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終章 けじめと別れ
三話 俺の隣だ
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しばらくして、メイクを施され、流行りの服を着た美桜と翡翠が出てくると、その場にいたスタッフたちが、一斉に感嘆の吐息を漏らした。
「美桜ちゃん、可愛いと思っていたけど、メイクをすると雰囲気変わるね。美人! って感じ。そっちのお兄さんも、めちゃくちゃ綺麗だし」
美桜を連れてきた女性が、はしゃいだ声を上げ、両手を組む。
「さあ、そっちに立って。窓辺がいいな。彼の方を向いて。見つめ合って」
男性カメラマンに指示をされ、美桜と翡翠は指定された場所に立つと、向かい合った。いつも以上に翡翠がキラキラして見え、美桜は目がくらみそうになる。そんな翡翠から甘いまなざしで見つめられ、照れくさくなり俯くと、
「美桜さん、顔上げてー! 笑顔!」
カメラマンにすかさず声をかけられた。
翡翠が美桜の耳元で、
「美桜、自信を持つと良い。美桜は変わった。最初に会った時、美桜はか弱く頼りなげな女の子だった。でも、今は違う。一人で立派に菓子店を営み、あやかし相手に商売をし、頑固な俺の父も納得させた。美桜は強くなった」
と、囁いた。
「美桜は俺の自慢の婚約者だ」
翡翠がふわりと微笑み、美桜の頬が赤くなる。見つめ合う二人に向かって、カメラマンがすかさずシャッターを切る。
しばらく二人のシーンを撮った後、美桜と翡翠、それぞれ一人ずつの撮影に入った。何度か衣装を着替えながら、スタジオのセット内で、美桜はスカートをひらめかせてまわったり、小首を傾げて頬に手を添え笑ったりと、様々なポーズを取った。最初こそぎこちなかったが、次第に慣れてきて、自然な笑顔を出せるようになった。
翡翠の撮影時は、その麗しい姿に注目が集まり、スタジオ内にいた女性スタッフは、皆、仕事の手が止まってしまった。
二人の後に真莉愛の撮影も行われたが、完全にその影は薄かった。美桜と翡翠の存在感が大きすぎたのだ。
「美桜ちゃん、彼氏さん、ありがとう! 良い写真が撮れたわ。助かった!」
「お疲れ様ー!」
「ねえ、本当に二人共、本職のモデルじゃないの? 実はフリーランスとか……」
撮影の後、美桜と翡翠はスタッフたちに囲まれた。皆が口々に「良かった」と言ってくれて、嬉しい気持ちになる。一人の男性スタッフが美桜に近づいてくると、
「美桜さん、良かったら、来月の撮影もお願いできないかな」
と言った。
「えっ」
「実はさぁ、真莉愛ちゃんの人気、落ちてきてるんだよね。あの子、男性関係派手だし、性格も悪いって、ファンの間で噂になっていてさ。SNSで炎上してるんだ。実際、その通りだしね。うちの雑誌もイメージがあるから、困っていてね……。契約を切ろうかと考えていたところなんだよ。その点、美桜さんは性格良さそうだし、清楚で初々しくて、きっと人気出ると思うんだよ」
男性スタッフは、にこにこと美桜を誘ってくる。美桜は困惑しながらも、
「すみません。私には、他に仕事があるので、お役には立てません」
と、丁寧に断った。男性スタッフが「そう?」と残念そうな顔をしている。
美桜は真莉愛の方へ視線を向けた。今の話が聞こえていたのか、睨むように見つめている真莉愛の元に近づいて行くと、
「真莉愛さん」
と声をかけた。真莉愛が態度悪く「あ?」と顎をしゃくる。
「私が付けた頬の傷、跡になっていませんか? あの時は、本当にごめんなさい」
真莉愛の傷は、完全に治っていた。けれど、
「あんたのせいで、跡になったっつーの! 慰謝料、請求したいぐらい!」
と、真莉愛はうそぶいた。翡翠が横から真莉愛の顔をのぞき込み、
「そうか? どこにも傷のない、綺麗な肌をしているが」
と、首を傾げる。翡翠に間近に寄られ、真莉愛の頬が赤くなる。
「そ、そう? 私、綺麗?」
「ああ。――まあ、美桜には叶わないが」
しれっとそう言った翡翠に、真莉愛の顔が呆けたものになる。
「真莉愛さんにさよならを言いに来ました。今まで、ありがとうございました」
美桜は真莉愛に別れの挨拶をした。
「さよならって、あんた、勝手に家出していたじゃない」
「はい。心配かけてごめんなさい。今度は家出じゃない。正式に真莉愛さんと暮らしていた家から自立します」
「自立って、仕事もしていないくせに? どうせ、その男のところに転がり込んでいたんでしょ」
真莉愛が侮蔑のまなざしで翡翠を見たので、美桜は翡翠を庇うように前に立った。
「私は確かに、この人と一緒にいるけれど、ちゃんと仕事をしています」
