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09.陥落
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レイの作戦が採用され彼女はご褒美という名の拷問を昨夜一晩をかけたっぷりと味合わされた。そして現在ただ今ベッドの住人とかしていた。
「すまん。もう少し奉仕すべきかとも思うが流石にそろそろレイの作戦を実行しなければならん。戻って来てから続きをするので今は我慢してくれ。」
アランは一方的にそう捲し立てると兵を率いて砦から出て行った。
もう続きはいらないし帰って来るなと叫びたかったが声が叫びすぎたせいで声が出ず、体力も限界で起き上がることすら出来なかった。結局それから食事もせずにアランが帰って来るまで眠っていたレイはそのままベッドの住人となっていたため、待ち焦がれたと勘違いされたアランにまたその晩も貪られた。
アラン曰くレイの作戦は物凄く上手く行ったのでそのご褒美も兼ねていたそうだ。お前のご褒美の観念がおかしいぞ。レイは明け方、底を尽きかけた体力を振り絞って自分に回復魔法をかけると起き上がった。
「アラン。いい加減、グゥーグゥー・・・。」
レイの文句は空腹の音にかき消された。
目を丸くしたアランは美麗な顔で破壊力抜群の笑顔を浮かべると固まっているレイに服を着せ抱き上げた。
「食事に行こう。それからレイのお蔭で掃討できた魔国の首都を見せてやる。」
アラン目線の提案でレイは食堂に運ばれると注目をこれでもかと浴びながら呆れ顔の老兵士の隣でアランに給仕をされながら食事を終えた。
もういや!
この食堂、注目を浴び過ぎだから二度と来たくない。
待って、アランってたしか王子様だから高位貴族よね。
ならなんでこんな平の兵士がいるような大衆食堂で食べてるの?
個室で食べない普通?
レイが疑問顔で周囲を見ていたので老兵士が隣から声を掛けて来た。
「どうかしましたか?」
「あのー、普通高位貴族もしくは隊長クラスの人って、こんなところで食事をするものなんですか?」
「普通はしませんね。ですがアラン様は昔から隊員を大事にされるお方なのでいつもみんなと一緒に食事をなさいますよ。」
老兵士はそれが気に入らないのかという目線で睨み付けてくる。
いやぁー、アランだけが食べるなら気にしないけどなんで私もここで食べるのかっていうのが気になるってこんなに睨んでいる人に言えない!
汗をタラーと流しながら睨み合っているとお代わりを持ったアランが戻って来た。
どんだけ食べるんだ、この人は。
アランがレイの隣に腰を降ろすとそこに鈴を鳴らしたような可愛い声が聞こえた。
「アラン様。こちらもぜひ食べて下さい。」
見ると年若い豊満な体の女性が肉がこんもりと盛り付けられた皿をアランのテーブルに運んできた。
「リーナ。お前は危ないからここには来るなと言ってあるだろう。」
アランの隣に座っていた老兵士が少女を見て顔を崩しながら声を掛けている。
「おじいちゃん。もう私も16歳で大人なんだから問題ないわ。それにアラン様もいるのに屋敷で待ってなんかいられないわ。今度こそアラン様の・・・。」
最後は小さくてよく聞こえなかったがリーナはそういうと顔を赤らめてアランを見た。
しかしアランの方はリーナではなく肉がこんもりと盛られている皿を見ていた。
皿を見るアランを見つめるリーナにそれにまったく気づかないで黙々と食事を進めるアランという非常に残念な絵面がレイの隣で繰り広げられていた。
凄いなぁー、これ。
レイは他人事のようにチラ見していたが次のアランの一言でリーナの視線がレイに突き刺さった。
「レイ、お前食べているのか?量が減ってないぞ。さっきは凄い腹の音だったからな。もう少し食べろ。」
アランはそういうと空っぽのレイの皿の上にこんもりと盛られた肉の塊をボトッと盛り付けた。
幾らなんでもこれ以上は入りません。
それにリーナの目線が私に突き刺さって来るんだけど。
分かってるのか、コラァー。
「なんだそうか。早く見に行きたいんだな。だがもう少し腹ごしらえしてからいっても遅くないぞ。」
いや、分かってない。
「そう残念な顔をするな。もう少し食べてから行こう。」
「アラン様。なんで魔国の首都に行かれるのですか。まだ危険です。」
「レイの作った剣があるし、魔国の元王族の生き残りが俺に話があるそうだ。」
「それこそ危険なのでは?」
「大丈夫だ。要所には兵士を配しているし、逆に何が問題なんだ?」
「アラン様。リーナはあなたの事をただ単に心配しているだけですよ。」
「おじいちゃん。余計なこと言わないで。」
リーナは顔を真っ赤にして怒っている。
「心配は無用だ。それより砦のことは頼んだぞ。」
「畏まりました。」
老兵士は頷いた。
レイは三人が話しているいるうちにせっせと食事を終えるとテーブルに置かれていたお茶を飲んでいた。
はあぁー王宮と違ってここはお茶だけはおいしいわね。
ちょっと感動していると腹に腕が回り強制的に抱え上げられた。
リーナの視線が痛い。
言っとくけど私がそうしてと頼んだわけじゃないのに睨まれるって何か理不尽だぁー。
レイは無言で抗議したがアランにそのまま馬上まで抱えられて運ばれた。
なんだか最近の移動はこればかりのような?
