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後始末2

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「…………」

 どうして分かったのかしら?顔も体も髪もかくして、出ているのは目だけなのに。 というか、前に会った時は気づかなかったから、油断したわ。

 瘴気が消滅したことで、気持ちの余裕ができたのかしら?それとも、やはり一緒にいた時間が長かったから?

 そう言えば、街の両替商の人が言っていたわ。毎日お札に触れていると、偽札を見分けられるようになると。自分でもどこが違うのか言えないけれど、感覚で違うとわかるそうよ。それと同じものかしら。

 まあでも今はこの国の住人ですらないし、不敬は問われないだろうから、ここは無視一択よね。と、私が結論を出したというのに、彼はつかつかと急ぎ足でこちらにやってきたかと思うと、私の手首を握った。

「!」

 何これ?なんだというの?

 驚いて見上げると、彼は顔を近づけ笑った。

「ああ、やっぱりシルヴィだ。帰ってきてくれたんだね」
「は?」

 いえ、今から帰るのです。自分の自宅に、大好きな旦那様の元に。

 でも、咄嗟にそう言えなかったのは彼の様子というか、至近距離から見た王太子の目がおかしかったからだ。なんと言うか、正気でないような……。以前からこんな目をしていたかしら?

「シルヴィが瘴気を消してくれたの?この国の為に?」
「ええっと」

 確かに消したのは私だけれど、任務を完了できたのはチームのお陰だし、そもそもこの国の為に来たわけではない。任務だから来た、それだけだ。

「シルヴィはいつも国の事を考えてくれていたものね。ああ、だから帰って来たんだろう?僕と一緒になるために?」
「はあ?」

 何故、そうなる?

 はしたないと思いつつも、大きな声を出してしまった私だが、今回ばかりは許されると思う。そのくらい突拍子もない事。

 だが、驚く私の手を握ったまま、王太子は国王陛下に向き直った。

「父上、シルヴィが瘴気を消したのならば、聖女でなくとも彼女には聖女と同じだけの価値がある。私は聖女と結婚するのですよね?でしたら、今の聖女との婚約は破棄して、あらためてシルヴィと一緒になりたいと思います」

 片手を胸に置き、宣言する王太子に、周囲が息を呑む。

 何を言い出すのかと。

 それは私も同じだった。

 婚約解消を言い渡してきたのはそちらだろう。聖女が現れたというので、私の10年間を無駄にしたのも。事情が事情だから構わないし、今となっては、良かったと思うけれど。その言い草はあまりにも勝手すぎない?

「失礼ですが、彼女は既婚者です」

 伯父様が、怒りを抑えた声で告げる。

「…既婚者というのは、フェルール公爵令嬢であったか……」
「ゼーゲンフィルド次期公爵の夫人ですわ。ふ・じ・ん」

 陛下の呟きに、即行訂正を入れる。

 令嬢ではなく、私兄様の嫁ですのよ、嫁!大事な事なので二度言いますわ

「ああ、ではその方には申し訳ないが、離縁してもらって……」
「はああ?何故兄様と離縁してまで、貴方と一緒にならなければなりませんの?冗談言わないでくださいませ!」

 やっと初恋の兄様をゲット、しかも両想いの新婚さんの上、卒業後には……その18にもなったことだしと、致しましたのよ!

 あの夜……。

「何も知らないので、マグロになると思いますが、よろしいですか?」

 と聞いた私に、最初兄様は驚いていらしたわ。

 多分、マグロの水揚げ風景を知らなかったのね。あの大きなマグロが、ゴロゴロとただ寝ているだけの光景を。

 ベルフォレは海が近いから、海産物市場はいくつかあるけど、比較的内陸にある帝国には、マグロを扱うような市場はないもの。

 仕方なく説明しようとした私に、兄様は「知っているから、大丈夫だよ」と断ってくれた上、さらに優しく仰って下さったわ。

「シルヴィはマグロでいいんだよ。むしろ、積極的な方が心がモヤモヤするから。シルヴィはいつまでも御祝儀価格で取引される本マグロでいてくれ」

 正直、何故閨教育をしっかりしてこなかったのか、と頭の中で三角座りをして反省していただけに、兄様のお言葉は本当にほっとした。……兄様は本当にお優しいわ。

 その後2日ほど寝込んでしまったけど。

 しつこさの前には、優しさなんて意味がないと思い知ったわ。

 それはともかく、そんなラブラブ新婚カップルだというのに、何故この方は、私が元さやなぞ望むと思うのか。

 言っていい事と悪い事の区別もつかなくなったの?この方は!