「馬鹿で無能なあんたに何ができるっていうのよ!」
真莉愛が癇癪を起こした。美桜は困った表情を浮かべたが、毅然とした態度で、
「それから、真莉愛さん。以前、私から取り上げたネックレス、返してもらえませんか?」
と、言った。真莉愛が、
「はぁ? いつの話よ。あんなの、もう捨てたし」
と、目を剥く。
「そんな……」
美桜は動揺したが、真莉愛はそんな美桜がおかしかったのか、鼻で笑った。その時、ニャーンと猫の鳴き声がした。美桜には聞こえたが、真莉愛には聞こえていないその声は、猫又が発したものだ。黒猫のいる方向に目を向け、美桜は小さく「あっ」と声を上げた。
黒猫は口に、翡翠の鱗の付いたネックレスを咥えていた。美桜は急いで黒猫の元へ行くと、しゃがみこんで両手を出した。黒猫が美桜の手の中に、ネックレスをぽとりと落とす。
美桜の行動を怪訝そうに見ていた真莉愛は、美桜がネックレスを取り返したことに気づき、しまったというように悔しそうな表情を浮かべた。
「真莉愛さん、さようなら。お元気で」
美桜は立ち上がると、まっすぐな瞳で真莉愛を見つめた。
「行こう、翡翠」
美桜を見守っていた翡翠に微笑みかける。翡翠も笑みを返し、
「そうだな」
と頷いた。
スタジオを出て行く二人に向かって、真莉愛が、
「あんたの顔なんて二度と見たくない! 勝手にどっかに行け!」
負け犬の遠吠えのように、悪態をついた。
スタジオの外に出た美桜は、胸の前でネックレスを握りしめた。
大切な……大切な翡翠の鱗。
「翡翠、ごめんね……。なくしていて、ごめんね……」
無事に取り返せたことに感極まり、涙の浮かんだ瞳で翡翠に謝罪すると、翡翠はネックレスを手に取り、美桜の首にかけた。
「これは戻るべくして美桜の元に戻った。美桜、泣くな。自分を虐げていた家族に許しの心で別れを告げ、誰を責めることもなく、つらい過去を乗り越えた美桜を、俺は尊敬する。美桜は姿も美しいが、心はもっと美しい」
美桜の瞼に口づけ、髪を撫でる。二人の足元で、黒猫が機嫌良くニャァと鳴いている。
「行こう、美桜。菓子の材料をでぱぁとに買いに行くのだろう? それから、幽世に戻って、まかろんを焼いてくれ。芙蓉も待っている。他の皆も」
「うん!」
「美桜の居場所は、俺の隣だ」
翡翠が甘い声で囁いた。見上げた美桜の視線が、翡翠の熱っぽい視線と絡み合う。
(私は幽世で生きて行く)
美桜は愛しい龍神の手を、強く握り返した。
「美桜ちゃん、可愛いと思っていたけど、メイクをすると雰囲気変わるね。美人! って感じ。そっちのお兄さんも、めちゃくちゃ綺麗だし」
美桜を連れてきた女性が、はしゃいだ声を上げ、両手を組む。
「さあ、そっちに立って。窓辺がいいな。彼の方を向いて。見つめ合って」
男性カメラマンに指示をされ、美桜と翡翠は指定された場所に立つと、向かい合った。いつも以上に翡翠がキラキラして見え、美桜は目がくらみそうになる。そんな翡翠から甘いまなざしで見つめられ、照れくさくなり俯くと、
「美桜さん、顔上げてー! 笑顔!」
カメラマンにすかさず声をかけられた。
翡翠が美桜の耳元で、
「美桜、自信を持つと良い。美桜は変わった。最初に会った時、美桜はか弱く頼りなげな女の子だった。でも、今は違う。一人で立派に菓子店を営み、あやかし相手に商売をし、頑固な俺の父も納得させた。美桜は強くなった」
と、囁いた。
「美桜は俺の自慢の婚約者だ」
翡翠がふわりと微笑み、美桜の頬が赤くなる。見つめ合う二人に向かって、カメラマンがすかさずシャッターを切る。
しばらく二人のシーンを撮った後、美桜と翡翠、それぞれ一人ずつの撮影に入った。何度か衣装を着替えながら、スタジオのセット内で、美桜はスカートをひらめかせてまわったり、小首を傾げて頬に手を添え笑ったりと、様々なポーズを取った。最初こそぎこちなかったが、次第に慣れてきて、自然な笑顔を出せるようになった。
翡翠の撮影時は、その麗しい姿に注目が集まり、スタジオ内にいた女性スタッフは、皆、仕事の手が止まってしまった。
二人の後に真莉愛の撮影も行われたが、完全にその影は薄かった。美桜と翡翠の存在感が大きすぎたのだ。
「美桜ちゃん、彼氏さん、ありがとう! 良い写真が撮れたわ。助かった!」
「お疲れ様ー!」
「ねえ、本当に二人共、本職のモデルじゃないの? 実はフリーランスとか……」
撮影の後、美桜と翡翠はスタッフたちに囲まれた。皆が口々に「良かった」と言ってくれて、嬉しい気持ちになる。一人の男性スタッフが美桜に近づいてくると、
「美桜さん、良かったら、来月の撮影もお願いできないかな」
と言った。
