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第三章
19.戦場再び。
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メグたちは城下街を抜けると一気に加速してひたすらこれから戦場になる予定の砦を目指した。
はあぁー。
なんで私はこんなところで軍馬なんかに跨って走ってるのかな。
本当だったら今頃市井でお金儲けに奔走してるはずだったんだけど。
メグはチラリと前を走るレリックを見た。
後ろからでも嬉しさではじけ飛びそうだ。
さすが筋肉。
戦えることがそんなに嬉しいのか。
私は・・・私は早く市井に戻って商売がしたい。
カムバック商人の私。
メグがそんなことを考えていると前方に堅牢な壁が見えてきた。
国境沿いにある前線の砦だ。
どうやらまだ本格的な戦争には突入していないようだ。
ふぁああ。
緊張感が遠のいて来て眠気が襲ってくる。
ここに来るまでほとんど寝てなかったせいで今にも軍馬から落ちそうなくらい眠い。
メグがそんなことを考えているうちに隊は砦の城壁にある入り口についた。
レリックが先頭になり砦前で隊を停止させると城門から兵士が大慌てで駆け出してきた。
「お待ちしておりました。どうぞお入りください。守備隊長がお待ちです。」
「わかった。」
満面の笑みをたたえた兵士の前を隊が城門を潜って砦の中に入った。
隊が中に入ると恰幅のいい兵士がレリックに駆け寄ってきた。
「援軍を今か今かとお待ちしておりました。」
「お前がこの砦の守備隊長か。」
「はい。私が守備隊長のシュビです。」
「状況は?」
「北側で昨晩交戦しました。死傷者まだ少ないですが砦の北外壁が大部攻撃で破壊されています。今修繕させていますが思うように・・・。」
「わかった。現場を案内してくれ。住民の方はどうなっている。」
「早めに砦に避難しましたのでそちらは問題ありません。」
「そうか。レイ。他の隊員には食事と休憩をさせてくれ。俺が北外壁を見てからすぐに作戦会議を始める。」
レイは敬礼するとレリックに命令されたことを遂行するため部下を連れて砦の食堂に向かった。
メグもレイたちと同じように食事にしようとしてレリックに捕まった。
「おいメグどこに行く気だ。壊れた外壁を見に行くぞ。」
「はあぁー何を言ってるの私は食事に行くわよ。」
「そっちこそ何を言ってるんだ。お前の魔法を使えば外壁修理ならすぐに終わるだろ。俺たちは先に敵襲に備えて北外壁を修理するんだよ。」
そんなの一人でやれと叫ぼうとしたらそれを砦の兵士に遮られた。
「あの英雄メグ様もご一緒だったのですか!な・・・なんて素晴らしい!」
砦の兵士は目を輝かせてメグを見るので毒気を抜かれて結局空腹でありながら外壁修理に魔法を使う羽目に陥った。
レリックはメグが疲労困憊になりながら外壁修理を終えたのにえらそうな態度でメグの肩を叩いてさすがだと一言だけ労うと食事にしようとメグをその場に残して階段を降り始めた。
おのれレリック。
飯の恨みは忘れんぞ。
はああ・・・それにしても魔法の使い過ぎで死にそうだよ。
ごはーん。
メグはフラフラした足取りで食堂に向かおうとするとまたまたレリックに肩を掴まれ食事は作戦会議をした後だと会議室に連行された。
おい。
そっちは何も労働してないからいいけどこっちは空きっ腹でフラフラなの。
本当いい加減に!!!
メグがレリックの胸倉を掴もうと手を挙げた瞬間に砦の中に敵襲の警告音が鳴り響いた。
うそー。
まだ何も食べてないのに。
全員が会議室を飛び出すと敵が攻撃を始めた北外壁に向かった。
そこに彼らが到着するとそこは先ほどメグがきれいに直した外壁に数十個の砲弾が当たり無残に削り取られていた。
ピキッ
(#^ω^)ピキピキ
敵はメグが見ている前でままた外壁に砲弾を撃ち込んで壊した。
(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
いいわよ。
私の魔法の味を知りたいのね。
メグはイライラする気持ちを雷の魔法に変換するとそれを敵に放った。
メグが放った雷は轟音を響かせて敵兵の上に落ちた。
ちょうど次の砲弾を射出しようとしていたところにメグの雷魔法が当たり敵兵は自分たちの砲弾の爆発とメグが放った雷で真っ黒になった。
ゴクッ。
メグの周囲にいた兵士がメグの周りから後ずさった。
ぐうう。
メグのお腹が鳴った。
全員が驚愕して固まっている中メグの口の前にスッとなにかを差し出す人物がいた。
黒い物体を差し出した人物は”食事の支度が出来るまでこちらを食べてお待ちください。”とにっこり笑いながら彼女にそれを渡すと立ち去った。
これって食べ物。
メグは口の前に差し出された黒い物体を受け取ると口に入れた。
じわじわと肉の味が口に広がった。
これっってビーフジャーキーじゃない。
メグはまだ固まっている砦の兵士とレリックを後に残すとビーフジャーキーをくれたレイの後にフラフラッとついていった。
そこはメグ念願の食堂だった。
イヤァッヤッホー!!!