「大体、この国では花嫁は処女と決まっておりますわ!私結婚しましたけど、けっして白い結婚などではありませんわよ!」

 …何故こんなに必死になって衆人環視の中、己の非処女を発表しなければならないのか。情けないやら、恥ずかしいやらだけど、それ以上にこの人のわけのわからない発言を止めたい。

「それは…そうかもしれないけれど。でも大丈夫。安心して?例え純潔ではなくても、聖女で魔導士でもある君がこの国に戻り、僕の妻になる事のほうが大きな意味を持つよ。国民だって、重臣達だってわかってくれる」

 これからも、僕と国を支えて欲しい。

 甘く微笑まれて、王太子の顔に「シャーっ!」と縦横爪で碁盤の目を描かなかった私を誉めて欲しい。

 あなたたちがわかっても、私が納得していないわよ!

 というか、国王も「ああ…」みたいに納得した顔しないでよ!重臣!それもそうですねって嬉しそうな顔するな!

 ああ、もうっ!

 お兄様ーっ!もう帰りたいっ!

 泣きたい気持ちで心の中で強く叫んだ、次の瞬間。

 ひどく心地がいいと感じるものに、全身を包まれた。

「お帰り、がずいぶん遅いね、シルヴィ」

 いつの間にか自由になった片腕。ぎゅっと抱きしめられた時に鼻孔をくすぐる、柑橘系のいい匂い。

 顔は見えないけど「あ、これ兄様だ」ってすぐわかる。

 ちゅって軽い音を立てて何度も頭頂部にキスされ、頬ずり。うん、間違いない。通常運転の兄様だわ。

「ふ。これよ、これですよ!やっぱりビジュアル大事!はーっ!尊い…」

 近くでラウラさんが合掌している横で、ローゼマリーが腕を組んでため息を漏らす。

「予定より2、3分遅れてるから、そろそろかと思ったらやっぱり来ましたわね」
「2、3分も遅れていたから迎えに来ただけだ」
「も、なんですね?」
「も、だ」

 呆れているローゼマリー相手に、兄様が言い返す。

「今日はシルヴィが戻るだろうからと有休をとってあったのに、こういう日に限って辺境伯の子飼いの男爵が問題を起こしてね」
「問題?」
「ヨアヒム様がいない間に、とでも思ったのだろう。隣国の宰相と通じて兵を引き入れる話をしていた」

 転移魔導、特に複数人の転移魔導を使える者はほとんどいない。その上、軍として機能するだけの人数を一度に転移させられるのは、帝国内でも伯父様くらいしかいないだろう。

 そして辺境と皇都は離れている。

 国境を越えたという報告を受けたとしても、帝国軍が来る頃には占拠し終える。それを手始めに…と思っていたのだろう。

「辺境付近には隈なく魔石が埋まっている。国境を越えればすぐにわかる」
「なるほど。つまりヴィル兄様は、休日にも拘らず呼び出され、国境まで行ってきたと」
「そうなんだ、ローゼマリー。宮仕えはつらいな」

 ぎゅむぎゅむと私を抱きしめたまま、兄様は柔らかい口調で言っているのに、ローゼマリーの顔が引きつっている。

 どうしたのだろうと思っていると、彼女は顔を伏せ、大きなため息を吐いた。

「……ヴィルお兄様、お一人で行かれましたのね」
「そう。だからこの後も後始末があってね。私としてはシルヴィの帰還を待ってから、と思っていたのだけれど、早くしろとランドルフ殿下が煩くて。その上、こちらが待たせるからイライラしてね」

 危うく、この国まで滅ぼそうと思ってしまったよ。

 そう嘯く兄様に、ちょっと笑いが漏れる。

「嫌だわ、兄様。そんな物騒な冗談をおっしゃって」
「そのくらい君に会いたかったってことだよ」
「もう……」

 腕から抜け出し、正面から兄様を見る。

 男神の石像を思わせる完璧な美貌に、今日はほんの少し目じりと頬に赤みが加わって…。

 ああ、今日もやっぱり素敵だわ。

 兄様は蕩けるような表情で私の鼻の頭にキスをし、それから額に唇を寄せる。

 愛おしさを隠しもしないその態度に、くすぐったくも嬉しくて思わず笑ってしまうと、兄様の腕にムギュッと引き戻された。

「……あれを冗談と取れるお姉さまは、やっぱり違いますね」
「シルヴィは普段は優秀だし聡い子なんだが、殊ヴィルフリートの事になると、ポンコツになるんだよ。たった今二万を一人で殺ってきた奴が、この国滅ぼすって普通冗談とは思わないだろうに」
「あ、連絡入ったんですね」
「ああ、後始末があるから、早く帰れと。今から隣国の宰相を殺りにいくそうだ。…第一皇子だな」