「えっ」
「実はさぁ、真莉愛ちゃんの人気、落ちてきてるんだよね。あの子、男性関係派手だし、性格も悪いって、ファンの間で噂になっていてさ。SNSで炎上してるんだ。実際、その通りだしね。うちの雑誌もイメージがあるから、困っていてね……。契約を切ろうかと考えていたところなんだよ。その点、美桜さんは性格良さそうだし、清楚で初々しくて、きっと人気出ると思うんだよ」
男性スタッフは、にこにこと美桜を誘ってくる。美桜は困惑しながらも、
「すみません。私には、他に仕事があるので、お役には立てません」
と、丁寧に断った。男性スタッフが「そう?」と残念そうな顔をしている。
美桜は真莉愛の方へ視線を向けた。今の話が聞こえていたのか、睨むように見つめている真莉愛の元に近づいて行くと、
「真莉愛さん」
と声をかけた。真莉愛が態度悪く「あ?」と顎をしゃくる。
「私が付けた頬の傷、跡になっていませんか? あの時は、本当にごめんなさい」
真莉愛の傷は、完全に治っていた。けれど、
「あんたのせいで、跡になったっつーの! 慰謝料、請求したいぐらい!」
と、真莉愛はうそぶいた。翡翠が横から真莉愛の顔をのぞき込み、
「そうか? どこにも傷のない、綺麗な肌をしているが」
と、首を傾げる。翡翠に間近に寄られ、真莉愛の頬が赤くなる。
「そ、そう? 私、綺麗?」
「ああ。――まあ、美桜には叶わないが」
しれっとそう言った翡翠に、真莉愛の顔が呆けたものになる。
「真莉愛さんにさよならを言いに来ました。今まで、ありがとうございました」
美桜は真莉愛に別れの挨拶をした。
「さよならって、あんた、勝手に家出していたじゃない」
「はい。心配かけてごめんなさい。今度は家出じゃない。正式に真莉愛さんと暮らしていた家から自立します」
「自立って、仕事もしていないくせに? どうせ、その男のところに転がり込んでいたんでしょ」
真莉愛が侮蔑のまなざしで翡翠を見たので、美桜は翡翠を庇うように前に立った。
「私は確かに、この人と一緒にいるけれど、ちゃんと仕事をしています」
「馬鹿で無能なあんたに何ができるっていうのよ!」
真莉愛が癇癪を起こした。美桜は困った表情を浮かべたが、毅然とした態度で、
「それから、真莉愛さん。以前、私から取り上げたネックレス、返してもらえませんか?」
と、言った。真莉愛が、
「はぁ? いつの話よ。あんなの、もう捨てたし」
と、目を剥く。
「そんな……」
美桜は動揺したが、真莉愛はそんな美桜がおかしかったのか、鼻で笑った。その時、ニャーンと猫の鳴き声がした。美桜には聞こえたが、真莉愛には聞こえていないその声は、猫又が発したものだ。黒猫のいる方向に目を向け、美桜は小さく「あっ」と声を上げた。
黒猫は口に、翡翠の鱗の付いたネックレスを咥えていた。美桜は急いで黒猫の元へ行くと、しゃがみこんで両手を出した。黒猫が美桜の手の中に、ネックレスをぽとりと落とす。
美桜の行動を怪訝そうに見ていた真莉愛は、美桜がネックレスを取り返したことに気づき、しまったというように悔しそうな表情を浮かべた。
「真莉愛さん、さようなら。お元気で」
美桜は立ち上がると、まっすぐな瞳で真莉愛を見つめた。
「行こう、翡翠」
美桜を見守っていた翡翠に微笑みかける。翡翠も笑みを返し、
「そうだな」
と頷いた。
スタジオを出て行く二人に向かって、真莉愛が、
「あんたの顔なんて二度と見たくない! 勝手にどっかに行け!」
負け犬の遠吠えのように、悪態をついた。
スタジオの外に出た美桜は、胸の前でネックレスを握りしめた。
大切な……大切な翡翠の鱗。
「翡翠、ごめんね……。なくしていて、ごめんね……」
無事に取り返せたことに感極まり、涙の浮かんだ瞳で翡翠に謝罪すると、翡翠はネックレスを手に取り、美桜の首にかけた。
「これは戻るべくして美桜の元に戻った。美桜、泣くな。自分を虐げていた家族に許しの心で別れを告げ、誰を責めることもなく、つらい過去を乗り越えた美桜を、俺は尊敬する。美桜は姿も美しいが、心はもっと美しい」
美桜の瞼に口づけ、髪を撫でる。二人の足元で、黒猫が機嫌良くニャァと鳴いている。
「行こう、美桜。菓子の材料をでぱぁとに買いに行くのだろう? それから、幽世に戻って、まかろんを焼いてくれ。芙蓉も待っている。他の皆も」
「うん!」
「美桜の居場所は、俺の隣だ」
翡翠が甘い声で囁いた。見上げた美桜の視線が、翡翠の熱っぽい視線と絡み合う。
(私は幽世で生きて行く)
美桜は愛しい龍神の手を、強く握り返した。
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