が引けるものね」
「本日は荷物が積めるように、馬車に乗ってドレスショップへ行きましょう」
「あ、はい。そうだ、今日は馬車に乗るから、メイラも一緒にお出かけしない?」
「はい! 荷物持ちならお任せを!」
「荷物持ちの為に誘った訳じゃないけど、まあ、いいわ。
一緒にお出かけしましょ」
そんな訳で、ジェイデン卿は馬で馬車を護衛しつつ、同行。
メイラは私と馬車に乗って城下街へ向かった。
立派な店構えのドレスショップね……。
高級店っぽい。
ジェイデン卿が扉を開いてくれて、私は入店した。
「いらっしゃいませ」
上品なマダムっぽい人が接客に出て来た。
「本日はどのようなものをお探しですか?」
「白いドレスを」
辺境伯の妻になる人が既製品の花嫁衣装を買いに来たとは言えないので、とりあえず白いドレスと言っておいた。
「白いドレスでしたら、こちらへどうぞ」
店員さんはおすすめの白いドレスを三着ほど、目の前にトルソーに着せた状態で並べてくれた。
「これ、白い花飾りやレースが綺麗ね」
「はい、当店自慢の職人が真心を込めて制作したドレスでございます」
「じゃあ、これを買います。それと、後であちらの棚の小物も見て良いかしら?」
「はい、もちろんどうぞ。でも先にドレスを試着して下さい。サイズが合わないところはすぐに調整いたします」
「ええ、分かったわ」
「こちら、腰の部分、少し、お詰めしますね。お客様は腰が細くて素敵ですね」
「ふふ……ありがとう」
あまり食べさせて貰えないからガリなだけなんだけど。
私は笑って誤魔化した。
私は白いドレスのフィッティングを終えてから、雑貨の棚に移動した。
棚の上には小さな花飾り、綺麗なレースやリボンなんかも並べて売っている。
新しいベールを買ったら、花嫁衣装ってバレてしまう。
後で私が辺境伯の妻ってバレたら面倒な事になりかねない。
この小さな花飾りをまばらにつけて、破れを誤魔化そうかな。
「あー、そう言えば、知り合いの女性が結婚するから、結婚祝いを探しているんだった。
このレースの美しいベールを包んでくれ」
「はい、かしこまりました」
!! ジェイデン卿、まさか、私の為に代わりに!?
「……」
私の為にだったら、後でお金を払おう。
こっちに来てから、辺境伯から十分な予算を頂いてるし。
それはそれとして、この棚の雑貨は可愛いから買って行こう。
「こちらの白い花飾りとレース五種類とこのリボン全色を包んで下さい」
「はい、かしこまりました」
「あの、お靴は……」
メイラがそっと耳打ちをして来た。
「ああ、足元を忘れていたわ」
ドレスで足元はほぼ見えないからいいか~とか、思っていたわ。
ガーターストッキングと、靴も買う事にした。
「お嬢様、こちらの淡いパープルのドレスもいかがですか?
きっとお似合いかと」
私は店員のセールストークに頷いた。
そう言えば普段着るドレスも買って行こうか。
辺境伯の隣に並んでも恥ずかしくないドレスを数着買って、表に出て雑貨屋も見に行った。
お化粧品なども買っておこう……。
色々買い物をして、また馬車に乗り込んで我々はお城というか、離れに帰った。
離れに入ってから、ジェイデン卿はベールの入っている箱まで私に渡した。
やっぱり私の為だったんだ。
「ありがとうございます、お代です」
私は金貨を渡そうとしたら、断られた。
「いつも美味しい物を食べさせていただいてるお礼の贈り物ですから」
「まあ、それじゃ、また美味しい物を作ったら食べてくださいね」
「毒見ならお任せを」
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なんだか微笑ましくて、私は笑った。
「はい、これからもよろしくね」
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