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51.セバスの推薦者。
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花子はフレッドと別れた後、大学構内にある魔法訓練所で魔法の特訓をしようとしてムツキに止められた。
「なんでダメなの?」
「今回の全学年を対象とした魔法試合は魔道具開発を将来行うとしている者たちも出場対象になっています。彼らは魔法騎士科の脳筋どもと違い、大学構内にある訓練施設で魔力回収もこの試合前は行っているのです。ですから花子様が下手に大学構内で魔法を使った訓練をした時の魔力を魔道具などで回収されると厄介です。」
確かに。
自分が放った魔力が自分に跳ね返るというのはあまり考えたくない。
「わかったわ。でもそれなら訓練はどうすればいいの?」
「お任せ下さい。”白の宮殿”の中にあります魔法訓練室を使えば問題ありません。」
「ああ、今朝使った部屋ね。わかったわ。じゃあさっそく行きましょう。」
花子たち三人は大学を出ると自宅に向かった。
その頃”白の宮殿”にある魔法訓練室では花子の魔法で穴が空いた魔道具を前に小柄な女性が両腕を組みながら唸っていた。
「うーん。どこまで強化して直せばいいのか?」
「まだ悩んでいたんですか。」
セバスは魔道具の前で唸るばかりでまったく手を動かさない人物に呆れた表情を向けた。
「アーラなんなのその言い方。すぐに直せって言ってきたのはそっちでしょ。」
「ですからすぐに直してください。」
「お言葉ですけど。このままなーんの対策もせずに修理してもまた壊れるわ。ならプロとして壊れないように対策してから直さなきゃダメじゃない。」
「とにかく花子様が戻って来られる前に修理をお願いします。」
「だ・か・ら・さっきからどのくらいこの魔道具の防御機能を強化すればいいか悩んでるんじゃない。」
「簡単ですよ。キョウカ様が今持っている技量の最大防御力すべてを使っていただければいいだけではないですか。」
足音もなくいつの間にかドアを開けたツヴァイが訓練室に入って来た。
「ツヴァイがここの訓練室に入って来るなんて珍しいわね。」
「セバス様に呼び出されましたので。」
ツヴァイが無表情でセバスに視線を投げた。
セバスはツヴァイの視線に訓練室の奥にある部屋に視線を向けるとやっと修理を始めたキョウカに一刻も早く治すように念押してからセバスも奥の部屋に向かった。
セバスが訓練室の奥にある部屋に入るとツヴァイがお茶を用意して待っていた。
セバスはツヴァイが入れたお茶を一口飲んだ。
「ウム。いい味を出せるようになりましたね。」
セバスの一言にツヴァイも彼の前にあるソファーに腰を降ろした。
「それでどのようなご用件でしょうか?」
セバスはお茶をもう一口味わうと徐に要件を告げた。
「ツヴァイ。あなたを花子様の伴侶候補に推薦しました。」
「( ゜Д゜)ハァ?」
あまりにも突拍子もないことを言われツヴァイは持っていたカップを落としそうになった。
「私の知る限りあなたには恋人などいなかったと思いますが違いますか。」
「確かにいませんが・・・。」
「では推薦するのに問題ありませんね。」
「えっいや身分が釣り合わないのでは?」
セバスは何を言っているんだという顔でツヴァイを見た。
「あなたの両親は別れたとはいえ高位貴族では?」
「そういわれてみればそうでした。」
ツヴァイは今のいままで忘れていたが自分の両親は後継者を作るために政略結婚したことを思い出した。
それも後継者とそのスペアであるツヴァイを作ると彼らはすぐに離婚した。
ある意味あっぱれな両親だった。
おかげで幼少期はそれで少しばかりひねくれた性格に拍車がかかって周囲にかなり煙たがられた。
もっともそれで周囲の人間に付け込まれるようなことを許すような性格でもなかった。
でもセバスはなんで自分を推薦しようとしているんだろうか。
自分以外にも該当しそうな人物は少し考えただけでも思い当たる。
「なんでセバス様は私を推薦してくれたんでしょうか?」
「アインもドライもすでに相手がいるからです。」
ツヴァイは絶句した。
アインとドライに恋人がいるなんて聞いたことがなかった。
「いっったい誰なんですか?」
「おやおや。それを私に聞きますか。」
えっなんなんですかその言い方。
まさかセバス様の関係者!