 小さな声ではあるけれど、ローゼマリーと伯父様の話し声が聞こえる。

 大変、第一皇子殿下にご迷惑をかけてしまっているようだわ。

 私は急いで兄様の背をバシバシと叩き、顔を上げた。

「兄様!急がないと、皆様にご迷惑ですわ」
「私の方が迷惑をかけられているんだけどね」

 何しろ休日出勤だったし。

 不機嫌そうに眉を寄せる兄様の気持ちはわかる。私だって楽しみにして予定まで組んでいた休日が不意に駄目になれば、がっかりもするし怒りもする。

 けれど、今回の場合は国家存続の危機なのだから、仕方ないだろう。

「では、その代わり纏めてお休みをいただくのは如何でしょう?次のお休みを二日とか三日にしていただくとか」
「いいね。じゃあ一か月くらいもらおうかな」
「兄様、単位が違います」

 『日』よ『日』。『月』じゃないのよ?大体一か月ってどこのバカンスよ。

「二日や三日じゃ忙しないだろう?その間ベッドから出ないにしても、三日の徹夜ではシルヴィの体力がもたないと思うけど」

「?そうなのですか?」

 よくわからない。何故兄様の休日と私の徹夜と関係あるのだろう?

 頭をひねっていると、伯父様が兄様の頭を軽くはたいた。

「他国で己の下半身事情を垂れ流すな。みっともない」

 白皙の顔に浮かぶ青筋。

 娘と言い弟子と言い、一人前になっても小言が絶えない彼は、意外と苦労しているのかもしれない。

「では、改めて陛下。我々はこれにて失礼いたします」

 伯父様が陛下に告げる。までは良かったのだけれど。

「待って下さい!シルヴィはここに残ればいいでしょう!?彼女はこの国の人間ですよ」

 いつの間にか離れていた王太子の手が、再び私に伸ばされる。

「痛っ!」

 だが、後少しで触れる。その瞬間「ばしっ!」という大きな音と共に、派手に青白い火花を散らして、彼と私の間に電気が走った。

「な……」

 静電気と呼べないくらい派手な電撃に、王太子が呆然とこちらを見る。

「人妻にはむやみに触れぬ方がいいですよ?」
「……君は?」

 あ、殿下今ちょっとビビりましたね?無理もない。兄様のお顔の破壊力といったら、ものすごいですものね。真正面から見ると、思わず足が一歩引いてしまいますよね。

 自分の事でもないのに、ドヤ顔になってしまった私の隣で、兄さまが綺麗に腰を折る。

「申し遅れました。ゼーゲンフィルド公が嫡子、ヴィルフリートと申します」
「ゼーゲンフィルド公……」
「まだ、次期が付きますが」

 帝国の鷹の目は、さすがにこの国の者でも知っているわよね。

 それにしても、他の王族に対する正式な礼を執る兄様のかっこいいこと!

 お顔は言わずもがななのだけど、片手を胸に置き、一歩足を引いて軽く頭を下げるお姿が!頭は小さいし、体は細マッチョでひょろくないし、背は高いし、足は長いし…。それに体幹っていうの?すっと体に芯が通っていて、凄くかっこいいの。

 こんな方、存在自体が奇跡って感じよ。

「やばい、鼻血吹きそう……」

 ラウラさんが鼻を押さえて呟くけれど、まるっと同感だわ。

 ラウラさんが先か、私が先か競争ね。

「ううっ!」
「大臣!」
「フルニエ卿!」

 あら?フルニエ卿に先を越されたわ。フルニエ卿が一等賞ね。

 こういうのって、先を越されると何か覚めるのよね。おかげで、この場で鼻血は吹かずに済みそうだから、良かったかもしれないけど。

「じじぃ、冷めるわー」

 ラウラさん…周囲の声に消されるからって、ここで本音はダメよ。そしてお口が悪いわ。

 それにしても、あんな年配の紳士まで射止めるなんて、さすが兄様。というか、騎士に運び出されるのを、卿が拒否したわ。あんなに血まみれでも、兄様を見ていたいのね。

 あっぱれだわフルニエ卿。私は今日あなたへの評価を見直しました。



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