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一章 幽世へ
七話 お礼
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翌日、千雅は友達と観劇に行くと言って午前中から出かけて行った。昼はホテルでランチを食べるのだそうだ。真莉愛は男友達と遊園地へ遊びに行っている。隆俊は仕事。美桜は今日一日、めずらしくフリーだ。
(デパートへ行けて、自由な時間もあるなんて、今日は良い日! ――そうだ。今日、あの神社へも行こう)
美桜は、昨日、偶然訪れた、龍穴神社のことを思い出した。
(ネックレスのお礼に、翡翠様にお菓子を作って持って行こう。会えるかどうか分からないけど、あの神社の御祭神かもしれないから、お供えをしておいたら、食べてもらえるかもしれない)
そうと決まれば、急いで菓子を用意しなければいけない。冷蔵庫のものをあまり使うと、千雅にバレて怒られてしまうので、
(使っても、気づかれないような材料……)
美桜は、うーんと考えた。
(小麦粉と、卵と、砂糖)
これなら、多少減っていても分からないだろう。
材料をボウルに入れて混ぜ合わせると、揚げ油を用意し、たねを丸めて投入した。こんがりと揚がったのはドーナツだ。キッチンペーパーを敷いた皿にのせ、粗熱を取る間に、出かける用意をすませる。ラッピング用品などはないので、味気ないと思いながらもプラスチックケースに入れて、小風呂敷で包んだ。
「さて、行こう!」
菓子を持ち、玄関にしっかりと戸締まりをすると、美桜は意気揚々と出発した。
(デパートへ行けて、自由な時間もあるなんて、今日は良い日! ――そうだ。今日、あの神社へも行こう)
美桜は、昨日、偶然訪れた、龍穴神社のことを思い出した。
(ネックレスのお礼に、翡翠様にお菓子を作って持って行こう。会えるかどうか分からないけど、あの神社の御祭神かもしれないから、お供えをしておいたら、食べてもらえるかもしれない)
そうと決まれば、急いで菓子を用意しなければいけない。冷蔵庫のものをあまり使うと、千雅にバレて怒られてしまうので、
(使っても、気づかれないような材料……)
美桜は、うーんと考えた。
(小麦粉と、卵と、砂糖)
これなら、多少減っていても分からないだろう。
材料をボウルに入れて混ぜ合わせると、揚げ油を用意し、たねを丸めて投入した。こんがりと揚がったのはドーナツだ。キッチンペーパーを敷いた皿にのせ、粗熱を取る間に、出かける用意をすませる。ラッピング用品などはないので、味気ないと思いながらもプラスチックケースに入れて、小風呂敷で包んだ。
「さて、行こう!」
菓子を持ち、玄関にしっかりと戸締まりをすると、美桜は意気揚々と出発した。
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