えっ・・・ええええ。
驚愕で固まっているツヴァイをその場に残してセバスはカップをソーサーに戻すと花子様を出迎えるためにその部屋を出た。
部屋を出て訓練室に戻ると修理を終えたキョウカが最終検査をしているところだった。
「今度は大丈夫でしょうね。」
「これでダメだったらさすがの私も心が折れそうよ。でも一応あそこに予備の魔道具を置いておくからこれでもダメだったらそっちを使って頂戴。」
「それは助かりますね。」
「ちょっとその言い方。また壊れると確信してるわね。」
「はい。花子様はAAAの実力がありますから。」
「AAA!」
キョウカは唸り声をあげた後両手を握ると宣言した。
「いいわ。この予備が壊れる前にAAAの人間が使っても絶対壊れない魔道具を開発して見せるわ。」
キョウカはそのまま修理が終わった魔道具と予備を訓練室に置くと最強魔道具を作るためにすぐに訓練室を出て行った。
やれやれ。
嵐が去っていった。
セバスが呼び鈴の音に訓練室を出るとやっと本来の仕事である花子様を迎えるために玄関に向かった。
「なんでダメなの?」
「今回の全学年を対象とした魔法試合は魔道具開発を将来行うとしている者たちも出場対象になっています。彼らは魔法騎士科の脳筋どもと違い、大学構内にある訓練施設で魔力回収もこの試合前は行っているのです。ですから花子様が下手に大学構内で魔法を使った訓練をした時の魔力を魔道具などで回収されると厄介です。」
確かに。
自分が放った魔力が自分に跳ね返るというのはあまり考えたくない。
「わかったわ。でもそれなら訓練はどうすればいいの?」
「お任せ下さい。”白の宮殿”の中にあります魔法訓練室を使えば問題ありません。」
「ああ、今朝使った部屋ね。わかったわ。じゃあさっそく行きましょう。」
花子たち三人は大学を出ると自宅に向かった。
その頃”白の宮殿”にある魔法訓練室では花子の魔法で穴が空いた魔道具を前に小柄な女性が両腕を組みながら唸っていた。
「うーん。どこまで強化して直せばいいのか?」
「まだ悩んでいたんですか。」
セバスは魔道具の前で唸るばかりでまったく手を動かさない人物に呆れた表情を向けた。
「アーラなんなのその言い方。すぐに直せって言ってきたのはそっちでしょ。」
「ですからすぐに直してください。」
「お言葉ですけど。このままなーんの対策もせずに修理してもまた壊れるわ。ならプロとして壊れないように対策してから直さなきゃダメじゃない。」
「とにかく花子様が戻って来られる前に修理をお願いします。」
「だ・か・ら・さっきからどのくらいこの魔道具の防御機能を強化すればいいか悩んでるんじゃない。」
「簡単ですよ。キョウカ様が今持っている技量の最大防御力すべてを使っていただければいいだけではないですか。」
足音もなくいつの間にかドアを開けたツヴァイが訓練室に入って来た。
「ツヴァイがここの訓練室に入って来るなんて珍しいわね。」
「セバス様に呼び出されましたので。」
ツヴァイが無表情でセバスに視線を投げた。
セバスはツヴァイの視線に訓練室の奥にある部屋に視線を向けるとやっと修理を始めたキョウカに一刻も早く治すように念押してからセバスも奥の部屋に向かった。
セバスが訓練室の奥にある部屋に入るとツヴァイがお茶を用意して待っていた。
セバスはツヴァイが入れたお茶を一口飲んだ。
「ウム。いい味を出せるようになりましたね。」
セバスの一言にツヴァイも彼の前にあるソファーに腰を降ろした。
「それでどのようなご用件でしょうか?」
セバスはお茶をもう一口味わうと徐に要件を告げた。
「ツヴァイ。あなたを花子様の伴侶候補に推薦しました。」
「( ゜Д゜)ハァ?」
あまりにも突拍子もないことを言われツヴァイは持っていたカップを落としそうになった。
「私の知る限りあなたには恋人などいなかったと思いますが違いますか。」
「確かにいませんが・・・。」
「では推薦するのに問題ありませんね。」
「えっいや身分が釣り合わないのでは?」
セバスは何を言っているんだという顔でツヴァイを見た。
「あなたの両親は別れたとはいえ高位貴族では?」
「そういわれてみればそうでした。」
ツヴァイは今のいままで忘れていたが自分の両親は後継者を作るために政略結婚したことを思い出した。
それも後継者とそのスペアであるツヴァイを作ると彼らはすぐに離婚した。
ある意味あっぱれな両親だった。
おかげで幼少期はそれで少しばかりひねくれた性格に拍車がかかって周囲にかなり煙たがられた。
もっともそれで周囲の人間に付け込まれるようなことを許すような性格でもなかった。
でもセバスはなんで自分を推薦しようとしているんだろうか。
自分以外にも該当しそうな人物は少し考えただけでも思い当たる。
「なんでセバス様は私を推薦してくれたんでしょうか?」
「アインもドライもすでに相手がいるからです。」
ツヴァイは絶句した。
アインとドライに恋人がいるなんて聞いたことがなかった。
「いっったい誰なんですか?」
「おやおや。それを私に聞きますか。」
えっなんなんですかその言い方。
まさかセバス様の関係者!
えっ・・・ええええ。
驚愕で固まっているツヴァイをその場に残してセバスはカップをソーサーに戻すと花子様を出迎えるためにその部屋を出た。
部屋を出て訓練室に戻ると修理を終えたキョウカが最終検査をしているところだった。
「今度は大丈夫でしょうね。」
「これでダメだったらさすがの私も心が折れそうよ。でも一応あそこに予備の魔道具を置いておくからこれでもダメだったらそっちを使って頂戴。」
「それは助かりますね。」
「ちょっとその言い方。また壊れると確信してるわね。」
「はい。花子様はAAAの実力がありますから。」
「AAA!」
キョウカは唸り声をあげた後両手を握ると宣言した。
「いいわ。この予備が壊れる前にAAAの人間が使っても絶対壊れない魔道具を開発して見せるわ。」
キョウカはそのまま修理が終わった魔道具と予備を訓練室に置くと最強魔道具を作るためにすぐに訓練室を出て行った。
やれやれ。
嵐が去っていった。
セバスが呼び鈴の音に訓練室を出るとやっと本来の仕事である花子様を迎えるために玄関に向かった。
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