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番外編コーナー
番外編 【月影高校の黒龍】
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番外編 【月影高校の黒龍】
日本有数の不良校、その名も「月影高校」。
常に己の強さを求め、日々拳と拳をぶつけ合うここの生徒は、ただの不良とは気軽に呼べないほどの洗礼された"何か"があった。
その中で一際強く、この屈強なる月影高校の生徒達でさえ震えあがせる者達がいた。
「お、おい来たぞ・・・」
「しっ、あまり目を合わすな!」
多くの生徒から尊敬と、そして恐怖を与える存在・・・
その名も・・・
「月影高校屈指の最強クラス、"黒龍"のお通りだ!」
「いやぁ、今日の奴らもなかなかだったなぁ。すこし腕がかすっちまった」
黒龍の生徒達の中心にいるのは、キリク。
体格がっしりしており、このクラスの幹部的存在だ。
先程まで他校と遊んできたらしく、制服のあちらこちらに汚れが目立っている。
「にしても良かったなぁ、午後の授業までに戻らなかったら俺たち死んでたぜ。」
「まじそれな!少し焦ったぜ、俺」
ここから少し離れた川辺から戻ってきた彼らは、かなりの最短記録でここに戻ってきた。
普通なら全力疾走で15分ほどかかるのを、その半分以下の時間で済んだのだから、少し異常でもある。
キーンコーンカーンコーン~♪♪
5限目の授業が始まった。
今までガヤガヤとしていた彼らは、そそくさと自分の席に戻っていく。
それと同時に、ガラッと静かに教室のドアが開いた。
「おー、なんだ、みんなちゃんと揃ってるじゃん。
昼休み皆してどこかへ行ってしまうから、僕の授業をサボるつもりだったのかと・・・・・・」
「め、滅相もねぇっすよイクト先生!!!」
白い白衣を身につけて、にこやかに笑いながら黒龍のみんなを一瞥する彼は、最強クラス"黒龍"の副担任である。
担当は理科と数学で、基本的に穏やかで優しい先生ではある。
しかし、その爽やかな笑顔の裏にはとんでもない悪魔が潜んでおり、少しでも機嫌を損ねたらその化けの皮が剥がれ出てしまう・・・なんて経験を黒龍は何度もしてきた。
「喧嘩自体は別に悪くいうつもりないよ?君たちはまだ若いし、青春のひとつだからね。
だけど、関係の無い人達を巻き込んだり、学生の本業である授業をほっぽり出したら、その時は然るべき対応をさせてもらうからね?」
イクトの背から黒いオーラを感じ取った生徒は、素直にコクコクと頷いた。
「それじゃぁ、出席を取るよ・・・・・・て、あれ?またアイツいないじゃないか」
イクトの形の良い眉がキュッと真ん中に寄った。
「おいおい、"アイツ"どこ行きやがった?」
「昼の時は確かに一緒だったはず・・・」
せっかくイクトの機嫌を損ねないよう昼の調整をしたのに、肝心の"アイツ"がいなければ意味が無い。
「・・・・・・ねぇ、キリク。」
「は、はい!!」
反射的に立ち上がり、敬礼の姿勢をとったキリクは、タラタラと冷や汗を流した。
「君なら彼の居場所分かるよね?
ちょっと探してきてくれないかな・・・5分以内に」
「は、はい!直ちに奴を探してきます!!」
有無を言わさぬその圧にやられ、キリクはそこらじゅうに体をぶつけながら教室を出ていった。
☆。.:*・゜
ちょこちょここの番外編を出していきますので、よろしく願いします。
日本有数の不良校、その名も「月影高校」。
常に己の強さを求め、日々拳と拳をぶつけ合うここの生徒は、ただの不良とは気軽に呼べないほどの洗礼された"何か"があった。
その中で一際強く、この屈強なる月影高校の生徒達でさえ震えあがせる者達がいた。
「お、おい来たぞ・・・」
「しっ、あまり目を合わすな!」
多くの生徒から尊敬と、そして恐怖を与える存在・・・
その名も・・・
「月影高校屈指の最強クラス、"黒龍"のお通りだ!」
「いやぁ、今日の奴らもなかなかだったなぁ。すこし腕がかすっちまった」
黒龍の生徒達の中心にいるのは、キリク。
体格がっしりしており、このクラスの幹部的存在だ。
先程まで他校と遊んできたらしく、制服のあちらこちらに汚れが目立っている。
「にしても良かったなぁ、午後の授業までに戻らなかったら俺たち死んでたぜ。」
「まじそれな!少し焦ったぜ、俺」
ここから少し離れた川辺から戻ってきた彼らは、かなりの最短記録でここに戻ってきた。
普通なら全力疾走で15分ほどかかるのを、その半分以下の時間で済んだのだから、少し異常でもある。
キーンコーンカーンコーン~♪♪
5限目の授業が始まった。
今までガヤガヤとしていた彼らは、そそくさと自分の席に戻っていく。
それと同時に、ガラッと静かに教室のドアが開いた。
「おー、なんだ、みんなちゃんと揃ってるじゃん。
昼休み皆してどこかへ行ってしまうから、僕の授業をサボるつもりだったのかと・・・・・・」
「め、滅相もねぇっすよイクト先生!!!」
白い白衣を身につけて、にこやかに笑いながら黒龍のみんなを一瞥する彼は、最強クラス"黒龍"の副担任である。
担当は理科と数学で、基本的に穏やかで優しい先生ではある。
しかし、その爽やかな笑顔の裏にはとんでもない悪魔が潜んでおり、少しでも機嫌を損ねたらその化けの皮が剥がれ出てしまう・・・なんて経験を黒龍は何度もしてきた。
「喧嘩自体は別に悪くいうつもりないよ?君たちはまだ若いし、青春のひとつだからね。
だけど、関係の無い人達を巻き込んだり、学生の本業である授業をほっぽり出したら、その時は然るべき対応をさせてもらうからね?」
イクトの背から黒いオーラを感じ取った生徒は、素直にコクコクと頷いた。
「それじゃぁ、出席を取るよ・・・・・・て、あれ?またアイツいないじゃないか」
イクトの形の良い眉がキュッと真ん中に寄った。
「おいおい、"アイツ"どこ行きやがった?」
「昼の時は確かに一緒だったはず・・・」
せっかくイクトの機嫌を損ねないよう昼の調整をしたのに、肝心の"アイツ"がいなければ意味が無い。
「・・・・・・ねぇ、キリク。」
「は、はい!!」
反射的に立ち上がり、敬礼の姿勢をとったキリクは、タラタラと冷や汗を流した。
「君なら彼の居場所分かるよね?
ちょっと探してきてくれないかな・・・5分以内に」
「は、はい!直ちに奴を探してきます!!」
有無を言わさぬその圧にやられ、キリクはそこらじゅうに体をぶつけながら教室を出ていった。
☆。.:*・゜
ちょこちょここの番外編を出していきますので、よろしく願いします。
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これは続きがどうなるか気になってしまいます。
読んでて楽しかったです。
初めまして!
この作品とっても面白くて一気に読んでしまいました!!
続きが楽しみです(≧∀≦)
初めまして!
まさか感想をいただけるとは思わず、感激です( o̴̶̷᷄ ·̫ o̴̶̷̥᷅ )
どうかこれからもお付き合いいただけたら嬉しいです!