ご飯!!!
はあぁー。
なんで私はこんなところで軍馬なんかに跨って走ってるのかな。
本当だったら今頃市井でお金儲けに奔走してるはずだったんだけど。
メグはチラリと前を走るレリックを見た。
後ろからでも嬉しさではじけ飛びそうだ。
さすが筋肉。
戦えることがそんなに嬉しいのか。
私は・・・私は早く市井に戻って商売がしたい。
カムバック商人の私。
メグがそんなことを考えていると前方に堅牢な壁が見えてきた。
国境沿いにある前線の砦だ。
どうやらまだ本格的な戦争には突入していないようだ。
ふぁああ。
緊張感が遠のいて来て眠気が襲ってくる。
ここに来るまでほとんど寝てなかったせいで今にも軍馬から落ちそうなくらい眠い。
メグがそんなことを考えているうちに隊は砦の城壁にある入り口についた。
レリックが先頭になり砦前で隊を停止させると城門から兵士が大慌てで駆け出してきた。
「お待ちしておりました。どうぞお入りください。守備隊長がお待ちです。」
「わかった。」
満面の笑みをたたえた兵士の前を隊が城門を潜って砦の中に入った。
隊が中に入ると恰幅のいい兵士がレリックに駆け寄ってきた。
「援軍を今か今かとお待ちしておりました。」
「お前がこの砦の守備隊長か。」
「はい。私が守備隊長のシュビです。」
「状況は?」
「北側で昨晩交戦しました。死傷者まだ少ないですが砦の北外壁が大部攻撃で破壊されています。今修繕させていますが思うように・・・。」
「わかった。現場を案内してくれ。住民の方はどうなっている。」
「早めに砦に避難しましたのでそちらは問題ありません。」
「そうか。レイ。他の隊員には食事と休憩をさせてくれ。俺が北外壁を見てからすぐに作戦会議を始める。」
レイは敬礼するとレリックに命令されたことを遂行するため部下を連れて砦の食堂に向かった。
メグもレイたちと同じように食事にしようとしてレリックに捕まった。
「おいメグどこに行く気だ。壊れた外壁を見に行くぞ。」
「はあぁー何を言ってるの私は食事に行くわよ。」
「そっちこそ何を言ってるんだ。お前の魔法を使えば外壁修理ならすぐに終わるだろ。俺たちは先に敵襲に備えて北外壁を修理するんだよ。」
そんなの一人でやれと叫ぼうとしたらそれを砦の兵士に遮られた。
「あの英雄メグ様もご一緒だったのですか!な・・・なんて素晴らしい!」
砦の兵士は目を輝かせてメグを見るので毒気を抜かれて結局空腹でありながら外壁修理に魔法を使う羽目に陥った。
レリックはメグが疲労困憊になりながら外壁修理を終えたのにえらそうな態度でメグの肩を叩いてさすがだと一言だけ労うと食事にしようとメグをその場に残して階段を降り始めた。
おのれレリック。
飯の恨みは忘れんぞ。
はああ・・・それにしても魔法の使い過ぎで死にそうだよ。
ごはーん。
メグはフラフラした足取りで食堂に向かおうとするとまたまたレリックに肩を掴まれ食事は作戦会議をした後だと会議室に連行された。
おい。
そっちは何も労働してないからいいけどこっちは空きっ腹でフラフラなの。
本当いい加減に!!!
メグがレリックの胸倉を掴もうと手を挙げた瞬間に砦の中に敵襲の警告音が鳴り響いた。
うそー。
まだ何も食べてないのに。
全員が会議室を飛び出すと敵が攻撃を始めた北外壁に向かった。
そこに彼らが到着するとそこは先ほどメグがきれいに直した外壁に数十個の砲弾が当たり無残に削り取られていた。
ピキッ
(#^ω^)ピキピキ
敵はメグが見ている前でままた外壁に砲弾を撃ち込んで壊した。
(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
いいわよ。
私の魔法の味を知りたいのね。
メグはイライラする気持ちを雷の魔法に変換するとそれを敵に放った。
メグが放った雷は轟音を響かせて敵兵の上に落ちた。
ちょうど次の砲弾を射出しようとしていたところにメグの雷魔法が当たり敵兵は自分たちの砲弾の爆発とメグが放った雷で真っ黒になった。
ゴクッ。
メグの周囲にいた兵士がメグの周りから後ずさった。
ぐうう。
メグのお腹が鳴った。
全員が驚愕して固まっている中メグの口の前にスッとなにかを差し出す人物がいた。
黒い物体を差し出した人物は”食事の支度が出来るまでこちらを食べてお待ちください。”とにっこり笑いながら彼女にそれを渡すと立ち去った。
これって食べ物。
メグは口の前に差し出された黒い物体を受け取ると口に入れた。
じわじわと肉の味が口に広がった。
これっってビーフジャーキーじゃない。
メグはまだ固まっている砦の兵士とレリックを後に残すとビーフジャーキーをくれたレイの後にフラフラッとついていった。
そこはメグ念願の食堂だった。
イヤァッヤッホー!!!
ご飯!!!
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