なぜ?
「すまん。もう少し奉仕すべきかとも思うが流石にそろそろレイの作戦を実行しなければならん。戻って来てから続きをするので今は我慢してくれ。」
アランは一方的にそう捲し立てると兵を率いて砦から出て行った。
もう続きはいらないし帰って来るなと叫びたかったが声が叫びすぎたせいで声が出ず、体力も限界で起き上がることすら出来なかった。結局それから食事もせずにアランが帰って来るまで眠っていたレイはそのままベッドの住人となっていたため、待ち焦がれたと勘違いされたアランにまたその晩も貪られた。
アラン曰くレイの作戦は物凄く上手く行ったのでそのご褒美も兼ねていたそうだ。お前のご褒美の観念がおかしいぞ。レイは明け方、底を尽きかけた体力を振り絞って自分に回復魔法をかけると起き上がった。
「アラン。いい加減、グゥーグゥー・・・。」
レイの文句は空腹の音にかき消された。
目を丸くしたアランは美麗な顔で破壊力抜群の笑顔を浮かべると固まっているレイに服を着せ抱き上げた。
「食事に行こう。それからレイのお蔭で掃討できた魔国の首都を見せてやる。」
アラン目線の提案でレイは食堂に運ばれると注目をこれでもかと浴びながら呆れ顔の老兵士の隣でアランに給仕をされながら食事を終えた。
もういや!
この食堂、注目を浴び過ぎだから二度と来たくない。
待って、アランってたしか王子様だから高位貴族よね。
ならなんでこんな平の兵士がいるような大衆食堂で食べてるの?
個室で食べない普通?
レイが疑問顔で周囲を見ていたので老兵士が隣から声を掛けて来た。
「どうかしましたか?」
「あのー、普通高位貴族もしくは隊長クラスの人って、こんなところで食事をするものなんですか?」
「普通はしませんね。ですがアラン様は昔から隊員を大事にされるお方なのでいつもみんなと一緒に食事をなさいますよ。」
老兵士はそれが気に入らないのかという目線で睨み付けてくる。
いやぁー、アランだけが食べるなら気にしないけどなんで私もここで食べるのかっていうのが気になるってこんなに睨んでいる人に言えない!
汗をタラーと流しながら睨み合っているとお代わりを持ったアランが戻って来た。
どんだけ食べるんだ、この人は。
アランがレイの隣に腰を降ろすとそこに鈴を鳴らしたような可愛い声が聞こえた。
「アラン様。こちらもぜひ食べて下さい。」
見ると年若い豊満な体の女性が肉がこんもりと盛り付けられた皿をアランのテーブルに運んできた。
「リーナ。お前は危ないからここには来るなと言ってあるだろう。」
アランの隣に座っていた老兵士が少女を見て顔を崩しながら声を掛けている。
「おじいちゃん。もう私も16歳で大人なんだから問題ないわ。それにアラン様もいるのに屋敷で待ってなんかいられないわ。今度こそアラン様の・・・。」
最後は小さくてよく聞こえなかったがリーナはそういうと顔を赤らめてアランを見た。
しかしアランの方はリーナではなく肉がこんもりと盛られている皿を見ていた。
皿を見るアランを見つめるリーナにそれにまったく気づかないで黙々と食事を進めるアランという非常に残念な絵面がレイの隣で繰り広げられていた。
凄いなぁー、これ。
レイは他人事のようにチラ見していたが次のアランの一言でリーナの視線がレイに突き刺さった。
「レイ、お前食べているのか?量が減ってないぞ。さっきは凄い腹の音だったからな。もう少し食べろ。」
アランはそういうと空っぽのレイの皿の上にこんもりと盛られた肉の塊をボトッと盛り付けた。
幾らなんでもこれ以上は入りません。
それにリーナの目線が私に突き刺さって来るんだけど。
分かってるのか、コラァー。
「なんだそうか。早く見に行きたいんだな。だがもう少し腹ごしらえしてからいっても遅くないぞ。」
いや、分かってない。
「そう残念な顔をするな。もう少し食べてから行こう。」
「アラン様。なんで魔国の首都に行かれるのですか。まだ危険です。」
「レイの作った剣があるし、魔国の元王族の生き残りが俺に話があるそうだ。」
「それこそ危険なのでは?」
「大丈夫だ。要所には兵士を配しているし、逆に何が問題なんだ?」
「アラン様。リーナはあなたの事をただ単に心配しているだけですよ。」
「おじいちゃん。余計なこと言わないで。」
リーナは顔を真っ赤にして怒っている。
「心配は無用だ。それより砦のことは頼んだぞ。」
「畏まりました。」
老兵士は頷いた。
レイは三人が話しているいるうちにせっせと食事を終えるとテーブルに置かれていたお茶を飲んでいた。
はあぁー王宮と違ってここはお茶だけはおいしいわね。
ちょっと感動していると腹に腕が回り強制的に抱え上げられた。
リーナの視線が痛い。
言っとくけど私がそうしてと頼んだわけじゃないのに睨まれるって何か理不尽だぁー。
レイは無言で抗議したがアランにそのまま馬上まで抱えられて運ばれた。
なんだか最近の移動はこればかりのような?
なぜ?
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