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郊外の一軒家

しょじょがえり、ろく

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何を思ったのか突然俺の精液を自身の陰茎に塗り付けた雪兎は、先程までとは違った白で自身の陰茎が染まったのをしっかりと確認した後、手招きをした。

「続きして、ポチ」

「……は、はい」

自分の精液なんて舐めたくない、雪兎や雪風のなら美味しいけれど自分の精液はまずい。けれど、これを全て舐め取ればまた雪兎の陰茎を楽しめる。

「ぁむっ……ぅ、うう……ん、んん……」

「さっきは必死だったのに、随分ゆっくりになったね? しかめっ面までしちゃって」

「んぅ……すいません、まずいし、臭いし……ちょっと」

「ふぅん?」

雪兎は右手に残っていた俺の精液を左手の人差し指ですくって俺の鼻の下に塗った。

「僕はいい匂いだと思うなぁ。それ、拭いちゃダメだよ」

「……ふぁい」

鼻で呼吸すれば俺自身の精液の匂いに肺を犯され、口で呼吸をすれば食道が犯される。地獄だ。だが、この地獄を演出しているのは雪兎だ、つまり天国だ。

「なんだかんだ嬉しそうな顔してるね、可愛いよ。本当に何したって喜ぶんだから……もう、可愛すぎ」

太く長く硬い陰茎を喉で扱くこの苦しい快感も久しぶりだ。喉で絶頂出来るかもしれない。

「……っ、んんんゔっ!」

「んっ……何、喉イキでもした? ぷるぷるしたよね」

床には今出したばかりの精液がある。それを見つけた雪兎は口の端を意地悪く吊り上げ、フェラチオをやめさせた。

「あっ……ゆきさま?」

「自分のをこんな雑に出しちゃうようなポチには飲ませてあげない」

「そんなぁっ! ユキ様、許してください、すぐ片付けますから!」

俺の懇願は聞いてもらえず、雪兎は自らの手で陰茎を扱いてティッシュの中に精液を吐き出した。

「あぁ……それ食べさせてください」

「ダメに決まってるでしょ。それよりポチ、これつけて」

渡されたのは白いサージカルマスク、新品らしいそれを言われるがままにつけると、雪兎はマスクの外側に精液を包んだティッシュを貼り付けた。クシャッとしてしまわず広げたまま持っていて妙だなとは思っていたが、飲ませてもらえなかったのがショックで深く考えてはいなかった。まさかこんなふうに使うためだとは。

「その上からこれね」

雪兎は革製の黒いマスクを俺に見せた。風邪や花粉症の時につけるものではなく、SMプレイの衣装だと見てすぐに分かった。

「あぁ、つけるのは僕がやってあげる。ポチは口押さえてて」

重たい革製のマスクは耳に引っ掛けられない、頭にベルトで固定するのだ。後頭部で髪を巻き込まないよう丁寧にベルトを締められる音を聞き、興奮して呼吸が荒くなり、雪兎の精液の匂いがマスクの中に充満した。

「一応呼吸穴は空いてるけど、濡れたティッシュとマスクもつけてるから……ゆっくり息しなね? あんまり激しく息すると倒れちゃうよ」

「ん、う」

マスクを固定するベルトは一本ではない。口の横から後頭部に回ったものと、顎の下から頭の上に回ったものの二本ある。その二本同士も繋がっているようだが、構造はよく見ていなかったのでよく分からない。
つまり何が言いたいかと言うと、顎の下から伸びたベルトが頭の上で留められているので、口が開かず喋れないということだ。

「苦しい? ふふ……涙目だね、可愛い」

雪兎の精液の匂いを長く堪能していたいので、失神なんてしないように呼吸を落ち着ける。落ち着けたいのに、雪兎に頭を撫でられて自然と荒くなってしまう。

「んんっ……!」

息苦しい。頭がぼうっとする。酸素が足りない。低酸素気持ちいい。撫でられるだけでイける。呼吸制限気持ちいい。

「わっ……また出してる。頭撫でただけでイっちゃうの? もぉ……可愛すぎ」

息が出来ずにぼうっとした頭では認識が遅れたが、どうやらまた射精してしまったらしい。雪兎に困ったような嬉しそうな複雑な表情を向けられている。

「……っ」

もっとこの苦しさを楽しんでいたいのに、もう意識を保っていられない。もう、むりだ。
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