49 / 83
49.次代様の実力をご報告します。
しおりを挟む
セバスは大学に向かう花子様を見送ってからすぐに”白の宮殿”の当主が待つ応接間に向かった。
軽いノックをして応接間に入ると”白の宮殿”の現当主がフィーアに入れられた紅茶を飲んでいた。
「こちらになります。」
セバスは先ほどの”白の宮殿の次代就任式”で起こった出来事を収めたデータをフィーアに渡した。
フィーアはすぐに頷くと壁に触って画面を出すとそれにセバスから渡されたデータを映し出した。
画面には先ほど訓練室で起こった出来事が事細かに録画されていた。
歴代最速で終わった”白の宮殿の次代就任式”だったため画面はすぐに真っ黒になった。
「こ・・・これはなんなの?」
現当主のマリアが紅茶のカップを握ったままわなわなと震えていた。
「セバス。あなたまさか・・・。」
どうやら余りのことに何か偽造をしたのではないかと疑われているようだ。
「偽造や細工をしても私には全く利益になりません。」
コホン。
マリアは小さな咳払いをすると徐に持っていたカップをテーブルに置く。
「今の言葉は忘れなさい。これほどの力です。すぐに花子さんの伴侶候補を準備しなさい。」
「選抜方法はいかがしますか?」
「本人に一任します。あの娘に選ばせなさい。」
「畏まりました。」
セバスは一礼して部屋を去ろうとすると背後から声がかかった。
「今回は私から候補の選出はしません。その代わり・・・。」
「その代わり?」
「セバスと異母兄から一人ずつ候補を選出するように。それとすでに信子とブランからは候補者があがっていますからその人物も加えるようにしなさい。」
セバスは黙って礼をすると今度こそ部屋を出た。
それにしても今回の”白の宮殿の次代就任式”には度肝を抜かれた。
こればかりは録画内容を偽造したのかという現当主の言葉も一応反論したが無理もない。
セバスは”白の宮殿”の組織にいる者で疑問に思うものには後で花子様の訓練相手として体で納得させようと黒い笑みを浮かべながら廊下を進んだ。
軽いノックをして応接間に入ると”白の宮殿”の現当主がフィーアに入れられた紅茶を飲んでいた。
「こちらになります。」
セバスは先ほどの”白の宮殿の次代就任式”で起こった出来事を収めたデータをフィーアに渡した。
フィーアはすぐに頷くと壁に触って画面を出すとそれにセバスから渡されたデータを映し出した。
画面には先ほど訓練室で起こった出来事が事細かに録画されていた。
歴代最速で終わった”白の宮殿の次代就任式”だったため画面はすぐに真っ黒になった。
「こ・・・これはなんなの?」
現当主のマリアが紅茶のカップを握ったままわなわなと震えていた。
「セバス。あなたまさか・・・。」
どうやら余りのことに何か偽造をしたのではないかと疑われているようだ。
「偽造や細工をしても私には全く利益になりません。」
コホン。
マリアは小さな咳払いをすると徐に持っていたカップをテーブルに置く。
「今の言葉は忘れなさい。これほどの力です。すぐに花子さんの伴侶候補を準備しなさい。」
「選抜方法はいかがしますか?」
「本人に一任します。あの娘に選ばせなさい。」
「畏まりました。」
セバスは一礼して部屋を去ろうとすると背後から声がかかった。
「今回は私から候補の選出はしません。その代わり・・・。」
「その代わり?」
「セバスと異母兄から一人ずつ候補を選出するように。それとすでに信子とブランからは候補者があがっていますからその人物も加えるようにしなさい。」
セバスは黙って礼をすると今度こそ部屋を出た。
それにしても今回の”白の宮殿の次代就任式”には度肝を抜かれた。
こればかりは録画内容を偽造したのかという現当主の言葉も一応反論したが無理もない。
セバスは”白の宮殿”の組織にいる者で疑問に思うものには後で花子様の訓練相手として体で納得させようと黒い笑みを浮かべながら廊下を進んだ。
0
お気に入りに追加
776
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
皇太子殿下の御心のままに~悪役は誰なのか~
桜木弥生
恋愛
「この場にいる皆に証人となって欲しい。私、ウルグスタ皇太子、アーサー・ウルグスタは、レスガンティ公爵令嬢、ロベリア・レスガンティに婚約者の座を降りて貰おうと思う」
ウルグスタ皇国の立太子式典の最中、皇太子になったアーサーは婚約者のロベリアへの急な婚約破棄宣言?
◆本編◆
婚約破棄を回避しようとしたけれど物語の強制力に巻き込まれた公爵令嬢ロベリア。
物語の通りに進めようとして画策したヒロインエリー。
そして攻略者達の後日談の三部作です。
◆番外編◆
番外編を随時更新しています。
全てタイトルの人物が主役となっています。
ありがちな設定なので、もしかしたら同じようなお話があるかもしれません。もし似たような作品があったら大変申し訳ありません。
なろう様にも掲載中です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる